情報・知能・精密機器部門ポリシーステートメント
目的と特色
本部門は,高度情報化社会の基盤となる各種情報・知能・精密機器を対象として,そのテクノロジーの学問的基盤を確立するとともに,それらの創造と発展に寄与することを目的として設立された.機械工学で基本とされる材料力学,流体力学,熱力学,機械力学等を「縦糸」とすれば,本部門はいわば情報・知能・精密・医療等をキーワードとする「横糸」に位置づけられ,より産業や社会に近い立場で創造的な活動を進めている.本部門が対象とする分野には,「情報機器コンピュータメカニックス」,「情報機構マイクロメカトロニクス」,「柔軟媒体ハンドリングと画像形成システム」といった部門の設立趣旨の根幹を成す情報機器関係の分野,さらに,近年特に重要性が増している「知能化機械」及び「医療福祉機器」といった分野,これらに加えて共通基盤技術としての「マイクロ理工学」などの基礎的学理の分野がある.さらなる部門の発展を目指して,これらの技術分野の発展に努めていくとともに,新分野への積極的な展開にも挑戦していく方針である.
活動状況・計画
本部門のベースとなる製品技術群は,種々の基盤技術が複合化されたものである.このため,部門活動は技術横断型となり,多くの関連部門(機素潤滑設計部門,ロボティクス・メカトロニクス部門,交通・物流部門,材料力学部門, 熱工学部門, 計算力学部門)とコラボレーションし,合同オーガナイズドセッション等を企画した.
部門活動の基盤が分科会・研究会活動にあるとの観点から,分科会の立ち上げを進めてきた.ここ数年の間に,「情報マイクロ/ナノシステムのナノトライボロジーとダイナミクスに関する分科会」,「マイクロナノメカトロニクスに関する分科会」,「画像形成技術の高度化のためのシミュレーションに関する研究分科会」といった情報機器関連の分科会に加えて,「人間情報知能メカトロニクス分科会」,「知的センシングに関する分科会」,「医療福祉機器における計測制御研究分科会」といった本部門の重点研究分野の分科会を立ち上げた.こうした分科会・研究会活動の継続,ならびに,その他の「芽となる領域」の分科会立ち上げを推進していく所存である.
学会活動の大きな柱として技術者教育がある.本部門では講習会を定例的に企画・開催している.これまで分科会・研究会活動の成果を広く世の中に還元するための講習会を中心に行ってきた.今後は,若手・中堅技術者の教育・自己啓発に大きく貢献する本部門独自の基礎的な講習会のテーマを検討していく.
技術開発のグローバル化に対応して,部門活動にも国際化が求められている.米国機械学会(ASME)で当部門とほぼ同じ技術分野をカバーするISPS部門と共催してMIPE会議(Joint Conference on Micromechatronics for Information and Precision Equipment)を,約3年に1度のペースで開催している.過去,2003(横浜),2006(米Santa Clara),2009(筑波)に開催された本会議は,いずれも非常に多くの参加者を得て大きな成功を収めることができた.今後も本会議を3年おきに日本とアメリカとで交互に開催していく予定であり,継続的な開催のためにASME側との協議を進めていく.