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特別講演 : リハビリテーション工学の実際 ―生活の拡大をめざしてー

主催:LIFE2019

演者:富田 豊(慶應義塾大学・名誉教授)

日時:9月13日(金)16:15~17:15

会場:講演室6(J11室)

司会:高橋正樹(慶應義塾大学)

要旨:

著者は慶応大学理工学部に在籍したまま、月が瀬リハビリテーションセンターにて約4年間、さらに慶応大学を退職後、藤田医科大学七栗研究所にて4年間リハビリテーション工学士として勤務した。今日は、その経験に基づいて、臨床におけるリハビリテーション工学の内容と反省をお話しします。

  • リハビリテーション工学とは:リハビリテーション医学を工学的立場から支援する。医師、療法士、看護師を工学的手法で支援すること。
  • 機能的・治療的電気刺激:脳から筋肉までの情報伝達は99.9%が電気信号である。脳からでなくても、筋肉に電気刺激を与えると収縮する。これを利用して歩行困難な人の歩行を援助するのが、機能的・治療的電気刺激である。
  • 同心円電極:筋電図は筋肉の活動状態を反映している。しかし、電極の貼布位置の設定は意外と難しく、正しい位置に貼布しないと、正しい筋活動を測定することができない。われわれの開発した同心円電極はその背面にオペアンプを持った能動電極であり、比較的容易に貼布することができる。また、運動中のコードの揺れによるアーチファクトが入らないなどの特徴がある。
  • 離床センサー:下肢に障害があり自立歩行が不可能で、さらに認知に問題がある患者がベッドから離れようとすることがある。そのようなときに、ナースコールが鳴るようなシステムを作った。
  • 医療用ロボット:食事が自立していない患者に看護師が支援すると30分以上の時間がとられる。そこで、病院はそのような患者を入院させないようにしている。食事支援ロボットを導入することで解決できる可能性がある。
  • 無視めがね:脳卒中の後遺症の一つに半側空間無視がある。これは視覚には異状がないにもかかわらず、半側(多くは左側)を認知しない(無視する)症状である。たとえば食事を左側のみ残す、更衣の際に左側の手を袖に通さない、廊下の左側の壁を無視するので左側にぶつかる、などである。プリズムメガネが一つの解決になった。

S1 : 特別企画(日本生活支援工学会企画)

アクセシビリティへのアクセス:より良い支援技術の構築

Access to Accessibility: Building Better Assistive Technologies

主催:日本生活支援工学会

演者: Mark Bookman(ブックマン・マーク)
ペンシルベニア大学博士課程(東アジア言語・文明研究科)
国際交流基金(日本研究フェロー)
東京大学先端科学技術研究センター(交流研究生)

司会: 大鍋 寿一(新潟医療福祉大・ピッツバーグ大学)
田中 理(横浜市総合リハビリテーションセンター)

日時:2019年9月13日(金)14:30-16:00

会場:講演室2

Abstract:

Assistive technologies are useless by themselves. For those technologies to have value, they must satisfy the needs and desires of their intended users as well as the social, political, economic, and cultural demands of the environments in which they operate. No matter how ‘innovative’ and ‘advanced’ our technologies may become, their functions are limited by the constraints that shape our world. To build truly mobile societies, we must recognize their entanglements with daily life and connect the stakeholders involved in their development and deployment: users, families, caregivers, professional groups, manufacturers, suppliers, policymakers, planners, implementers, service providers, non-governmental organizations, and associations of persons with disabilities.

In this lecture, I draw on my personal experiences traveling between Japan and the United States to reveal how cultural assumptions about the size, shape, and flexibility of assistive technologies can lead to lifestyle changes and new forms of kinship for persons with disabilities. Focusing on my time as a Fulbright Scholar at Toyo University and a Japan Foundation Fellow at the University of Tokyo, I demonstrate how incompatibilities between local and global technologies can become catalysts for physical, educational, and vocational change as well as shifts in consciousness. I argue that the 2020 Olympic and Paralympic Games in Tokyo provide a key opportunity for triggering such changes and may transform ideas about accessibility not only in Japan but all across the world.

要旨:

支援技術はそれだけでは役に立ちません。 それらの技術が価値を持つためには、それらが意図するユーザーのニーズと欲求、ならびにそれらが使用される環境の社会的、政治的、経済的、そして文化的な要求を満たさなければなりません。 たとえどれほど「画期的」かつ「高度な」技術が生まれても、それらの機能は私たちの世界を形作る制約によって制限されます。 真にモバイル社会を構築するために、私たちは日常生活との関わり合いを認識し、開発と供給に関わる利害関係者を結び付ける必要があります。ユーザー、家族、介護者、専門職団体、製造業者、供給業者、政策決定者、プランナー、実施者、サービス提供者、非政府組織 、および障害者団体。

この講義では、日米間の個人的な経験を活かして、支援機器のサイズ、形状、および柔軟性に関する文化的な仮定が、障害のある人々のライフスタイルの変化と新しい人的環境にどのようにつながるかを明らかにします。東洋大学のフルブライト奨学生および東京大学の国際交流基金のフェローとしての私の時間に焦点を当てて、私は地域と世界の技術の間の非互換性がどのように肉体的、教育的、職業的変化と意識の変化の触媒になり得るかを示します。私は、2020年の東京オリンピックとパラリンピックはそのような変化を引き起こす重要な機会を提供し、アクセシビリティについての考えを日本だけではなく世界中に変革をもたらすことになる事を提言します。

S2 : 日本生活支援工学会企画

文部科学省私立大学研究ブランディング事業早稲田大学・立命館大学・東京電機大学合同シンポジウム

日時:9月14日(土)10:00~12:00

会場:講演室6(J11室)

LS1 : 企業展示ランチョンセミナー

機器展示出展企業による展示内容の説明

主催:LIFE2019

日時:9月13日(金)12:15~13:15

司会:園部 元康(高知工科大学)

会場:講演室6(J11室)

参加予定企業:

インターリハ(株),(株)ATR-Promotions,(株)小野電機製作所,九州工業大学永山研究室・永西健器,(株)スポーツセンシング,(株)テック技販,(株)テラバイト,(株)徳,(株)ロジカルプロダクト

企業名は50音順です。

学会へ参加登録された聴講者にはお弁当を配布いたします。

LS2 : ランチョンセミナー

中国の最新福祉機器の研究開発状況と今後の展望

主催:日本生活支援工学会

日時:9月14日(土)12:30~13:00

演者:郭 位龍(ハルピンロボット集団(HRG)日本事務所所長)

司会:田中 理(横浜市総合リハビリテーションセンター)

会場:講演室2

要旨:

現在中国の少子高齢化に伴い、福祉市場が急速に成長している。福祉用機器等の研究と開発も注力され、一部分の製品は既に市場に参入し始める。常用機器の紹介以外、今回よりスマートの福祉用ロボットの開発及び応用現状も分析する。特に現在市場化の障壁を考え、将来技術と市場応用の集中ポイントを説明しよう。日本は福祉産業の先輩として、中国の巨大な福祉市場に進入するとき、中国の市場と高齢者のニーズを理解しなければならいと考える。

9月14日午前、日本生活支援工学会事務局受付にてお弁当引換券を100枚(予定)配布します。昼食持参での聴講も可能です。

告知ポスター

告知ポスター

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ポスター(PDF)を閲覧できます。

事務局

LIFE2019 大会事務局

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