作成 古賀 毅 2009/4/6

日本機械学会 設計工学・システム部門 「設計研究会」(A-TS12-05)

2008年度 研究会活動報告

 設計研究会では、2008年度は4回の研究会および1回の合宿を行った。研究会活動を通して、以下のトピックに関してプレゼンテーションおよびディスカッションを行った。のべ100名を越す参加者によって、設計とは何か、どのような支援が可能なのかを討論した。活動の成果として、現在、設計工学の将来ロードマップを作成中であり、一部は機械学会の成果物として公開している。議事録やプレゼン内容などの詳細な報告資料は、設計研究会ウェブページの議事録に随時アップデートしているので、参照されたい。 

  1. Ontology and Case-Based Reasoning for Engineering Design
  2. SysMLによるモデル駆動型システムズ・エンジニアリング
  3. Emerging mesh based representations and applications to shape search
  4. 感性品質の現状と将来の可能性
  5. モデル駆動型製品開発〜エレメカソフト複合製品開発の「ものをつくらない」ものづくり〜
  6. ディジタルモックアップによるメカトロニクス制御ソフトウェアの実機レス開発

 

2008年度 合宿 開催報告

1. 会場、参加者、概要

 2月21日(土曜)から22日(日曜)に、葉山 湘南国際村にて日本機械学会設計研究会2009 合宿を行い、産学ベンダから合計14名の参加者があった。初日は25:00まで、2日目は8:30よりと、白熱した議論が展開された。

 

2. Introduction

 2010年、あるいは2030年を見据えた製品開発を予測するのも設計工学の使命であると言える。狩野モデルに基づく3つの設計分野の構成や、設計工学技術の今後が議論された。日本・米国・欧州での設計工学の分析結果から、相違を議論し、2030年の設計工学の姿を討論した。

 建築の世界には、建築屋だけでなく建築家が存在する。機械の世界にも、機械屋だけでなく機械家、という概念に相当する存在が必要なのではないか。教育の問題、文化の視点も含めて、日本のものづくりに必要な視点を議論した。

 

3. プレゼンと議論トピック紹介

合宿の参加者より、それぞれが持つ課題や取り組み、問題点についてディスカッションを行った。

●システムと設計、意思決定のためのモデリング

●感性設計、デザインイノベーション、創造設計

●設計における広い意味での最適化とは

●システム予測機能デザイン

可能性を担保する。本当に成り立つのか。本当につくれるのか。汚いCAE。企画CAE。企業設計者が絶対に考えられない事・できない事は何かを考える。

●Hit商品の特質と女性の感性

●多目的ロバスト最適化と設計知識マイニング

●モデル駆動開発と製品開発方法論

●仕様BOMと受注生産品の製品開発支援

●プロセスの見える化と気付きの必要性

●知識の操作と仮説検証過程の記録管理

●リバースエンジニアリングの問題点と日本のものづくりが生きる道

●高度CAEと簡易直感モデルによる設計革新

4. 議論の取りまとめ(2日目)

 上記の議論をもとに、「楽しい」「安心安全」「早く、安く」「見える化」「気付き」といったキーワードを軸に、設計工学の将来ロードマップ、技術マップの作成を行った。アウトプットは、機械学会において公開予定のロードマップという形で、纏める予定である。

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