更新:2017/6/19

このページでは、部門長挨拶、設計工学・システム部門の創設の背景と、この部門が対象とする分野および領域について紹介します。

第95期部門長挨拶
大久保 雅史(同志社大学)
第95期部門長 大久保 雅史

この度,第95期部門長の大役を務めさせていただくことになりました.伊藤照明 副部門長,井上全人 幹事をはじめ,運営委員会委員,アドバイザリーボード,部門を支えて頂いている皆様,事務局員の皆様とともに,さらなる部門ならびに学会の発展に向けて尽力致してまいります.何卒よろしくお願いいたします.
私は溶接工学出身で,大学院を修了後,大学助手となり,知的CADやCADデータを利用した画像認識を研究テーマにしておりました.当時は,パーソナルコンピュータの性能も低く,大学の大型計算機やワークステーションなどを利用していました.その後,人とシステムあるいはシステムを介した人と人との関係性に興味をもち,現在,情報系の学科でヒューマンインタフェースデザイン,とくにコミュニケーション支援システムやインタラクションデザインの研究をしております.また2004年に現在の大学に移ってからは,PBLや学生中心に実施されているプロジェクト事業にも長くかかわっております.大学で学んだ溶接工学は,材料・電気・機械の基礎的な学問から制御や最適化まで多義にわたる学問分野が関係しています.そのことが,新しい研究・教育分野への興味へと繋がっていること,また,本部門で私が貢献できることに深く関わっていると感じております.部門とのかかわりは,部門設立当初から部門講演会に参加していたのが始まりです.その後,本部門での活動が途切れることもありましたが,幹事,広報委員会委員,学術誌編修委員会委員長などを務め,とくに当部門と他4部門が合同で発行する英文論文誌JAMDSMのEditor in chiefを務めさせていただきました.他学会の活動では,ヒューマンインタフェース学会の理事が4年目となり,今年度は研究会運営委員会の委員長を担っております.一方,大学では,前述のプロジェクトの運営委員長を8年,また大学図書館の副館長を3年,一貫教育委員会の委員長を2年務めてきました.これらの経験が部門への貢献と繋がればと思います.
本部門が対象とする分野及び領域は,設計工学・設計方法論・設計学,設計知識,製品開発,情報管理,設計組織,システム工学,ヒューマンインタフェース,人工物工学の展開,新しい人工物など,極めて広範囲にわたっております.感性や感動など価値を飛躍的に向上させるDelight設計など,今後の設計工学・システム技術の進展への貢献はもちろん,これまでの部門活動の活性化の波に乗って,強力に部門活動を推進していきたいと考えております.本部門をさらに魅力ある交流の場とするために,部門活動への皆様の積極的なご支援・ご協力を賜りますよう何卒よろしくお願いいたします.

部門創設の背景

機械工学を取り巻く環境は転換期にあり、設計はいろいろな問題をかかえています。別すると一つは、設計対象の「質」の確保の問題であり、もう一つは設計を行なうための効率化の問題です。第一の点の問題は、設計への要求が多様かつきびしくなっていることです。製品の大型化や大量化さらにP/L(製品責任)問題など信頼性の確保はもちろん、先端技術の製品への取り込みなどのほか、感性など製品に対する人間的視点の重視、さらに最近やかましくなってきた地球環境への対応や省エネなどがあり、これらの内容はすべて設計に対する要求として発現するのです。第二の点についてはどうか。第一の点を実現するために設計の負担は際限なく増大しており、加えて最近の設計では設計期間の短縮も強く要求されます。これに対処するためにCAD/CAM/CAE、AIなどのコンピュータ利用技術が採り入れられるわけですが、それらは情報分野における、例えばニューロやファジイなどの新しい技術にも関連しており、それらの理解はさらに新しい課題として設計者に課せられることになります。このような状況に対処するためには、正面から設計に取り組み、設計者を支援する方法を考える部門が学会に不可欠です。

(赤木新介「設計工学・システム部門設置の背景」より)

対象とする分野および領域

設計工学・設計方法論・設計学 CAD/CAM/CAE ,シンセシス,アナリシス,アブダクション,創発,場の理論,発想・創造支援,創発的計算法,タグチメソッド, QFD , TRIZ , DfX
設計知識 設計哲学,設計原理,設計公理,設計知識処理技法,設計知識マネジメント,設計知識共有・再利用,機能モデリング
製品開発・情報管理 製品モデル,製品開発,プロジェクト・マネージメント,コンカレントエンジニアリング, PDM , SCM , EPR ,ディジタルモックアップ,ラピッドプロトタイピング
設計組織 ビジネスモデル,エンタープライズモデル,設計生産性,グローバルエンジニアリング
システム工学 分散・協調,コラボレーション,インターネット応用技術,データベース,遠隔教育
ヒューマンインタフェース 身体性メディア技術,バーチャルリアリティ,ハプティックス,モバイル,ウェアラブル, IPT ,実世界指向
人工物工学の展開 人工物工学,サービス工学,ライフサイクル工学
新しい人工物 マイクロマシン

部門活動実績