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有限要素法

finite element method

 連続体力学における問題を,数値的に解析する場合,連続体の有する無限の自由度をその特性を損なわないように有限の自由度を有する有限要素の集合体として近似化し,この集合体に対して成立する方程式を解く方法である.いい換えれば,物理的に厳密な基礎方程式を有限要素により近似的な方程式に置換えて数学的には厳密に解く方法である.有限要素法の基礎的概念は,構造力学の分野で古くからあったが,当時は,膨大な量の計算を処理する方法がなかったために抽象的なものでしかなかった.それがコンピュータの急激な性能向上と普及に伴って,構造力学,流体力学の分野に大幅に取入れられている.有限要素法はマトリックス法とも呼ばれるが,厳密には,マトリックス法の中で連続体力学の分野を取扱うものが有限要素法である.有限要素法の解析は,基本的には①解析領域の要素分割,②要素の内挿関数の選択,③連続体全体の剛性方程式の導出(連立一次方程式),④連立一次方程式の求解,の順で行う.コンピュータの高性能化により有限要素法が数値実験ツールとして,今後,基礎研究や製品開発分野においてその役割がいっそう大きくなるものと期待される.

01/1012905.txt · 最終更新: 2017/07/19 08:48 by 127.0.0.1