板材,形材,線材などの製造に供される素材としては,連続鋳造法により製造された鋳片が多く用いられているが,一部に,鋳型を用いて鋳造されたインゴットと呼ばれる鋳塊を分塊圧延して得られる素材も用いられている.すなわち,連続鋳造,あるいは分塊圧延により,下流工程から要求される形状寸法を有する素材品を製造するが,この素材は,一般に,寸法,形状,用途の違いにより,スラブ,ブルーム,ビレット,ビームブランクなどに分類される.このうち,スラブは厚板,薄板などの板用素材(半成品)であり,粗圧延機およびホットストリップミルにより,板材すなわち船舶・構造物用厚板あるいは各種板厚・板幅を有するホットストリップなどへと加工される.スラブのサイズは最終板材製品の要請によって定まるが,連続鋳造能力,鋳塊製造能力,および粗圧延,分塊圧延の各工程能力によっても規制される.鉄鋼業においては,製品の大型化,高能率化に伴い,スラブサイズも大きくなっている.大きなものでは,ホットストリップ用スラブで約35tなどが実用化されている.