平らな金属板をダイの中にパンチで押込み流入させながら,継目のない円筒や角筒などの種々の容器状のものを成形する加工法.フランジに発生するしわを抑えるため,ブランクホルダを用いる.その押え圧力は深絞り性を左右する重要な因子である.破断せずに加工できるパンチ径に対するブランク直径の最大値は理想条件ではe(≒2.718)に等しい.板材のr値は深絞り性と強い相関があり,大きいほど深絞り性はよい.絞り性のよい鋼板としてr値の大きい「深絞り用鋼板」がある.通常は剛体工具が用いられるが,パンチかダイのどちらかをゴムまたは液体のような柔軟な物質を用いる場合もある.