固体面上の液膜において,固体表面の分子ないし原子と液膜の分子間引力により液膜表面に作用する圧力である.単一対の分子間力によるレナード・ジョーンズポテンシャルを固体と液膜のすべての分子間で総加算することにより導出できる.液膜厚さを h とすれば,分離圧 Π は A6π(h+d0)3で表される.ここで A は液体と固体の分子間引力の強さを示すハマーカー定数,d0 は接触する異なる材料の分子の平均的な最小距離で,レナード・ジョーンズポテンシャルにおいて分子間力平衡距離 σ と d0=0.673σ の関係がある.分離圧は液膜厚さを大きくする効果をもつ.その理由は液膜が局部的に薄い場合,固体分子の引力により液膜分子が引き寄せられ厚さを増すように作用するからである.このため,静水圧より分離圧が支配的である薄い液膜は,固体平面上における厚さに変化があると,分離圧によって一様厚さになるように流動する.