日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第59号

大隈式非真円平軸受とGPB形円筒研削盤

 大隈式非真円平軸受は、大隈鐵工所(現 オークマ)の長岡振吉が1954(昭和29)年に開発した動圧軸受で、主軸の回転により軸受部円周上の3点にくさび形油膜を形成し、高い回転精度と剛性を実現した。
 GPB形円筒研削盤は、この非真円平軸受を採用した工作機械で、荒削りから、仕上げ、定寸までを連続サイクルで行い、鏡面仕上げ加工を実現した画期的なものである。1956(昭和31)年から1969(昭和44)年の製造期間で約700台生産された。この研削盤によって、玉軸受転動面の加工をはじめ、自動車の燃料噴射ポンプ、油圧弁など、各機械の重要部品が高精度に加工できるようになり、各製品の品質や性能を飛躍的に高めた。その技術は現在のCNC円筒研削盤に引き継がれ、工作機械の革新的技術の代表的存在となっている。
 大隈式非真円平軸受とGPB形円筒研削盤は、戦後日本の精密機械産業発展の礎となった機械である。

《写真提供:オークマ株式会社》

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