日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第77号

松川地熱発電所

 松川地熱発電所は、岩手県八幡平市松尾に位置し、1966(昭和41)年に運転を開始した、商用としては国内最初のものである。蒸気タービンは単気筒単流衝動復水式、発電機は横円筒型回転界磁式、復水器はバロメトリック式冷却塔を採用している。蒸気に含まれるイオウ分によるタービンローター翼の壊食・腐食を防ぐため、ニッケルを含まないクロム・モリブデン・バナジウム鋼を採用し、使用している。
 本発電所は、地熱活用の先駆として技術開発をリードし、その成果は他の地熱発電所でも広く用いられている。運転開始時の出力は9,500kWであったが、徐々に出力増強しながら、1993(平成5)年には23,500kWとなった。50年を経た現在も、蒸気井を順次掘削しながら安定した運転を継続している。また、当時設計・製作された主な構築物・設備も、タービン以外はほぼ当時の容姿を残している。1993年に更新された旧タービンも敷地内の地熱PR館に保存・展示されている。
 松川地熱発電所は、わが国の再生可能エネルギー活用の先駆けとして、様々な地熱特有の技術課題を解決してきたことの証となる設備群である。

《写真提供:東北自然エネルギー株式会社》

公 開

松川地熱発電所 松川地熱館


※新設工事 工事中 完了 2025.秋(予定) 
※撤去工事(機械遺産) 2025.冬~2028.秋(予定)
開館時間:
9:00~16:00
利用料:
無料
利用できない日:
休館日(毎週火曜日)、冬期間(11月中旬〜4月下旬)
住  所:
〒028-7302 
岩手県八幡平市松尾寄木
問合せ先:
同上 TEL:022-722-6510
交通機関:
〔バス〕JR盛岡駅から約1時間50分〔車〕東北道松尾八幡平ICから25分

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