日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第127号
国産初の加圧式石油ストーブSB型
本機は(株)内田製作所(現 (株)コロナ)創業者の内田鐡衛によって開発された加圧式石油ストーブである。その基盤となる技術は、関東大震災後にガソリンコンロの欠点に着目し、安全で安価な軽油を使ったコンロの開発に独学で取り組んだことに始まる。1952(昭和27)年には、予熱パイプによる燃料の気化技術を確立し、翌年には無煙・無臭の青い炎で燃焼する加圧式石油コンロを完成させている。
その後、経営の多角化に伴い加圧式石油コンロで培った燃料の気化技術を石油ストーブへ応用し、さらなる研究開発で混合管の設計改良や未気化燃料の排出問題を克服し、携帯性にも配慮したデザインで、1955(昭和30)年に「コロナ瓦斯式石油ストーブSB型」として発売した。ハンドル一つで操作でき、また高い安全性から、初年度に約3千台、1年後には約1万台が生産され、その後もシリーズの延べ生産数は、毎年倍々の伸びを示し、1960(昭和35)年には、コロナの石油ストーブ生産量は全国の約30%のシェアとなった。
燃料の気化技術は、現代のファンヒーター等の石油暖房機へ広く受け継がれており、日本の暖房の認識を一変させ、国民生活の向上に大きく貢献した。
《写真提供:株式会社コロナ》
公開(事前予約)
株式会社コロナ 技術開発センター1Fロビー
- 開館時間:
- 9:00~11:30/13:30~17:00
- 入場料:
- 無料
- 休館日:
- 土日、祝日、年末年始、お盆、など
- 住所:
- 〒955-8510 新潟県三条市東新保7番7号
- 電話番号:
- 0256-32-2111(機械遺産見学の旨、お申し付けください)
- HPアドレス:
- https://www.corona.co.jp
- 交通機関:
- JR上越新幹線 燕三条駅 タクシー20分、JR信越本線 三条駅 徒歩10分
北陸自動車道「三条燕」IC 20分