熱工学部門長あいさつ


第103期熱工学部門長

東京科学大学 工学院
教授 伏信 一慶
2025年4月1日

 2025年4月より第103期の熱工学部門長を仰せつかりました東京科学大学工学院の伏信一慶と申します。部門長就任にあたり、期首のご挨拶を申し上げます。
 申すまでもなく、現下の重要関心事であるカーボンニュートラルの実現や循環経済への移行を志向するにあたり、熱工学部門が取り扱う伝熱、燃焼、熱物性や熱力学などの広範な学術分野は、その基盤として不可欠と考えます。顧みれば、これまでも折々の社会的要請や産業上のニーズに対して、これら熱工学部門の取り扱う学術分野が常に不可欠な存在であり続けたと思い返され、今後も変わりなくあり続けるものと考えます。
 そのような熱工学部門の学術交流の基幹となるイベントは熱工学コンファレンスです。本年度は山形大学の鹿野一郎先生を実行委員長として開催をご準備いただいております。また本年度は小宮敦樹先生を中心に日韓熱流体工学会議が沖縄での開催を予定されており、こちらも部門にとって重要な会議で、本会流体工学部門、大韓民国機械学会(KSME)熱工学部門、流体工学部門と連携して開催を続けております。また、昨年末には店橋護先生を中心に、米国熱流体工学会(ASTFE)及びKSME 熱工学部門と連携した環太平洋熱工学会議が成功裡に開催されました。このように、国際的な連携も部門の重要な役割として継続的な取り組みを続けております。
 熱工学部門は第3位までの部門登録者数で4000人規模の大きな部門であり、その4割以上は民間企業所属の会員の皆さんで構成されています。企業所属の皆さんにとって、学会との関わり方についてはいわば log スケールでのさまざまな温度差、濃度差のようなものがあろうかと思われますが、例えば、工学の論文は基本的にはその緒論を何がしかの役に立つということをもって書き始めるものと思われ、いわゆるニーズプルの側から学会での議論をリードしていただくことも大いに期待されるものと考えます。あるいは、同業を含む他社の方々との趣の異なる交流の場として、または大学や公的研究機関の研究者との邂逅の場として、結果としてご自身の実務にも資するものと期待いたしますので、その低コストかつニュートラルな特性をぜひ活用いただきたいと期待します。また、国を挙げた過去10 年ほどの取り組みの中で大規模な産学連携が定着しつつある感がありますが、マクロな連携であってもミクロな接続がその根幹と伺う場面が多く、さらにはこのような組織間連携を担う人間関係は時間をかけた熟成が必要と感じます。その面からも学会という場のご活用を期待する次第です。
 顧みると、人と人との関係を取り持つプロトコルのようなものは変化し続けているように感じます。自身が若かりし頃に当たり前だったことが、今となっては不適切とのご指摘を受けるケースも多々ありますが、学会の場での議論についてはどうなんだろうと考えることがあります。技術や学術の本質を究め新たな知を創造するという大きな目的に変わりはなく、大いに期待するところです。
 皆さんに学会を有効活用いただき、また新時代に即した取り組みを進める上で、可能な範囲での運営の簡素化も重要と考えます。皆さんのご理解、ご協力をお願い申し上げる次第です。小職も微力ながら努力して参る所存です。今期もどうぞよろしくご支援をお願いいたします。




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