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第104期熱工学部門長 福井大学 工学系部門機械工学講座 教授 永井 二郎 |
| 2026年4月1日 | 2026年4月より第104期の熱工学部門長を務めることになりました福井大学工学系部門機械工学講座の永井二郎です。 部門長就任にあたり、ご挨拶を申し上げます。 皆様ご存じの通り、当部門は熱力学を基盤として伝熱・燃焼・熱物性といった基礎学術分野をカバーし、 分野横断的な世界的な課題や幅広い産業界のニーズに対して、時には表舞台に登場しつつも多くは縁の下の力持ちとして、 社会に必要不可欠な存在でしたし、これからもそうあり続けると確信します。 現在の政府が掲げる重点分野を見ても、当部門は、AI・半導体、量子、バイオ、航空・宇宙、資源・エネルギー・GX、核融合、マテリアル、ITなど 多くの分野にからみます。 そのような重要な役割を持つ熱工学部門の部門長に、なぜ私のような研究業績があまり無い者が選ばれたのか、 不思議に思われる方が多いはずです(私自身がそう思います)。2つの理由に思い至りました。 1つ目は、15年程前に当部門の幹事を務めたからか? と思いましたが、おそらくほとんどの方はご存じないので、違います。 すると2つ目の理由しかありません。現在、当部門の相変化界面研究会の主査を務めており、その前の研究会では長らく幹事を務めました。 この一連の研究会の経緯を振り返りつつ、今期の部門長としての想いを述べたいと思います。 2007年に、小泉安郎先生(当時、工学院大学、その後、信州大学)を主査として、相変化研究会(約50名)が立ち上がりました。 設置の趣旨は明確で、いずれも日本機械学会から出版された1966年の沸騰熱伝達(第1版)と1989年の沸騰熱伝達と冷却(第2版)をふまえて、 第3版の出版を最終目標としました。 そのために、沸騰現象と沸騰熱伝達に対する到達点と未解明点を整理するべく「沸騰伝熱徹底討論」を継続的に行うことになりました。 その研究会の幹事として、大竹浩靖先生(工学院大学)と私が指名されたのです。 学会活動は、言うまでもなく“お互い様”で“ボランティア”的なものであり、共通する学術的なナゾの解明と得られた知の共有を目指します。 私にとって、個人的な研究活動ではなく、集団として本格的な研究活動のお世話をした最初の経験となりました。 この幹事業務は、想像より大変で長期にわたったのですが、2017年にElsevier社より無事に “Boiling”(第3版の位置づけ)を出版することができました。 また、後継の研究会として、高田保之先生(九州大学)を主査として、相変化界面研究会が2017年に設置され、私は幹事の1人となり、 2023年からは主査を務めています。コロナ禍に入った直後の2020年以降、高田先生の英断によりオンライン研究会がスタートし、 今も継続されているのはご存じの方も多いと思います。 この一連の研究会活動は私の一生の財産ですが、その活動ができたのは熱工学部門からの支援や配慮があってこそでした。 研究について議論する熱工学コンファレンスを始めとする国内外の学会、広く知を伝承し社会貢献する講習会、 得られた知をオーソライズし後世に残す出版・論文誌。 このような様々な学会活動を、多くの方がスムースかつ活発に行える環境を整えるのが部門運営の役割と認識します。 幹事の方を筆頭に、運営委員会・総務委員会など部門運営関係者はもちろんのこと、広く熱工学部門登録者全ての皆様にも、 ”お互い様”で”ボランティア”的なお仕事をお願いするかもしれませんが、 ご支援ならびに共創的な活動を、よろしくお願い致します。 |