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N.S.P.(Newtron Star Project)

八戸工業専門学校 機械工学科 5年
          舘 花 政 美

 1990年夏、再び高専生の夏の祭典(?)NHKアイデア対決ロボットコンテストが行われた。私は、第1回、第2回、ともアイデアはだしているが、学内審査で落選し、今年最終学年なため、三度目の正直、最後のチャレンジとなった。学内でアイデアを募集した結果たくさんのアイデアが集まったが多種とはいえず、おおむね4種類しかなっかた。それは、”アーム形”、”橋形”、”球のり形”、”球ころがし形”であった。その中で橋型は重量と強度の関係からまず最初に除外された。私は、橋形、アーム形の2つのアイデアを出していたので、アーム形に橋形、球のり形の要素を合わせて、1つの案とした。そのほか、球のり形と球ころがし形と合わせて3種類をNHKに送った。そして、私の案が採用された。
 製作は7月26日、東北高専大会終了後にはじめられた。私をはじめ、15人あまりの勇者達は、ニュートロン・スター・プロジェクト(N.S.P.)と呼ばれるチームを結成して製作にとりかかった。初めての製作(一部例外がいるけれども)だったので、初めは四苦八苦しながら一つ作ると欠点が見つかりまた作るということの繰り返しで、各部門で3〜7回あまり作りなおした。しかし、初め苦労していてもみんな経験をかさね、レベルをあげて、最終的には、かなり立派なものができた。動きもほぼ予定どおり(ちょっとにぶい)でかなりいいところまでいけそうなロボットができたが、予定より1kg近くオーバーしていた。穴を開け、削り、材料を薄くし、材質を軽いものにして、なんとか6kgの規定の範囲におさまった。
 大会前日、動きも良く、会場をおおいにわかせた。私達選手3人は、気分を良くして、その日はぐっすりと眠れた。次の日、朝会場についてから、各部門の動きのチェックをおこない、出番を待った。そして出番、混雑した会場の中を人を分けながら進み、ポジションにっきスタートを待った。スタート、スイッチをいれてみると、動かない。瞬く間に2分がすぎ、試合が終った。原因を探して見ると、配線が一本ちぎれていた。おそらく、人混みの中できれたのだろうけど、すごく残念だった。おそらく、ベスト8かベスト4まではいける(すこしひいき目にみているかも知れないが)であろうロボットだった。あまりにも無念だったので、八戸高専祭のイベントの1つとして、一関高専のロボット”横綱ドスコイ号”をお借りし、対抗戦を行ったが、まだ気がおさまらない。
 来年以降の後輩たちが、今年のかたきをうってくれるものと期待して卒業していきたいとおもう。


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