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闇鍋のなかには,な,なんと松坂牛!?

東北大学・工学部・精密工学科
永井研 M2宮  富田 全幸

 このたびの学科改組で,当講座は精密工学科・計測工学講座から機械航空工学科・推進工学講座に名称が改められました.旧精密工学科の中では最も伝統のある諦座の一つでしたが,計測工学という名前は,まるで闘鍋のような,中に何が入っているか分からない漠然としたものでした.しかし,推進工学講座となり,明かりが灯され,闇鍋のなかの松坂牛が見えた想いです.加えて,牛肉のとなりに松茸が見えてしまう感じがしますが,実は松茸は入っていません.牛肉だけです.というのは,推進工学といってもジェットエンジンなどの推進器すべてを対象とするのではなく,主に燃焼器の噴射弁に重点をおいているということです.
 ・・・・・・というわけで,当講座の研究内容について紹介しましょう.
 内容を大きく分けると2大テーマに分類されます.ひとつが液体微粒化,もうひとつが噴霧燃焼です.液体微粒化では,用途に応じた各種噴射弁の試作・計測,具体的には4サイクル,2サイクルガソリンエンジン用二流体噴射弁,航空機用気流噴射弁,ガスタービン用気流噴射弁,などなど,です.特別な応用として,微粒化を用いた固体粒子製造もあります.さらに最近では,基本的な二流体噴射弁についての数値シミュレーションもおこない,液体の分裂,液滴の生成などの基本的な微粒化の現象を掘り下げる試みもなされています.また,見逃せないのは固液混相流体(スラリー)の微粒化であり,単相流のみならず微粒化しています.このスラリーに魅せられた学生は多く,僕もその一人です.続いて噴霧燃焼ですが,主に小型ボイラーを想定した炉内燃焼が研究されています,灯油,CWM(Coal Water Mixture:石炭−水スラリー)用に試作された二流体噴射弁で噴霧を生成,炉内で燃焼させるという,微粒化も燃焼もできるおいしい研究となっております.また最近ではプール火炎についての研究も行い,燃焼研究の範囲も広がりますが,プール火炎では推進しません.でも推進工学講座です.
 ・・・・・・てな感じで,以上が僕たちの研究内容です.それではまた来週,Bye-bye.

 Ghost Writer H.0KUYAMA & A.NEGISHI


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