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おおっ!発見のよろこび−日本大学工学部−

機械工学科 4年 佐藤 俊也
         佐野 良和

 私達のような若年者がこんなことを言うのは似合わないと言われそうですが,研究に挑わる者の醍醐味とは,『おおっ!やった』の一瞬ではないでしょうか.
 現在私達は材料工学研究室において,ある環境条件下におけるガラスの微小亀裂の挙動についての研究を行っています.この研究はソーダガラスに微小な亀裂を人工的に入れ,ある温度,湿度等の条件下の中に投じると,亀裂が変化して,それにより投入前のガラスよりも破壊応力が増すというものです.
 実験を始める前まではやはり半信半疑でした.何てったって90度程の湯中にガラスを入れるだけで破壊応力が増してしまうのですから.当外国からのレポートを見たとき研究生の意見は一致していました.『ほんとかよー』と...
 ということで実験は始まり,湯中にいれて数日が過ぎました.
 『おおっ!』顕微鏡をのぞいていた佐藤の叫びが研究室に響きわたりました.『おっ,どうしたどうした.』『おおっ!亀裂が,亀裂が変化しているー.』
そうです,この一瞬のために私達は研究をしているのですよね.
 私達の研究室は,この他異なった条件下における微小亀裂の挙動について1班,混合モードが1班,複合材料についてが2班,計5班で構成され依田教授のもとで日夜研究に励んでいます.
 教授以下,卒業研究生も皆明るく,大きな家族といった感じで和気合い合いと(もちろんやるときは全員血まなこになりながらも研究に取り組みますが・・)しています.
 各班ともおおかた研究も逃み,多くのデータを出した班や,驚くべき実験結果を出した班もあります.かなり当初の実験目的から外れてしまった班もありますが,実験を進めれば仕方のないことだと思いますし,それこそ実験,研究のおもしろさであると思うのです.
 もう大学生活も,さほど残されていませんが,私達はこれからも,この『おおっ!やった』のために研究を続けて行くのでしょう.


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