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私と機械工学

秋田高専 機械工学科 5年
      草薙 美代子

 機械工学を学び,5年になろうとしています。一体,どれ程身についているかはわかりませんが,数々の公式や図が頭を横切ったのは確かです。しかし,頭を横切っただけではエネルギーになりません。体に取り入れることが大切です。そのため,私はいままでたくさんの消化不良を起こしました。
 特にひどくなったのは,3年からです。一般教科の応用解析でさえ,頭痛がひどくなり,毎回先生に頂く薬は,赤い色をしていまた。そして,材料関係では脳が膨大に膨らみ,体のあちこちに歪が発生しました。後に熱処理を施したので再び元に戻りましたが。流体では,血液のレイノルズ数が大きくなり,乱流を起こす始末です。最近では,血管の摩擦が増え,おとなしく流れているようです。 機械は,文字に出会う度に,重力が2倍,3倍になり,今日では加速度まで2乗3乗になりました。一時は,胃下垂だった私も,現在では胃の位置も戻りました。しかし,まだまだ強制振動が激しいようです。
 機械工学の中で,私が一番消化不良を起こしたのは,熱です。授業の内容が変化するにつれ,私の体もp−v線図からT−s線図に変わり,最後にはi−s線図で,胃の中は胃酸で収拾がつかなくなりました。ある物は,何も消化されず原形のままで,また,ある物は,ドロドロに溶けてしまいました。だんだん,状態変化になれてきた体は,熱伝達率も大きくなり,内部の温度がそれほど上がらなくなりました。
 このように,数々の病気をもたらしてくれた機械工学ですが,先生の優しい看病と,日頃頂いている赤い薬のおかげで,ほとんど回復しています。けれども,一番の特効薬は最後の黒い薬です。それを飲むと,きっとみんなが全快すると思います。それまでは,自分で黒い薬を作らなければならないので,一生懸命勉強したいと思います。
 いつか,きっと機械工学をエネルギーとして,社会に提供するために頑張りたいと思います。


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