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機械科って何するところ?

山形大学工学部
機械システム工学科3年 岸波 光帆子

 「なぜ機械科へ行くの?」「機械科って何するところ?」機械科へ行こうと決めた高校の頃、友達によく聞かれた。機械科へ行こうと決めたものの、実際、機械科が何をするところなのかよくわかっていなかった。漠然と、壊れた機械を直せるようになったらかっこいいな、とか、ロボットでも作っているんだろう、としか思っていなかったので、いつもこう答えていた。「人間そっくりのロボットと、話すコンピューターを作りたい。」
 女子高からまるで男子校のような機械科に入り、一年間の教養課程。私はロボットの作り方を勉強しに来たのに、政治、経済、哲学、ロボットのロの字もない。なんだかつまんないなあ、と思いながら、専門課程に移行した途端、材力、流体、熱力、これが機械科だ!と言わんばかりの内容。しかもさっぱりわからない。製図ではたった1ミリのずれに泣かされた。一番楽しかったのは工場実習だ。生まれて初めて見る機械、それらを自分の手で動かすと金属が削られていく。後で自動車部品の製造工場でバイトした時には随分重宝され、社員並の仕事を任された。機械科って楽しいなあ、と思う一方、機械科って何するところ?という疑問は増すばかりだ。専門科目を学び、先輩に研究室の話しを聞くにつれて、機械科の範囲の広さに驚かされる。機械科と言えば、目に見えて動く便利な物を作るところだとばかり思っていたが、それだけに留まらない。目に見えない空気の流れや、金属の組織を研究していたり、”コンピューターで経済の動向を読む”とか、”ニット製品の型くずれについて”ということまで機械科の範囲なのだ。あまりの範囲の広さに、自分の一番やりたいことを見つけられるだろうか、という不安はあるが、何でもできる、という期待もある。
 あっという間に3年生も半ばを過ぎ、将来のことが身近になってきた。今更言う必要もないくらいの就職難だ。特に女子は厳しいらしい。女子で機械科を卒業して就職した先輩がいないので、前例がよくわからないが、その公私が前例になってやろう、という意欲はある。厳しい状況を切り抜けて達成した目的こそ、より充実感が得られるはずだ。そして、人間が楽をするために機械を作るのではなく、人間にも、環境にも有益な、住みよく便利な社会のために貢献できるような機械を作る技術者になりたい。


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