第 103 期部門長退任のご挨拶

第 103 期エンジンシステム部門
部門長
川那辺 洋
(京都大学)

 第103期のエンジンシステム部門長を務めさせていただきました京都大学の川那辺 洋です.退任にあたり一言ご挨拶申し上げます.1年間にわたって,部門の運営を部門幹事の佐藤 進 先生(東京科学大学),副部門長の三原 雄司 先生(東京都市大学),総務委員の木下 幸一 様(産総研)をはじめとする部門の運営委員の皆様と順調に推進することができました.ご協力いただいた皆様のおかげと存じます.ここに厚く御礼申し上げます.
 近年のエンジンを取り巻く状況として,すこし以前には,例えば自動車においてはバッテリーEVへの移行が強く推進されていましたが,現在はすこしトーンが下がって,エンジンへの揺り戻しがきている印象を受けるかもしれません.また,1次エネルギーの供給においても,カーボンニュートラルを指向したものから,どちらかといえばエネルギーセキュリティーを強調した論調に移りつつある側面も見受けられます.いずれにしても,エネルギーおよびその変換技術は社会・経済とはきっても切れない関係にあることは間違いありません.
 一方,技術という観点からは,将来どのようなエネルギーソースあるいは変換手法が主流になっても対応できるような,いわば工学的レジリエンスが求められることになります.すなわち,工学的に一般性のある知見を蓄積するとともに,どのような状況においても対応できる柔軟な思考を養っていくことこそ我々エンジニアに求められる資質ではないかと思います.
 このようなことから研究者やエンジニアが研究・開発において得られた内容を共有および議論して学問体系として作り上げていく営みを継続することにこそ意味があります.そのような場として,本年度は,2025年9月7日〜10日に北海道大学において年次大会が開催され,エンジンシステム部門ではオーガナイズドセッション,基調講演に加えてワークショップ「CO2回収技術の最新研究動向」が開催されました.これは排出CO2の分離回収および固定化を目指した研究を中心として講演がなされ,活発な議論が展開されました.また,2025年12月15日〜18日には千葉県の幕張メッセにおいて森吉 泰生 実行委員長のもとCOMODIA2025が開催されました.海外からも非常に多くの参加者があり,エンジンおよびエネルギーに関わる幅広い領域について議論がなされ,大変実りあるものになったと思います.
 本部門では今後も国内のみならず海外も含めた幅広い研究者および技術者を対象とした議論の場を提供できる様な企画を実施していく予定にしています.さらに,部門将来検討委員会では相澤 哲哉 委員長のもと2024〜2025年度にわたって今後の本部門のあり方について議論がなされ,具体的な行動指針に落とし込んだ報告書が提出されています.以下の部門HPに掲載されていますので,是非ご一読ください.
https://www.jsme.or.jp/esd/
 次期の第104 期は,三原 雄司 部門長(東京都市大学),相澤 哲哉 副部門長(明治大学),木下 幸一 幹事(産総研)の新体制のもと部門運営が行われます.引き続き会員の皆さまのご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます.
 末筆ではございますが,皆様の益々のご健勝とご活躍を祈念し,退任のご挨拶とさせていただきます.


第 104 期部門長就任のご挨拶

第 104 期エンジンシステム部門
部門長
三原 雄司
(東京都市大学)

 104期のエンジンシステム部門長を拝命しました東京都市大学の三原雄司です.副部門長の相澤哲哉先生(明治大学),部門幹事の木下幸一氏(産業技術総合研究所)の協力のもと,今期も総務委員会及び運営委員会を中心として,各委員会と部門代議員の皆様の協力を仰ぎながらエンジンシステム分野の魅力を積極的に発信できるように運営活動を進めていきます.会員の皆様には,部門の活動へのご理解とご協力をこれまでにも増していただければと思います.
 ご存じのように,エネルギーの需要は近年益々増加しています.電力は顕著で,産業部門の電力消費量の増加に加えてデータセンターやAIでの消費量が拡大する状況にあります.世界全体では増加傾向ですが先進国では削減が進んでいるため,少しずつ2050年のカーボンニュートラル(CN)社会に向けた社会実装が進んでいる見方もできます.エンジンシステムが関連する産業・運輸部門でもCNへの取り組みが進められ,燃焼してもCO2を発生しない脱炭素燃料の水素・アンモニアや,CO2を増加させない燃料である合成燃料やバイオ燃料などが将来燃料として期待されており,これらサステナブル燃料の産学連携での研究と開発も進んでいます.
 一方で,将来の商用化に向けた様々な課題も顕在化しており,熱効率向上や耐久性・信頼性の研究と開発は,燃料特性の違いによる異常燃焼,排ガス,摩擦・摩耗特性,腐食に加えて水素の場合は脆化も危惧され,エンジンの実使用環境下で解明されていない部分は少なくありません.本部門では機素潤滑設計部門との合同OSを開催してきましたが,変革期においては関連の全ての分野との協働をして技術課題に取り組み,学術的に一般性のある知見や基礎学理の追求が学会の役割として重要です.
 このような背景のもと,9月6日(日)〜9日(水)に開催される年次大会では,「さきがけの知がつなぐ,機械工学と未来社会」をキャッチフレーズとし,今期も機素潤滑設計部門との合同OSとして「持続可能な未来を支えるエンジン」,熱工学部門,動力エネルギーシステム部門との3共同OSでは「クリーンエネルギー社会に貢献するエネルギー変換技術」が予定されています.是非ご参加いただき,情報交換および議論を深める場として活用いただければと思います.
 本部門では上記の企画の他にも,スターリングサイクルシンポジウム,部門講習会,基礎講習会を企画しております.ぜひご参加のうえ,エンジンシステム分野の将来についてこれまで以上の議論を行いましょう.本部門の活動への会員の皆様のご参加と忌憚のないご意見を賜りますようお願い申し上げます.


<歴代部門長一覧>

年度 氏名 就任時の所属
67 1989 池上 詢 福井工業大学
68 1990 池上 詢 福井工業大学
69 1991 村山 正 北海道自動車短期大学
70 1992 村山 正 北海道自動車短期大学
71 1993 廣安 博之 近畿大学
72 1994 廣安 博之 近畿大学
73 1995 浜本 嘉輔 岡山大学
74 1996 辻村 欽司 千葉工業大学
75 1997 神本 武征 東京工業大学
76 1998 藤本 元 同志社大学
77 1999 河野 通方 東京大学
78 2000 宮本 登 北海道大学
79 2001 西脇 一宇 立命館大学
80 2002 三輪 恵 徳島大学
81 2003 井上 悳太 (株)コンポン研究所
82 2004 大聖 泰弘 早稲田大学
83 2005 塩路 昌宏 京都大学
84 2006 新井 雅隆 群馬大学
85 2007 角田 敏一 大阪府立大学
86 2008 青柳 友三 (株)新エィシーイー
87 2009 飯田 訓正 慶應義塾大学
88 2010 堀 正彦 (財)日本自動車研究所
89 2011 村瀬 英一 九州大学
90 2012 冨田 栄二 岡山大学
91 2013 後藤 新一 (独)産業技術総合研究所
92 2014 石山 拓二 京都大学
93 2015 畔津 昭彦 東海大学
94 2016 小川 英之 北海道大学
95 2017 千田 二郎 同志社大学
96 2018 西田 恵哉 広島大学
97 2019 森吉 泰生 千葉大学
98 2020 志賀 聖一 (一財)地域産学官連携ものづくり研究機構
99 2021 小酒 英範 東京工業大学
100 2022 津江 光洋 東京大学
101 2023 北川 敏明 九州大学
102 2024 三上 真人 山口大学
103 2025 川那辺 洋 京都大学
104 2026 三原 雄司 東京都市大学