日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第133号(2026年認定)
栖原式高速度カメラ Ⅰ型・Ⅱ型
高速現象の解明に必要な高速度撮影には、シャッタの作動時間とフィルム強度の限界により、撮影速度が数百コマ/秒以上になるとフィルムを間欠停止しない構造が必要になる。
東京帝国大学の栖原豊太郎は、航空機のプロペラ廻りの流れなどを可視化する目的で、1926年に回転ミラー式の栖原式Ⅰ型を開発した(20,000コマ/秒)。次いでⅡ型(45,000コマ/秒)、Ⅲ型(60,000コマ/秒)が開発され、1928(昭和3)年に特許を取得した。また、翌年には朝日賞を受賞したことで広く知られることとなった。高速現象を明らかにするために有用な装置として重宝され、その成果は映画として一般向けにも上映された。現在、国立科学博物館にはⅠ型とⅡ型が保存されている。
栖原式高速度カメラは1937(昭和12)年の米国応用物理学会誌で言及され、米国機械学会からの要請に応じて1台が米国に、また、ドイツのゲッチンゲン大学にも渡った。
当時の高速度カメラは、世界的にも開発途上であり、栖原式ほどの速度を実現したものはなく、本機は最先端の技術を包含した世界でも最高水準の装置であったといえる。
《写真提供:一般社団法人日本機械学会》
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