日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第 137号(2026年認定)

国産初の回転式打錠機 No.8A-2

 本機は、原料粉末を回転盤に配置した臼に計量充填し、圧縮して錠剤形状を高速成形する国産初の回転式打錠機であり、(株)菊水製作所によって1955(昭和30)年に製造された。1932(昭和7)年から1983(昭和58)年まで製造された機種群の1台で、杵立数16本、三菱電機製1.5kW電動機により連続運転が可能である。生産能力は回転盤回転数毎分25回転で400錠を誇り、回転盤の回転方向は海外機の時計方向に対し反時計方向とされた。当時の加工精度では回転盤臼穴と上部杵穴の芯出しが困難であったため、上ホルダーで調整可能な特殊セット杵を採用し、品種替え時には杵先のみ交換する構造とすることでランニングコスト低減にも寄与した。さらに、錠剤の厚みを決めるロール高さ調節には、京都寺院建築のくさびに着想を得た6度勾配の機構を用い、加工精度不足を構造的工夫で補完している。
 本機は田辺製薬株式会社(現 田辺ファーマ株式会社)で使用後も保管され、2023(令和5)年10月に(株)菊水製作所へ寄贈された。現在は同社内にて運転可能な状態で展示されている。
 本機は医薬品の大量生産と国民の健康・生活向上に貢献した機械として、後続の高速回転式打錠機の礎をなす存在である。

《写真提供:株式会社菊水製作所》

公開(準備中)

株式会社菊水製作所

開館時間:
入場料:
休館日:
住所:
〒604-8483 京都府京都市中京区西ノ京南上合町104
電話番号:
075-841-6326
HPアドレス:
https://jp.kikusui.com/ja/top.html
交通機関:

JR山陰本線「円町」駅下車 徒歩8分

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