部門紹介
このページでは、部門長あいさつ、生産加工・工作機械部門がめざすもの,部門キーワードについて紹介します。
第103期部門長あいさつ

高野和雅(牧野フライス製作所)
この度,笹原前部門長の後を引き継ぎ第103期(2025年度)の生産加工・工作機械部門の部門長を務めさせていただくことになりました.楢原副部門長,田中部門幹事,運営委員の皆さまと力を合わせて部門の活動を盛り上げていきたいと思います.どうぞよろしくお願いいたします.
当部門は1991年にスタートし,「ものづくりを科学する部門」として,産学連携を軸に,実践的な課題解決や技術革新に取り組んできました.現在では約2,500名の会員が登録しており,学術界と産業界の橋渡し役として,情報交換や人材育成,国際連携の場を提供しています.前身の委員会から数えると約50年の歴史を有し,伝統を大切にしながらも,時代の変化に対応した新しい課題への挑戦が求められています.2020年のコロナ禍においては,さまざまな制約の中でIoTやDXのツールを活用し,活動を継続してきました.その結果,部門としてより柔軟で強い組織に進化したと感じております.オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型の運営も定着し,今後の活動の幅を広げる基盤となっています.
昨年度は,福島県の磐梯熱海温泉での部門講演会や,愛媛大学での年次大会での部門横断型セッションなど,交流と学術の融合を目指した取り組みが活発に行われました.講習会では,「持続可能社会に向けた産業界の取り組み」,「歯車加工計測技術の最新動向」,「儲かる!製造業におけるデータ活用最前線」など,現場のニーズに合ったテーマを取り上げ,多くの方にご参加いただきました.
今年度も若手人材の育成や会員の拡充に力を入れていきます.学生向けセミナー「ものづくり最前線」を継続して開催し,企業にご協力いただきながら若手技術者・研究者の育成と定着を目指します.機械工学や関連分野を学ぶ学生に,ものづくりの面白さや魅力をもっと伝えていきたいと考えています.
また企業の若手技術者が参加したいと思えるような講習会を企画し,実務に役立つ知識や交流の場を提供していきます.今年度は「生産現場の自動化を支える工作機械とその周辺技術」を実施したところであり,今後2回にわたり「歯車の加工・熱処理・計測技術の基礎と最新動向」そして「Additive Manufacturing」に関するテーマで開催を予定しています.
国際的な活動もますます重要になってきています.今年12月1日から5日にかけて沖縄県糸満市で国際会議「LEM21」が開催されます.日本の技術を世界に発信し,海外の研究者・技術者との交流を深める絶好の機会です.240件以上の講演申込があり,14のセッションでの開催が予定されています.インバウンドの流れも活かしながら,活発な議論や新しい共同研究のきっかけが生まれることを期待しています.
それに先立って9月には北海道大学で年次大会が開催され,材料系や生産システム系との部門横断型セッションが予定されています.
今年度は2020年から始まった新しい部門制度の3年目になります.定量評価や自己評価でしっかり成果を出せるよう,部門活動の質と魅力を高めていきます.部門間連携や国際連携活動を進めてきた過去の部門長や運営委員の皆さまのご尽力のおかげで,2023年に提出したポリシーステートメントに沿った活動報告ができる見込みです.
社会や経済の変化がますます速くなる中で,ものづくりの現場も大きな転換期を迎えています.労働人口の減少に伴い,AIやIoTの活用は急務となっています.技術革新と社会課題が複雑に絡み合う今だからこそ,「ものづくりを科学する部門」として,これまで築いてきた産学のつながりを活かしながら,未来を見据えた創造的な活動を展開していきたいと思います.
最後になりましたが今後とも皆さまの温かいご支援とご協力をどうぞよろしくお願いいたします.
部門がめざすもの
ものづくりを科学する部門「生産加工・工作機械部門」
生産加工・工作機械部門は,第 69 期(1991 年)に創立され,「ものづくりの科学」を中心に据えて産学間の緊密な関係を保ちながら活動をしてきました.日本機械学会全体の2023 年度末(2024 年2 月末)の会員数は個人会員が30,284 名、特別員が644 社という状況です.当部門の登録者数(1位から5位)は2519名であり,会員の1割弱が当部門に関与していることになります.
時代の変遷とともに生産するものも変化していきますが,加工部品の機能や品質を向上すること,生産効率を高めることは常に重要であり,それが我々の豊かな社会の実現に貢献しています.切削加工、研削加工、砥粒加工、塑性加工、放電加工などの加工方法とその加工に用いられる工作機械が直接的な対象ですが,機械工学の中では応用的な分野であり,材料力学,熱力学,流体力学,機械力学といったいわゆる四力学をベースとして科学的な視点でものづくりの技術や原理について考えることが重要です.また,IoT,AI,デジタルツインなどの技術を活用して生産性を向上させ,同時に地球温暖化や環境への影響を抑えるためのグリーン・トランスフォーメーション(GX)のような取り組みにも対応していく必要があります.さまざまなものづくりをとりまく課題に対して,産業界と学界の技術者・研究者が交流しながら課題解決に向けて活動しています.
