部門紹介

このページでは、部門長あいさつ、生産加工・工作機械部門がめざすもの,部門キーワードについて紹介します。

第104期部門長あいさつ

第104期部門長
楢原弘之(九州工業大学)

この度,高野前部門長の後任として,第104期生産加工・工作機械部門の部門長を拝命いたしました.当部門の活動を維持・発展できるよう,鈴木副部門長,岡田部門幹事,運営委員の皆様方のお力添えを頂きながら,尽力してまいります.部門の発展に向け,微力ながら全力を尽くす所存ですので,何卒よろしくお願い申し上げます.

2026年に入り,世界情勢や技術動向は大きな変化を見せています.ホルムズ海峡封鎖で原油サプライチェーンリスクが顕在化し,また生成AIの高度化に伴い,DX・ネットワーク技術の信頼性向上と同時に新たなセキュリティ課題も浮上しています.さらに,フィジカルAIを応用したヒューマノイドロボットの実用化や,宇宙移住に向けた具体的取り組みなど,未来技術が現実味を帯びてきました.

こうした国際環境の変化は,ものづくりの在り方にも新たな視点を求めています.生産・市場の地域分散化が進み,産業構造は転換期を迎えています.AIをはじめとするデジタル技術の進展により,設計・生産・流通の高度化が加速し,生産加工・工作機械分野が果たす役割はますます重要となっています.従来にないデバイスの登場を見据えた新たな加工・計測技術の開発,そしてマニファクチャリングサイエンスの深化が求められています.

また,将来の産業を担う若手人材の育成も喫緊の課題です.AIブームやロボットブームにより,若者たちがそのような研究領域にだけ興味を持ち学んでいく一方で,他の基礎知識が不十分なまま社会に送り出されていく状況は,企業の教育負担増につながりかねません.本分野の魅力と重要性を産学連携で発信し,基盤技術の価値を社会に広く伝えていくことは,私たちの責務であると考えています.

日本機械学会は2027年度に創立130周年を迎えます.記念事業として,2050年の社会像を見据えた「未来へのロードマップ」を策定し,各部門の知見を集約した技術ロードマップ集として国内外へ発信する予定です.年次大会は9月6日より東海大学湘南キャンパスで開催され,生産システム部門・設計工学・システム部門との部門横断セッションを企画しています.部門講演会は10月16日(金)~17日(土)に鳥取市のとりぎん文化会館で開催され,生産加工の新技術やAI活用の加工・検査技術など,最新技術の講演が16セッションに分かれて発表されます.講習会や学生向け企画も予定しており,多くの皆様のご参加をお待ちしております.

来年度は,当部門主催の国際会議 LEM&P 2027 を開催いたします.2027年6月に米国オレゴン州立大学で開催されるMSEC・NAMRCとの同時開催会議では,最新の米国生産技術を知る絶好の機会となります.LEM&P 2027の参加者は,これらすべての会議の講演内容を自由に聴講可能であり,国際的な研究交流の深化が期待されます.

最後になりますが,部門運営委員会とともに部門活動の一層の活性化に努めてまいります.皆様のご支援とご協力を賜りますよう,心よりお願い申し上げます.

部門がめざすもの

ものづくりを科学する部門「生産加工・工作機械部門」

生産加工・工作機械部門は,第 69 期(1991 年)に創立され,「ものづくりの科学」を中心に据えて産学間の緊密な関係を保ちながら活動をしてきました.日本機械学会全体の2023 年度末(2024 年2 月末)の会員数は個人会員が30,284 名、特別員が644 社という状況です.当部門の登録者数(1位から5位)は2519名であり,会員の1割弱が当部門に関与していることになります.

時代の変遷とともに生産するものも変化していきますが,加工部品の機能や品質を向上すること,生産効率を高めることは常に重要であり,それが我々の豊かな社会の実現に貢献しています.切削加工、研削加工、砥粒加工、塑性加工、放電加工などの加工方法とその加工に用いられる工作機械が直接的な対象ですが,機械工学の中では応用的な分野であり,材料力学,熱力学,流体力学,機械力学といったいわゆる四力学をベースとして科学的な視点でものづくりの技術や原理について考えることが重要です.また,IoT,AI,デジタルツインなどの技術を活用して生産性を向上させ,同時に地球温暖化や環境への影響を抑えるためのグリーン・トランスフォーメーション(GX)のような取り組みにも対応していく必要があります.さまざまなものづくりをとりまく課題に対して,産業界と学界の技術者・研究者が交流しながら課題解決に向けて活動しています.

部門キーワード