【行事レポート】生産システム部門研究発表講演会2026

No.26-7 生産システム部門研究発表講演会2026【コロケーション講演会】

  1. 開催概要
    生産システム部門 研究発表講演会2026は、2026年3月2日(月)および3日(火)の2日間にわたり、名城大学天白キャンパスを会場として開催しました。開催校の名城大学は2026年に開学100周年を迎えるの節目の年であり,分野横断的な理論と応用の融合の意義を広く発信できたと考えています。
    本講演会は、生産システム分野に関わる研究者、技術者、学生が一堂に会し、最新の研究成果を発表・共有し、活発な意見交換を通して知識の深化と人的ネットワークの構築を目指す場として位置づけられています。例年、日本機械学会生産システム部門の中心的な行事の一つであり、情報・知能・精密機器部門(IIP2026)とのコロケーション開催は継続的に実施されております。こうした連携によって、分野横断的な議論や共同研究の促進が期待されており、学際的な交流がますます活発化しています。
    開催は、現地参加とオンライン参加を併用するハイブリッド形式で行いました。名城大学の充実した設備を活用しながら、遠隔地からの参加も容易にすることで、多様な参加者にとって利便性の高い運営を心掛けました。これにより、地域や所属機関の制約を越えて幅広い交流が実現しました。
  2. 講演プログラム
    本講演会は、オーガナイズドセッション(OS)のみで構成されました。部門単独のオーガナイズドセッション(OS)は6件で、生産・物流システムのモデリング・シミュレーションと見える化、生産管理・スケジューリングおよびサプライチェーン、設計・生産プロセスの情報化(CAD, CAM, CNCなど)、生産システムにおける設計・運用・評価および国際展開、アディティブ・マニュファクチャリングの生産システム、企業の開発事例で、関連する専門分野の知見を深めました。また合同セッションは2件で、スマート IoT システムと⾮破壊センシング(⽇本⾮破壊検査協会連携セッション)(MSD/IIP 合同セッション)、産業化学機械の研究最前線(安全化・トラブル情報・発生防止・教育)(MSD/ICMS合同セッション)で、分野を横断した新たな研究の展開について知る良い機会となりました。
    特別講演と合同ワークショップは、いずれも関心の高い最新のトピックスでした。大同特殊鋼(株)佐川眞人氏による「Nd-Fe-B磁石はどのようにして発明され、工業化されてきたか?」の特別講演では、重希土を使わない耐熱性磁石の開発,薄い磁石を直接生産するNet Shape Processの開発、モータ運転中に発生する渦電流損が少ない積層磁石の開発といった課題への取り組みをご紹介いただきました。合同ワークショップは2件あり、本田技研工業(株)室本信義氏のご講演では、材料・構造・製法の確立や完全自動化ラインの構築に関して、燃料電池生産技術の歴史と今後の展望を,東京電機大学 五十嵐洋氏のご講演では、脳神経科学の知見に基づき、機械が人間の内部状態(予測,信念,不確実性)を推定し、人間にとって「自然に感じる」インタフェースの設計指針をご紹介いただきました。質疑応答も活発で、今後の参加者の研究開発活動に大変有益な内容であったと思われます。
  3. 参加状況と交流活動
    本講演会には、大学、企業、高専から幅広い立場の研究者・技術者・学生が参加し、多様な世代・分野の交流が実現しました。参加登録者数は、MSD部門およびIIP部門合わせて304名に達し、若手研究者や学生の参加が特に多く、活発な議論と質疑応答が展開されました。学生発表者にとっては、自身の研究成果を発表するだけでなく、異なる視点からの意見を得る貴重な経験の場となりました。
    また、3月2日には名城大学タワー75そらいろラウンジにて懇親会を開催しました。講演会中に議論しきれなかったテーマについての深い意見交換や、新たな研究交流・共同研究の種が生まれる場となりました。参加者からは「対面での交流が学びをさらに深める」「同分野だけでなく異分野とのネットワーク構築に有効」といった感想が多く寄せられ、今回の講演会の開催の意義を改めて確認いたしました。
  4. 謝辞
    本講演会の開催にあたり、名城大学の佐伯先生、市川先生には現地実行委員として多大なご尽力を賜りました。会場設営、機材準備、運営全般にわたるご支援に深く感謝申し上げます。情報・知能・精密機器部門の実行委員の先生方には、ハイブリッド開催に伴う機器準備や設営の取りまとめを中心的にご担当いただき、大変お世話になりました。
    さらに、公益財団法人 大幸財団からは、学会の開催助成を、日本機械学会からは分野連携企画支援金をいただきました。これらの支援が、講演会の円滑な運営と質の向上に大きく寄与しました。改めて、ご協力いただいたすべての関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。今後も本講演会が生産システム分野の発展と若手研究者の育成に貢献し、活気ある交流の場として継続されるよう、皆様の引き続きのご協力をお願い申し上げます。

成田浩久(名城大学)