編修者/校閲者の方へ

学術の進歩発達をはかり,もって人類社会の発展に貢献することは本会の目的であり,学術論文こそが学術の発展を支える基盤です.したがって,学術の進歩発達に資する学術論文を掲載する学術誌を刊行することは,本会の目的に照らして最も重要な事業のひとつであると言うことができます.学術誌は人類の英知の結集であり,未来へ伝えられるべき遺産です.これを日本機械学会が自らの手によって編修し刊行するということは,学術の進歩と発展を牽引する役割を担うことを意味すると同時に,真に意義深い学術成果を正しく評価する力があることを広く世界に示すことにつながります.とくに和文誌は,自国語によって学術成果の評価と公表を行うことをとおして,自国の学術研究のすそ野を拡大しつつ,自国の学術水準のさらなる向上をもたらす役割もあわせもちます.

上記のような観点に立って,ピア・レビュー制度の適正な運用に基づく論文校閲こそが, 学術誌にとって,そして学術それ自身にとって,最も本質的かつ重要であることをご理解下さいますようお願いいたします.

校閲者ガイドライン

論文校閲の進め方

機械学会論文集の採択基準は、「新規性」、「独創性」、「萌芽的発展性」、「信頼性と精緻性」、「工学的・工業的有用性」、「機械工学・工業への寄与」などにあります。『採択基準』セクションに加えて下記をご確認の上、校閲を進めて下さいますようお願いいたします。
判定に際しては論文内容の本質的な部分を重視下さいますよう、ご協力をお願いいたします。表現の「上手」、「下手」は可否判定の主たる根拠とはなり得ませんが、論理的な文章で簡潔かつ明快に記述されている論文を掲載することが、学術誌の水準を一層高めることにつながることもご配慮下さい。

  • [英文抄録について]
    編修委員会では、英文抄録の充実に向けて、200~300語に単語数を増加し、研究目的、研究手法、結果、そこから引出せる知見などの明解な記載を求めています。英語表現が適正であるかどうかも含めて、改訂すべき点があれば具体的なご指摘をお願いいたします。
  • [図表キャプションについて]
    英文抄録と同様に、図と表のキャプションに十分な情報を記載することも求めています。これについても、英語表現が適正であるかどうかも含めて、改訂すべき点があれば具体的なご指摘をお願いいたします。
  • [文章表現について]
    論理的な文章で簡潔かつ明快に記述されているかどうかについても、ご検討の上、必要であれば適切に改訂するよう指示して下さい。
  • [その他]
    論文題目、参考文献、論文の長さなどについても、適正であるかどうかのご検討をお願いします。

「掲載否」と判定する場合には、論旨の矛盾や飛躍あるいはすでに公知である背景などを明確にご指摘下さい。可能であれば、改善すべき点を具体的に示して再度の投稿を促すご指導をお願いいたします。

以下に該当する論文があった場合は、校閲作業をせずに「掲載否」として下さい。

  • すでに公開されている内容と極めて類似した内容の論文
  • 機械工学分野から著しくはずれている内容であり、本会学術誌掲載にふさわしくない論文
  • 明らかに推敲不十分である論文
  • 兵器、直接軍事に関わる内容の論文
  • 商業目的である論文

校閲に関する規定は規定書類をご確認下さい。

校閲依頼に対して

校閲を行う場合、原則として本会発信日より下記に示す期限内に校閲を終了の上、校閲結果を記入して、校閲報告をお願いしております。期限内での校閲が難しい場合は、期限延長の手続きを行いますので、事務局までご連絡下さいますようお願いいたします。

  • 校閲期限:3週間以内(Letter論文の場合は、2週間以内)
  • 再校閲の期限:原則として2週間以内(Letter論文の場合は、1週間以内)

なお、下記に該当する場合は、直ちに、校閲辞退の手続きをして下さい。

  • 専門から著しくはずれた論文が送付され、校閲不可能と判断した場合
  • 直接利害関係を持つような著者の論文が送付された場合
  • 校閲期間が長期の出張等と重なり、校閲の報告が遅くなる見込み場合

校閲者として掲載否と評価した原稿であっても、アソシエイトエディタ判定(総合判定)にて修正として、著者へ評価を送付することがあります。そのため、前回校閲にて否とした原稿の修正版の再校閲をお願いすることがあります。一度、掲載否判定を頂きましたが、著者の対応を確認し再度校閲下さいますよう、ご協力をお願いいたします。

校閲者が遵守すること

校閲者として遵守頂くことは下記となります。ご協力をお願いいたします。

  • 校閲者の氏名、校閲の状況・結果は、いかなる場合でも口外しないよう注意して下さい。また、校閲の依頼を受けた事実、校閲中の論文の全部または一部の内容を他者に漏らすことのないよう徹底して下さい。
  • 校閲者は、校閲した論文が公刊されるまでは、その内容を自己のために利用しないで下さい。
  • 校閲者は、論文の内容が既に公刊された論文と同一であることを発見したり、同一である疑いがあると判断した場合、および当該論文の中に捏造、改ざんおよび盗用を発見したり、その疑いがあると判断した場合には、速やかに担当編修委員に報告して下さい。
  • 論文のなかに、生命・生体に関わる実験を行ったデータが記述されている場合、人間を対象とする医学研究の倫理的原則であるヘルシンキ宣言、並びに関連する我が国の倫理、法律および規制上の規範・基準に則っていることを示す記述、例えば「所属機関等の倫理委員会あるいは動物実験委員会の承認を得ている」等の記述があるかどうかをチェックして下さい。

編修者ガイドライン

論文受付から判定までのフロー

本誌に投稿された原稿は、カテゴリーエディタによって一次審査をお願いいたします。ジャーナルの範囲に合わないものや掲載に適さないと判断されたものは、校閲を経ずに却下することができます。カテゴリーエディタは、一次審査を通過した原稿に対し校閲を監督する担当アソシエイトエディタを指名して下さい。

指名されたアソシエイトエディタは、原稿の評価を行う適切な2から3名の校閲者を選定するようお願いいたします。校閲者選定にあたっては、下セクション『校閲者選定について』をご参照下さい。なお、アソシエイトエディタが掲載に適さないと判断した場合、上段落同様に校閲を経ずに却下することができます。

校閲結果を受け取った後、担当アソシエイトエディタは原稿の修正が必要かどうかを判断して下さい。ただし、校閲期限となっても校閲結果が全てそろわない場合は、担当アソシエイトエディタは残りの校閲者の校閲結果を待たずに判定ができます。また、期限内にそろった結果が1名のみの場合および2名の結果が可否に分かれた場合でも、担当アソシエイトエディタが 1 名または2名の校閲結果に基づいて判定を行うことができます。判定した結果は、アソシエイトエディタコメントと査読者コメントを添えて、(採択・却下判定の場合はエディタを経て)著者へ送付されます。
校閲者のコメントは、著者に伝わりやすいフィードバックとする目的で、場合により担当アソシエイトエディタが編集したうえで著者への返信をお願いいたします。特に、査読者間の指摘が反対で著者の原稿修正が困難となる場合やコメントに不適切な表現があった場合は、編集をお願いいたします。
掲載否判定の場合は、判定に至った理由を簡単にコメントして頂きますよう、ご協力をお願いいたします。

修正判定を下した原稿が提出された場合、担当アソシエイトエディタは、修正原稿を校閲者に送ってフィードバックを得るか、あるいは修正原稿にコメントが反映されているかどうかを自身で評価し、修正原稿を判定して下さい。

カテゴリーエディタは、担当アソシエイトエディタの判定を確認し最終判定をお願いいたします。カテゴリーエディタが投稿原稿の著者である場合は、アソシエイトエディタの代表者が代理カテゴリーエディタとして最終的な掲載可否を判断して下さい。

校閲者選定について

校閲者の選定・依頼・指名は、下記事項をご確認の上、担当アソシエイトエディタの裁量によってお願いいたします。

  • 校閲者は、当該分野における専門知識、評判、他社からの推薦および/または本誌における校閲者としての経験に基づいて選出をお願いいたします。
  • 担当編修委員は、論文の専門分野の方を会員、非会員を問わず校閲者として選ぶことができます。
    投稿システムにて、校閲者が登録されていない場合は、事務局までご連絡下さい。
  • 本誌に原稿を投稿する際、著者は校閲に参加してほしい校閲者を提示することができます。担当アソシエイトエディタはこれを考慮するが従う義務はありません。

編修者が遵守すること

編修者として遵守頂くことは下記となります。ご協力をお願いいたします。

  • いかなる理由があっても校閲者の身元を開示しないようご協力をお願いいたします。
  • 専門的な助言を受ける場合の他は、原稿やその内容について、原稿や校閲に直接関与していない人と議論しないようお願いいたします。なお、助言を受けた場合には、その助言者の氏名等をエディタに報告して下さい。
  • 原稿のデータや情報を自らの研究や出版物に利用しないで下さい。
  • 自分自身や他の人の利益のため、あるいは個人や組織に不利益を与えるために、校閲の過程で得られた情報を利用しないで下さい。

採択基準

日本機械学会論文集では下記項目を基に投稿原稿の掲載を判定しております。

  • 新規性を有すること
  • 独創性を有すること
  • 信頼性を有すること
  • 工業的・工学的有用性を有すること
  • 機械及び機械システムとその関連分野への寄与となること
  • 本文で示されている研究結果が抄録に適切に反映されていること
  • 適切な英語表現で英文抄録が記載されていること
  • 本文の構成がおよび表現が読者へ伝わりやすい形となっていること
  • 適切な参考文献が引用されていること
  • 萌芽的発展性を有すること
  • 研究データが読者へわかりやすい形で図表に示されていること
  • 十分な情報量のキャプションで図表が説明されていること
  • 研究内容を適切に示す題目が付けられていること
  • 論文の長さが適切であること

最終更新日: 2022年2月28日

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