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『有美chan』子育て日記

秋田工業高等専門学校
機械工学科  池田 寛
 5月○日
 NHKより,第四回目にあたる今年のロボコンのテーマがFAXで送られてくる.名称は「ホットタワー」.ゆうパックの箱(390×290×200mm)を積み上げる高さを競う競技だ.去年の苦い経験(全国大会予逆落ち)から,外見の派手さよりも性格の良さを目指して胎教を始める.
 7月□日
 夏休み突入.同じころ「有美chan」の双子の姉が生まれる.ほぼ思ったとおりの娘だが,あまりだいじに育てすぎたせいか,箱の一つももてない.さらに性格が悪く,父親のいうことを聞かずに明後日の方にいってしまう.その反省を含め,なお性格を良くするべく次女の胎教にかかる.
 8月▽日
 「有美chan」出産間近.姉よりは箱を持つのが好きなようで,性格が良さそう.少し太り気味のようだが,そんなことは気にせずに,父親達はまずは早く生まれてきてほしいと期待している.しかし父親が長期の出張に出かけてしまったので,子育てがおろそかになる.
 9月■日
 「有美chan」誕生.しかし第一次反抗期がすぐに始まる.箱を持つのをいやがって,持ってもすぐ放してしまう.しかも体重がオーバーしている.娘自身はあまり気にしていないようだが,お披露目会には体重制限があるのでダイエットに励まなければならない.
 10月×日
 やっとのことでダイエットに成功.が今度は第二時反抗期が始まる.元気に遊んでいたかと思えば急に黙りこんだり,我がまま放題したかと思えば従順になったり・・・.やはり父親には娘の気持ちはとても理解できないと言うのは本当のようだ.
 10月◎日
 長かった反抗期も終わり,気持ちが安定に向かったようだ.そろそろお披露目会に向けた特訓をしなければならない.娘よ,父のしごきに耐えておくれ.
 10月13日(日)
 お披露目会当日.短かったが厳しい特訓に耐えた娘は,他の誰よりもすばらしく見える.これは親のひいきめだけではあるまい.ここまできたら結果など関係ない.娘が全力を出してさえくれればそれだけで父は満足だ.

 とこのようにして「有美chan」は育っていきました.お披露目会の結果はテレビを見た方はご存じだと思いますのでここでは発表しません.唯一つ確かなことは,「有美chan」には何もミスはなく,父親の私に原因があったということです.結果はともかく,2年連続のロボコン(いえ、今年はお披露目会でしたね)への参加は,平平凡凡とした私の高専生活に大きな刺激と活力をあたえてくれました.これは将来いつかどこかで何かの役にたつことでしょう.


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