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マシンが走る、人も走る

津軽?南部?―八戸高専

八戸工業高等専門学校
機械工学科5年 佐藤 芳貴

 我が八戸工業高等専門学校は、昭和38年4月に設立され、機械工学科、電気工学科、物質工学科、土木工学科の4学科からなり、現在838名の学生が在学しています。平成4年度から外国人留学生の受け入れが始まり、現在マレーシア、ベトナム、フィリピンからの留学生8名が在学し、国際的な良い刺激を受けています。また「北辰寮」という寮があり、426名の学生が寮生活をしていますが、1、2年生は全寮制なので、貴重な体験をする事ができます。
 本校の最大の特色として「学生の言葉」が挙げられます。ここ青森県は津軽、下北、三八上北の3つの地方に大別する事ができます。八戸高専の学生は津軽、下北と三八上北の出身者が半々です。ここからが八戸高専ならではの特色です。それは津軽、下北地方の学生は「津軽弁」を話し、三八上北地方の学生は「南部弁」を話します。この2つの言葉が校内に入り乱れ、ものすごい状態になっているのです。さすがに5年間も在学していると問題はないのですが、私が入学した当初はこの「方言」で困りました。私は三八上北地方の出身なので高専に入学するまでは「津軽弁」を殆ど聞いた事が有りませんでした。これは私が1年生の時に体験した実話です。中間テストの第1日目が終わり、津軽出身の友人に「今日のテストの出来どうたった。」と聞いたときの事でした。友人から返ってきた言葉は「たげ、まいがった。」の一言。私は何かの聞き間違いかと思い、もう一度聞き直してみましたが返ってくる言葉はやはり同じでした。これを読んでいる人の中でこの意味が分かる人は余りいないと思うので説明すると、津軽弁で「たげ」は「とても、すごく」で「まい」は「悪い、ダメ」という意味で、つまり「とても、悪かった。」というのが、「たげ、まいがった。」になった訳です。この他にも「これは何?これはどういう意味?」と頭を悩ませる事が数多くあり、そのおかげでかなりマニアックな津軽弁以外は理解できるまでにはなりましたが、これには理由があるのです。津軽人というのは大阪人が関西弁にプライドを持っているのと同じようにかなり津軽弁にプライドを持っている(?)ので津軽弁を直そうとする人はまずいません。逆に最近の南部人は私も含めてですが、本当の南部弁を話す人が殆どいないのと、津軽弁のインパクトがあまりに大きいために津軽弁を話す南部人がかなりの割合でいます。この結果、八戸にいながらも、学校内では津軽弁の会話という現象が起こっているのです。つまり、「南部にいながら会話は津軽弁」という事なのです。
 八戸高専はロボコンやエコランといったかなりの技術と根性を必要とする学外行事にも参加し、優秀な成績をあげています。また、私達、機械学会学生員は、昨年の高専祭で、「メカライフの世界」展・「おいしい電気の作り方」という展示・実験を行い、大盛況のうちに終わる事ができました。また、親睦を深める活動として、夏休みのキャンプや、ボーリング大会などを行っています。
 これが八戸高専の簡単な紹介ですが、自由な校風というのもあり、それぞれが楽しい学生生活を過ごしているのではないでしょうか。


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