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東北学生研修会に参加して

八戸工業大学工学部
機械工学科3年 笹原哲也

 1994年8月4・5日の2日間にわたり、仙台で実施された東北学生研修会は私にとって2回目の大きな交流行事でした。去年、全国研修会にも参加しましたが、今回の幹事校は東北大学であり、ほとんど東北6県の学生が集まり、結構身近に感じた研修会でした。
 8月4日、12時30分仙台駅に集合し、地下鉄とバスを乗り継ぎ東北セミコンダクタ株式会社を見学しました片導体の生産行程は、CADを使用しての回路設計、半導体工場にて、フォトマスク→ウェハー→特性試験の前行程、組立→製品テストの後行程の3部分に分かれている。この会社には、1立方フィート中に0.1ミクロンのゴミが100個以下のクリーン・ルームが設置されてあり、そこでは、1メガビット・4メガビットメモリ「DRAM」(膨大な情報を記憶する機能を果たす半導体)、32ビットマイクロプロセッサ「MPV」(諭理回路を持ち、演算制御機能を行う半導体)の前行程を行っている。
 案内してくれた人の話では、なぜ仙台に工場を建設したかというと、第1に水が豊富であること。ウェハーを洗うために1日5500トンの水を使うので、水不足になると工場はストップしてしまうからだ。第2に、人材が豊富であること。仙台市は6人に1人が、小学生から大学生までの学生だそうだ。第3に、交通機関が良いこと。これは距離ではなく時間であり、新幹線を利用すれば2時間で仙台と都心を結ぶことができるからだ。第4に、地価が安いこと。工場を建設するには、広し、土地が必要となり都心に比べれば、仙台の方が地価はずっと安いからだ。第5に、政令指定都市であること。半導体産業は、特許戦争でもあるので、特許申請がすぐにできる政令指定都市であることだ。この5つの条件がそろった所は日本中で仙台市だげだったそうです。
 工場の建設に気を使った所では、配管などが破れて地層を汚さないようにと、破れた箇所がすぐにわかるように地下ではなく地上に配置しであることや、プロが見れば煙突の数や間隔でライン数や工程がよまれてしまうので、煙突は隠しであることや、工場内の機械はすべて浮かし、機械からでる振動を壁に伝えているので、工場の壁はいつも振動しているが、機械自体振動していないので製品に欠陥のでる確立が少ないこと。大変なことは、部屋をクリーンにすることと、どうしても避けられないのが雷である。雷が落ちて停電になり、補助電源が始動するまで0.1秒かかり、その間に製造されている製品はすべてだめになってしまうからだ。地震は、震度5まで耐えれるそうだ。
 最先端技術の工場を見学でき、クリーン・ルームを造ることの大変さや、ほとんどのことが企業秘密で、警備も厳重であったことなど、いろいろと勉強になった。これからも最先端技術の現場を実際に見学できる企画を立ててもらいたい。


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