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私の専攻科

秋田工業高等専門学校
専攻科 生産システム専攻2年  神居 勝秀

 私の専攻科生活は、前途多難を感じさせる不安な幕開けでした。その原因は、全くと言っていいほど、私の本科での学生生活にありました。特に4・5年生になってからの生活は、男のステータスとも言える「飲む・打つ・買う」の3つを充分に満足できるほどのものでした。しかし、勉強するために入学した専攻科、(もちろん本科入学の時も同じ考えだったと「建て前として」言っておかなければなるまい)で、そのような生活が通用するはずもなく、そうこうするうちに私は一つの大事件を起こしてしまいました。
 専攻科では、ほとんどの学生が長期休み期間中でも研究のため何日かは学校へ登校し、自分の研究を進めています。しかし、本科当時そのままの堕落手活を送っていた私は、専攻科1年の夏休み中は1日も登校せず、先生から与えられた、課題もほとんど手付かずの状態でした。そのまま夏休みは過ぎ、学校が始まりました。そこで私は取り敢えず先生の元へ恐る恐る行くと、案の定、大目玉を食らい、大変きつい口調で“おまえ、こんな気持ちでいるなら学校なんてやめてしまえ!!”というお言葉を頂きました(今考えると、言われて当然あるが・・・)。
 それからの数日間、私は「過去の自分」、「いま現在の自分」、そして「これからの自分」についてよく考えてみました。専攻科入学に当たって私の中では1つの目標がありました。それは、「次分自身の人間性を一回り大きくすること」でした。本科での私というものは、人に頼ってばかりで甘えてばかりいる人間でした。しかし、このままの状態で社会に出たらとても恥ずかしい社会人になってしまうと思い、私は、勉強も大事だけれども、自分自身の成長を望んで専攻科に入学してきたことを思い出してもう一度がんばってみようと心に決め、そのことを先生に伝えました。それからの私は、先生の信用を取り戻すためと自分自身の目標を達成するため、「今までの自分」を「社会人としての自分」へと少しでも近づけようと、自分なりに一所懸命努力してきました。
 今では、過去の自分が恥ずかしいと思える所まで成長し、先生の信用も無事回復することができました。それというのも、先年の一言“おまえ、こんな気持ちでいるなら学校なんてやめてしまえ!!”があったからで、そのおかげで、いま、この文章を書いている自分があると思います。私は専攻科に入って本当によかったと思っています。


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