目次へ戻る   前のページ   次のページ


全国学生研修会

二関工業高等専門学校
機械工学科5年 菊 池 渉
        下屋敷幸夫

 8月9日土曜日、北海道支部主催で行われた機械学会学生研修会に参加するべく集合場所である札幌駅に向かい、受け付けを済ました。そこで全国各支部より集まった大学、高専で機械工学を学ぶ学生達と出会い、そのうち何人かと挨拶を交わしそれぞれの北海道までの旅路を語リ合いながらバスに乗リ込み、これからの3日間がどんな研修会になるのか大きな期待を寄せていた。この日の天気はあいにく小雨が降っており、8月にしては少し肌寒い気候だったがそれがまた北海道にやって来たことを実感させた。
 バスは早速初めの目的地宮の森ジャンプ台へ向かう。ジャンプ台ではしけた天気にかかわらず練習を行っていた。下から見ても足がすくむ程の高さだった。そこから滑降し踏み切って空中へはぱたきそして私達の前に着地する。あまりの迫力に誰もが雨を忘れて声を上げて驚いた。森の宮ジャンソ台を後に次なる目的地を目指した。
 札幌の水瓶と呼ばれる。豊平峡ダムヘはバスをダムの少し手前で降りて、そこから冷水トンネルを通りダムまでは電気自動車で移動した。トンネルを出るとそこには雄大な景色が広かっていた。大きなダムを囲む山々に霧がかかっていてとてもきれいだった。晴れた日には展望台からダムを一望することもできるらしい。
 この日の見学は以上で宿泊先の定山渓温泉へ向かった。到着して部屋を割リ当てられた後で委員長校会が行われた。東北支部の委員長校として参加した私は東北支部の活動として東北地区研修会や「ComPass」の紹介をした。また各地区での活動も紹介された。いくつかの地区では各校の交流を深めるために球技大会などを機械学会学生会の集会の折りに行っていた。それから小中学生を対象にわかりやすく科学の学習会を学生会で企画している大学などもあり、非常に感心した。
 来年度の全国学生研修会の担当である九州地区学生会より次回の研修会予定日程が紹介された。三菱重工や本田技研など機械工学を学ぶ学生にはとっても興味を持たせる会社の見学や九州の名所の観光も取りこまれていた。この研修会にも皆さんには是非参加していただきたい。さらに、各支部および各校のつながりを強くし、情報交換をよリ多く行うためにホームページや電子メールをもっと利用していこうという意見も出た。全国各支部、各校でさまざまなホームページが沢山作られているのでそれらを検索し開いて見てはいかがだろうか。
 さて、委員長校会議を終えると第1日目の懇親会が行われた。この場で初めて全国から集まった学生の自己紹介を一人一人、母校の紹介なども交えながら話した。乾杯をしておいしい料理に箸をつけながら他校の学生と意気投合した。タ食後に2次会も設けられていて更に盛リ上がリ初日は楽しく終えた。
 8月10日日曜日、1日目とはうって変わり晴れ晴れとした北海道の青空が広がった。この日の初めの見学地は昭和新山へゴンドラを利用し有珠山展望台より昭和新山、洞爺湖が眼前に眺望することができた。午後には日本製鋼室蘭製作所を訪れ加工工程を見学した。ここでは船舶のタービンなどの部品を加工しているので製品はかなり大きいので加工機械も大型の旋盤や切削機が見られた。工場自体もかなりの広さがあり、敷地内の移動にもバスを使うほどだった。また工場の近くにある端線鍛刀所にも立ち寄り、昔から変わらぬ作刀作業と美しい日本刀の並ぶ資料館を見学した。工場の会議室で行われた「日本刀について」と題した講演会で日本刀の歴史を知り、鍛刀技術の素晴しさを知った。代々受け継がれたこの技術がこれからも絶えることなく保存され向上されることを願いたい。
 この後2日目の宿泊所へ向かい出発した。登別温泉では色々な種類の温泉を楽しみ温泉街で買物もでき2日目の夜を堪能した。
 8月11日月曜日研修会最終日、あと1カ所の見学を残すばかりとなったが、またこの日小雨が降っていた。
 ポロトユタン村ではアイヌ住層などの見学をしたがあいにくの天気ということもあり、見学も短めに切り上げられ、解散場所に向かった。
 苫小牧駅で記念撮影をし、3日間を共にした全国各地の学生と再会を願いながら別れを告げた。こうして平成9年度の全国学生研修会は終わったがこの会で他の地区で機械学会学生会としての活動を非常に活発に行っていることを感じた。今後東北地区でも各校で情報交換を互いに積極的にして機械学会に入会している学生全員が集まってコミュニケーションを図れる場を設けることができれば良いと思う。今回の研修会は私達にとって高専生活での良き思い出となったのは勿論であるが、それだけではなく全国の大学生、高専生から学ぶことは多大なものであった。ですから皆さんには、来期の国学生研修会には是非参加して、全国の機械工学を学んでいる私達と同じ立場の学生と触れ合い、語リ合い自分自身を成長させる糧として頂きたい。


目次へ戻る   前のページ   次のページ