部門紹介

このページでは、部門長挨拶、設計工学・システム部門の創設の背景と、この部門が対象とする分野および領域について紹介します。

更新:2024/4/7

第102期部門長 泉井 一浩(京都大学)

第102期部門長 泉井 一浩(京都大学)2024年度、第102期の部門長を務めさせていただくことになりました。小木曽望副部門長、古田幸三幹事をはじめ、運営委員会委員の皆様やアドバイザリーボードの皆様,部門を支えていただいている皆様,事務局の皆様とともに,部門ならびに学会のさらなる発展に向けて尽力して参ります.

本部門では、感性やサービスなど製品価値の創造論から、最適設計などの設計解の導出法、そして、知識管理やモデリングを支える情報システムや各種デバイス、さらには設計の組織マネジメントなど、設計行為に関わる広範な分野について、常に最新の技術動向を踏まえた多様な観点から議論を行って参りました。これまでの成果は、単に学術面での貢献にとどまらず、実際の製品開発や設計の現場での革新にも大きく貢献してきているところです。その一方で近年、人工知能やデータ科学等のような新しい技術も飛躍的な進化を遂げており、現在の設計工学・システム部門の各分野の研究においても、これらの技術はゲームチェンジング的な影響力を持つと考えられ、大きな変革期を迎えていると言えます。

本部門の主要行事は年次大会と部門講演会ですが、今年度の年次大会は9月8日(日)〜11日(水)に愛媛大学で,部門講演会は9月18日(水)〜20日(金)に大阪公立大学で開催されます.これらの講演会では、当部門のこれまでにも議論されてきた方法論の深化、高度化だけでなく、AI等の新しい技術との融合に基づく、新しい研究成果に関する議論も数多く行われることと期待しております。また一方で、AIなどの新技術の恩恵を最大限に享受するためには、人間の持つ洞察力や創造性をいかに活用するかが鍵となります。そのための人材育成の方法論や、AIの安全性などの倫理的課題など、本部門で議論する課題はさらに広がりを見せていくのではないかと考えられます。

上にも述べましたように、本部門は、設計行為に関わる幅広い分野を横断的に捉え議論を行うことが特徴です。変革の時代であるからこそ、このような多様な観点をもつ方々が集まり、設計の将来像を議論できるのは本部門の大きな強みだと言えます。部門の皆様とともに、本分野の将来像を描いていきたいと考えております。何卒よろしくお願い申し上げます。

部門創設の背景

機械工学を取り巻く環境は転換期にあり、設計はいろいろな問題をかかえています。別すると一つは、設計対象の「質」の確保の問題であり、もう一つは設計を行なうための効率化の問題です。第一の点の問題は、設計への要求が多様かつきびしくなっていることです。製品の大型化や大量化さらにP/L(製品責任)問題など信頼性の確保はもちろん、先端技術の製品への取り込みなどのほか、感性など製品に対する人間的視点の重視、さらに最近やかましくなってきた地球環境への対応や省エネなどがあり、これらの内容はすべて設計に対する要求として発現するのです。第二の点についてはどうか。第一の点を実現するために設計の負担は際限なく増大しており、加えて最近の設計では設計期間の短縮も強く要求されます。これに対処するためにCAD/CAM/CAE、AIなどのコンピュータ利用技術が採り入れられるわけですが、それらは情報分野における、例えばニューロやファジイなどの新しい技術にも関連しており、それらの理解はさらに新しい課題として設計者に課せられることになります。このような状況に対処するためには、正面から設計に取り組み、設計者を支援する方法を考える部門が学会に不可欠です。

(赤木新介「設計工学・システム部門設置の背景」より)

対象とする分野および領域

設計工学・設計方法論・設計学 CAD/CAM/CAE ,シンセシス,アナリシス,アブダクション,創発,場の理論,発想・創造支援,創発的計算法,タグチメソッド, QFD , TRIZ , DfX
最適設計 構造最適化,システム最適化,最適化手法,トポロジー最適化,形状最適化,多目的最適化,応答曲面近似,逐次近似最適化,ロバスト設計,信頼性設計,データ駆動設計
設計知識 設計哲学,設計原理,設計公理,設計知識処理技法,設計知識マネジメント,設計知識共有・再利用,機能モデリング
製品開発・情報管理 製品モデル,製品開発,プロジェクト・マネージメント,コンカレントエンジニアリング, PDM , SCM , EPR ,ディジタルモックアップ,ラピッドプロトタイピング
設計組織 ビジネスモデル,エンタープライズモデル,設計生産性,グローバルエンジニアリング
システム工学 分散・協調,コラボレーション,インターネット応用技術,データベース,遠隔教育
ヒューマンインタフェース 身体性メディア技術,バーチャルリアリティ,ハプティックス,モバイル,ウェアラブル, IPT ,実世界指向
人工物工学の展開 人工物工学,サービス工学,ライフサイクル工学
新しい人工物 マイクロマシン

入会・登録

日本機械学会への入会をご希望の方は,下記をご参照下さい.
入会のご案内 

日本機械学会では,会員の方の専門分野や興味のある分野を元に,部門登録を行っていただいております.
部門登録いただいた会員の方には,部門のインフォメーションメールが配信されます.
部門登録者数は部門のアクティビティ評価にもつながっておりますので,まだ部門登録がお済みでない方は是非とも設計工学・システム部門を部門登録していただけるようお願い申し上げます.

部門登録の方法

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情報発信の方法

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問い合わせ先

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設計工学・システム部門 担当職員 秋山 宗一郎(E-mail:dsd @ jsme.or.jp)

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