第2回BE若手研究者の学校:開催趣旨・校長挨拶
メインテーマ:
一生の同志と出会う。分野を越えて語り尽くし、新たな研究展開と多様なキャリアを切り拓く。
皆様、「第2回BE若手研究者の学校」にご参加いただき、誠にありがとうございます。今年は全国から約30名の若手研究者をお迎えし、本学校を開催できることを心より嬉しく思います。
バイオエンジニアリング部門(BE部門)は、多様な分野が交差する学際的な領域です。本部門の既存の学会においても、領域を越えた知見の共有が活発に行われています。一方で、自身の専門から離れた研究に対しては概要の把握にとどまりやすく、発表者の根底にある問いや興味にまで深く踏み込むには、より時間をかけた議論が必要です。特に若手研究者は、自身の研究領域における考え方や技術の専門性を深く追求する段階にあり、自発的に他分野へ視野を広げることは容易ではありません。これまで確立されてきた技術にさらなる流動性をもたらし、学問の新たな可能性を拓くためには、真の相互理解に基づいた対話が不可欠であると考えました。
そのため本学校では、異なる背景を持つ研究者が互いの技術や対象を理解することから始め、それぞれの情熱やこだわりに至るまで語り合える場を提供します。研究のバックグラウンドや好奇心の源泉に触れることで、発表者が捉えている研究の面白さや煌めきを、本当の意味で分かち合えるのではないでしょうか。他者が研究に魅了された理由やその視点を自身に取り入れることができれば、世界の見え方そのものが変わってくるはずです。本学校では2泊3日という時間をかけて議論を深め、多角的な研究への切り込み方を知ることを通して、自身の研究テーマの再解釈や問いの深化を促します。
本取り組みは、バイオエンジニアリング部門の先輩方が積み重ねてこられた偉大な歴史の上に成り立っています。今回も多様な分野から多くの若手研究者が集うことが叶いましたが、こうした素晴らしい光景を前にすると、領域を横断してBE部門を築き上げてこられた先輩方の大きな功績と情熱を改めて感じずにはいられません。また、本学校の開催にあたっては、出藍会の先生方、博士学生で構成される今年度の運営委員、そして前年度の運営メンバーより、企画の推進に多大なご尽力をいただきました。開催に向けてご支援を賜りました日本機械学会、BE部門、ならびに運営に携わってくださった出藍会の先生方、運営メンバーに、心より深く感謝申し上げます。
第2回BE若手研究者の学校のメインテーマは「一生の同志と出会う。分野を越えて語り尽くし、新たな研究展開と多様なキャリアを切り拓く。」です。このテーマのもと、まずはポスター発表を通じて互いの研究手法や好奇心の源泉を紐解き、深い相互理解を目指します。それを踏まえ、「もし対話相手の研究に自分が取り組むなら、どう展開させるか?」というテーマでグループワークを行います。一つの問いに対して共に頭を悩ませ、思考を交差させる一連のプロセスを体験することで、他者の視点やアプローチを自身の新たな選択肢として取り入れる機会を提供します。また、BE分野で領域融合を体現し、キャリアを切り拓いてこられた先生方の特別講演を通して、参加者一人ひとりが自身の進む未来について考えます。
本学校ではすべてのプログラムにおいて、「発表者と質問者」という従来の非対称な関係を取り払います。相互理解をベースに、同じ問いに対して各自の強みを持ち寄り、対等な立場で議論を交わします。さらに本学校では、公式プログラム以外の時間や寝食を共にする時間も豊富に用意されています。ぜひそのような時間にも心を開き、自由に語り合ってください。本気で研究に向き合う仲間だからこそ分かち合える話題や悩みがあるはずです。思いきり語り尽くし、新たな視点を得た最終日には、皆さんの周りに「一生の同志」ができていることを確信しています。
第2回BE若手研究者の学校 校長
慶應義塾大学大学院理工学研究科
博士後期課程 2年
小野 暁
