技術委員会研究会の活動

「音・振動快適化技術と新しい評価法」研究会

主査:川島 豪
神奈川工科大学

 2021 年は、2 月 16 日(火)にオンラインにて開催しました。

 参加者は 15 名、國司氏(ディー・シー・シー株式会社)による「海馬の 3D 空間認識〜脳で聴く超磁歪型骨伝導スピーカ〜」、朝倉先生(東京理科大学)による「有限要素法を用いた耳小骨再建モデルの伝音特性に関する検討」の 2 件のご講演と、土肥氏(小林理学研究所)による「火球による低周波音計測」の話題提供を聴講しました。

 最後の意見交換会ではご講演内容に対する質疑応答で盛り上がりました。

 また、オンライン在宅の機会が増える中で大学講義、セミナー講習会企画運営受講、学会委員会開催参加など、それぞれの立場で気になったことや苦労したことなどを話し合い、予定した 1 時間を超えて活発な交流をすることができました。

 通常の研究会では、最後は場所を移して自由な雰囲気で語れる意見交換会を設けています。

 多くの情報交換が期待できる研究会です。皆様の積極的なご参加をお待ちしています。参加ご希望の方は川島(kawashima「at」eng.kanagawa-it.ac.jp)、江波戸幹事(akihiko.enamito「at」toshiba.co.jp)、もしくは、朝倉幹事(t_asakura「at」rs.tus.ac.jp)までご連絡ください。

 

NEE研究会

主査:添田 晴生
大阪電気通信大学

 2021年11月25日、NEE研究会第25回講演討論会を特別講演会という形で、昨年度に続き、オンラインで開催した。

 NEE(Numerical Environmental Engineering)研究会は環境分野で数値計算を用いている研究者・技術者が幅広く集う場所の提供を目的として、年 1 回開催される研究会であるが、最近は、数値計算に限定せず、環境分野全般をテーマにして研究会を開催している。

 第25回研究会では「感染症への工学・情報学的アプローチ」をテーマとし、京都工芸繊維大学の山川勝史先生、大阪大学の斎藤真人先生、神戸大学の國谷紀良先生にご講演をいただいた。山川先生からは、新型コロナ飛沫感染の流体シミュレーション結果の紹介をいただき、わかりやすい解説とその対策についてご講演頂いた。

 斎藤先生からは、PCR検査手法の解説と高速で PCR検査を行うための新しい手法についてご講演頂いた。

 最後に國谷先生からは、感染症流行モデルによるシミュレーションの理論の解説とその評価についてご講演頂いた。

 昨年に続き、今回もオンラインによる特別講演会という形で行ったため、参加申込者が約 50 名であった。

 NEE研究会では今後も環境分野における講演を企画しており、多くの方の参加を歓迎いたします。

 NEE研究会のこれまでの活動については下記サイトで確認できます。
http://www.see.eng.osaka-u.ac.jp/seeea/seeea/NEE/J-NEE2.html

 

エネルギーシステム汎用数理モデル研究会  (2022年4月 設置期間終了)

主査:齋藤 潔
早稲田大学

 熱システムの解析には、構成する要素内部の物理現象を考慮したモデルのみならずシステム全体の特性を考慮したモデルなど、レベル・規模別に分類し構築した数値解析が大いに有効である。

 各大学・企業・研究機関が各自解析コードで行われている計算評価より公正かつ一般化された統合解析コードを作成し、共有すれば信頼性のある解析結果を持つシステム解析に大いに貢献できる。

 この一連の研究活動の中で、統合解析コードは日本冷凍空調工業会における標準コードとして認定され様々なシステムの評価に活用されてきている。

 本年度には、解析コードの使い勝手や計算手法に対する改善を進めてきた。計算コアの機能を完全に構造化し、独立性を担保することにより、新しいデバイスのモジュールの作成が非常にシンプルになることや計算時の入出力値が自由に設定できること、また、システム解析の計算途中、運転パターンの変更による一時停止後に連続して計算再開ができるなど、統合解析コードの更なる機能拡張を目指してきた。

 これらの研究成果として研究会のメンバーの協力をもとに、9月8日〜10日で開催された 2021年度日本冷凍空調学会年次大会の国内学会のほか、2021年6月16日〜18日に開催された 2nd IIR Conference on HFOs and Low GWP blendsと10月14日〜15日に開催された JRAIA International Symposium 2021 の国際学会で報告を行った。

 来年度には、さらなる解析コードの拡張を考慮し、人工ニューラルネットワーク技術を応用したエネルギーシステム汎用数理モデルに関連する様々な議論の場を設け、モデルの作成を含め、解析コードの扱いなどに関する更なる工夫と活用に取り組んでいく予定である。

 

吸収・吸着を用いた環境制御技術の高度化に関する研究会  (2020年9月 設置期間終了)

主査:宮崎 隆彦
九州大学

 本研究会は、吸収・吸着現象を利用した環境エネルギー技術について、分野横断的な情報共有、人材交流を目的とした研究会であり、幅広い分野の研究者・技術者をメンバーとして平成26 年10 月に活動を開始しました。2020年9月で3 年間×2期を完了し、本研究会の活動は終了することといたしました。

 6 年間の活動の中で、研究者、技術者、学生が集まり情報交換・意見交換を行う交流会を計6 回、及び、省エネルギー・環境低負荷空調技術に関するワークショップを2015 年度に1 回開催できました。

 活動開始から継続した交流会のうち2015 年度からの5 回は化学工学会エネルギー部会熱利用分科会との共催で「若手研究者のための熱利用・環境技術ワークショップ」として開催させていただき、異分野間の交流を深めることもできました。

 特に、2014 年の研究交流会、2015 年、2016 年、2018年のワークショップは1 泊2 日の合宿形式で開催しました。幅広い分野のご講演を拝聴しただけでなく、学生、教員、社会人がざっくばらんな雰囲気の中で自由なディスカッションをする機会は、参加者して下さった皆様にとって、貴重な財産となる体験になったのではないでしょうか。

 このような“密な”関わりを持つ機会を再び作ることができる日が早く訪れることを願ってやみません。

 これまで研究会にご支援をいただきました皆様、交流会等にご参加いただきました皆様に深く感謝いたします。

 

サーモインフォマティクス研究会

主査:宮崎 隆彦
九州大学

 本研究会は、地球温暖化やエネルギー資源に関連する諸問題に対して、エネルギーの最終形態である「熱」と「情報学」との融合によって既成概念を超えた革新的発展を追求することを目的に、2020 年 11 月に活動を開始しました。

 実際に集まって会合を開くことは未だできておりませんが、2021年1月28日に第 1 回研究会、9月6日に第 2 回研究会をどちらもオンラインで開催しました。また、2022 年 3 月 1 日に第 3 回研究会をオンライン開催する予定です。

 これらの研究会では、研究会参加者が取り組んでいる研究課題の紹介や情報学の応用事例に関する外部講師による講演を行なっています。また、意見交換の時間を比較的長くとり、充分な意見交換ができるようにしています。

 第 2 回研究会では、放射線計測分野から九州大学・金 政浩先生、及び、熱交換器・冷凍空調分野から早稲田大学・GIANNETTI Niccolo 先生をお招きして、それぞれの分野における情報学との融合の取り組みについて紹介していただきました。第 3 回研究会では、産業界における研究ニーズについての話題提供をいただく予定です。

 2022 年度も引き続き研究会の活動を実施します。「熱」と「情報学」の融合に興味をお持ちの方は、宮崎(tmiyazak「at」kyudai.jp)までご連絡ください。

研究会ウェブサイト:https://www.thermoinformatics.lab.uec.ac.jp

 

環境・エネルギー媒体研究会

主査:粥川 洋平
産業技術総合研究所

 熱は、人類の文明活動の結果、環境に捨てられる「廃棄物」の中でも特に重要なもののひとつである。

 環境に捨てられる熱を最小化するために、環境との境界領域で稼働する熱機器の効率向上は熱工学の最重要課題であって、特にエアコン・冷蔵庫・ヒートポンプや発電サイクルに用いられる作動流体の熱物理的性質(熱物性)を可能な限り正確に把握することが重要である。

 再生可能エネルギーという観点からは、水素やバイオ燃料等のエネルギーキャリアとしての流体に関する知見もまた重要である。

 これらについての理解を深める場として、本研究会は2017年度に発足し、これまでに何度か研究会を開催してきた。

 機械工学の視点だけでなく、研究会には化学工学系の研究者も多く参加しており、研究会における議論では両分野の異なる視点にもとづく新たな意見提案がされる場面も多くあった。

 昨年度に設置期間が2023年度まで延長され、さらなる議論の深まりが期待される一方、新型コロナウィルス感染症の拡がりを受けてオフラインでの活発な議論はできない状況が続いている。

 研究者間の個別の議論はオンラインミーティングを利用して継続している状況であり、来年度はハイブリッドの形で再び活発な研究会の開催が実現するよう、感染状況の収束を願っている次第である。