委員長:雉本 信哉
九州大学
第 1 技術委員会は、人間が生活の中で身体的・精神的に様々な影響を受ける騒音・振動に関する諸問題を扱います。産学の研究者を中心に30名近いメンバーで活動をしています。昨年度に引き続き感染症の影響でオンラインでの活動となりましたが、対面でのイベントでは参加が困難だった遠方からの参加者などもあり、オンライン形式のメリットを活かして今後も活動を進めます。今後感染症が落ち着き対面での活動が可能になった際にも状況に応じてオンライン形式を併用することでより多くの方にご参加いただけるような形を検討いたします。
(1)技術講習会
今年度は委員各位のご協力により例年通り 2 回開催(オンライン)することができました。1 回目は 6月4日(金)に「静粛設計のための防音・防振技術」と題して、2回目は10月20日(水)に「新しい生活様式に対応した音響技術の最前線」と題して実施しました。どちらも多くのご参加をいただきました。
(2)手作りで音を楽しもう
─環境にやさしい夏休み親子向けイベント─
株式会社東芝のご協力のもと例年実施しているイベントです。一昨年度までは対面での実施でしたが、このイベントも昨年度からオンラインで実施しており、今年度も8月18日(水)に一般社団法人日本音響学会が実施する「International year of sound」の一環としてオンライン開催しました。
(3)「音・振動快適化技術と新しい評価法」研究会
2月21日(月)に日本音響学会騒音・振動研究会主催、機械学会の共催という形で株式会社日立製作所のご協力を得てオンラインで開催しました。開催直前まで対面形式併用での開催を計画していただいていたのですが残念ながら感染症拡大の影響によりオンラインのみでの開催となりました。
委員長:井田 民男
近畿大学 バイオコークス研究所
1. 活動報告
社会情勢は厳しく、オンラインでの技術委員会を余儀なくされた。また、年次行事としての最新施設の見学会も受け入れが難しく、断念し新しくフレッシュマンセミナーの開催や法工学専門家会議との連携の在り方について意見交換を行い、第 2 技術委員会としての活動の在り方の意見交換を行った。中でも第 2 技術委員会では、廃棄物処理プラントでの自動運転時の事故における「責任の所在」が今後の課題として取り上げ、法工学専門家会議との連携を深めることが重要であることを確認した。
また、日本機械学会での環境工学部門としての評価として、第 2 技術委員会の強みを活かすことが重要であることを確認した。また、企業活動と学会活動の関連付け、学術的な内容(インパクトファクター)より、産業への貢献を重要視、SDGs 等から評価項目を織り込み環境工学部門の存在意義の強調、さらに、学生に対する学会に入る魅力として、企業人との接点(企業アピール)、学会プログラムについて議論を行った。
最後に、IWEE2022 も延期を余儀なくされ、IWEE 2023として開催されることとなり、国際会議の新しい在り方、進め方についても議論を行った。
2. 計画
令和4年4月中旬に「一般廃棄物処理技術の工学基礎と技術者倫理」として、法工学専門家会議と連携し、国内の最前線で開発を進めているプラントメーカ及び高等教育機関が一般廃棄物処理の工学的な基礎とそれらを取り巻く社会及び技術者倫理についてのセミナーを計画している。また、SEE2022 では、廃棄物処理に関わる法工学関連内容(2022 年環境工学シンポジウム内にて開催)及び IWEE2023 の特別企画を予定している。
委員長:義家 亮
名古屋大学大学院工学研究科
第 3 技術委員会は、大気環境・水環境分野の研究者や技術者の交流の場です。
昨年度から続くコロナ禍による行動制限を受けて、委員会活動は大幅な縮小を強いられておりますが、そんな時期であるからこそ、産学交流や学術的議論の場を維持することの重要性を認識し、ネットワークツール等を駆使して活動を行ってまいりましたので、ここに報告いたします。
まず、オンライン開催となった第 31 回環境工学総合シンポジウム(2021年7月8〜9日)では、「大気・水環境保全技術分野」のセッションにおいて 11 件の研究報告がありました。
また、これもオンライン開催となった日本機械学会年次大会(2021年9月5〜8日)では、環境工学部門企画による「S091 先進サスティナブル都市」のセッションにおいて、第三技術委員会から 2 件の発表がありました。
この発表では、2021年3月に第三技術委員会企画としてオンラインで行われた第一回法工学・環境工学連携セミナー「環境技術における法工学〜 SDGs に向けて〜」の内容報告および総括が行われました。
本セミナーの第二回は、環境工学部門の企画として、 2022 年の第 32 回環境工学総合シンポジウム期間内に開催されることが予定されております。
2021年1月7日には、オンライン見学会「“日本一おいしい水”ができるまで!名古屋市鍋屋上野浄水場」が開催されました。
浄水場内の現地施設からの説明等を Web 会議システムによりリアルタイムで参加者に配信することで、質疑応答を含むリモート施設見学を実現し、多くの企業会員の方々を含む約 70 名の参加者がありました。
これらの経験を活かし、2022年度はポストコロナの新たな双方向コミュニケーションの場を企画してまいります。
委員長:坂東 茂
電力中央研究所
第 4 技術委員会では、再生可能エネルギーの開発、エネルギーのための熱交換器やヒートポンプの技術開発、エネルギーの有効利用のためのヒートポンプの活用、エネルギーシステムの最適化等の分野に関する研究者が集まり、環境保全型エネルギー技術を主なテーマとして挙げ、活動しています。
2021年度は、技術委員会と親子イベント、講習会をオンライン開催で実施した他、年次大会の環境サステイナブル都市セッションでも当技術委員会から 2 件を発表しました。
(1)夏休み親子向け行事「熱を体験してみよう」
夏休みの恒例行事として、小学生にエネルギーを体感してもらうため、“熱”をテーマとした実験を複数用意して実施しています。
技術委員会委員が解説しながら、子供たちの進捗も観察しつつ実験を進めています。昨年度は初のオンライン開催ということもあり、10名の募集に留めましたが、2021 年度は 30 名の子供たちに参加していただきました。西日本からの参加もあり、コロナ禍後もオンライン開催は検討の余地があると感じています。
(2)講習会「プログラミングで学ぶ熱物性推算」
コロナ禍に入ってから初の講習会企画であり、オンライン開催といたしました。
熱物性値変化に関する理論の解説に加え、Pythonのプログラミングによる推算方法を実習形式で学ぶ企画でしたが、定員を超える 57 名の方にご参加いただき、大変盛況となりました。開催時期については検討の余地はありますが、来年度以降も実施していきたいと思います。
第 4 技術委員会の委員を中心とした研究会は NEE研究会、環境・エネルギー媒体研究会、エネルギーシステム汎用数理モデル研究会、サーモインフォマティクス研究会、計4 つの研究会が活動しております。
2022年度も、他の技術委員会や研究会、他学会からも継続してご参加いただけるような様々な分野の横断的な研究交流を計画いたします。
委員長:高野 靖
京都大学
環境工学部門の 4 つの技術委員会の横断的活動として「先進サステナブル都市・ロードマップ委員会」が組織されています。昨年は以下の部門連携企画および年次大会での OS 企画の実施を支援しました。
(1)法工学専門会議との部門連携企画
環境工学部門で取り扱う公害問題や廃棄物処理などの技術分野では、さまざまな法律に基づく基準や規格を通じて法律との関係が深いものの、法工学的な観点での検討はこれまで不足していました。
そこで、法工学専門会議と環境工学部門が合同で、 3月5日に Web セミナー「環境技術における法工学〜SDGs に向けて〜」を開催しました。当日は、騒音問題や廃棄物処理問題に対する 4 件の問題提起がなされ、それぞれの問題に対して法工学の専門家が回答を行う形で実施しました。この中で環境問題を効果的に解決するための望ましい法規制の在り方などに関し、33 名の出席者による活発な討論が行われました。
本企画は好評であったため、2022年度も第2回を実施する予定です。
(2)年次大会での OS 企画
9月5日〜8日までオンラインで開催された年次大会の最終日に、部門単独セッション「先進サステナブル都市」を実施しました。当日は環境負荷の低減と快適性の両立を可能とする、騒音低減技術、微細藻類によるバイオエタノール生成技術、廃棄物処理施設の高付加価値化技術、再エネ由来電力の有効利用技術、冷暖・給湯の高度化技術、ならびに法工学部門との連携企画などに関する10件の発表と報告が行われました。 2022年度に開催される年次大会においても、単独セッションの開催を予定しています。