第86期環境工学部門長

第86期環境工学部門長西村 正治 (鳥取大学) 

環境工学部門2007 年度の活動の抱負

 

 新聞を開くと毎日のように「環境」、「ECO」の文字が躍っており、近年の異常な暖冬に身をもって地球温暖化の影響を感じるなど、人々の環境への関心はいやおうなしに高まっています。このような地球環境改善に機械屋として何ができるのであろうか。今年度はこの問題をじっくり考えてみたいと思います。

 本部門は、「騒音・振動評価・改善技術分野」、「資源環境・廃棄物処理技術分野」、「大気・水環境保全技術分野」、「環境保全型エネルギー技術分野」の4 つの技
術委員会から構成されており、温室効果ガスの生成に直接かかわるエネルギー関連技術、冷凍・空調技術から、大気・水処理技術、人間生活の静脈部分を担当する廃棄物処理技術、人間生活の快適性を追求する騒音・振動低減技術、と幅広い技術分野の専門家が集まったユニークな技術集団です。そこで、その特徴を活かし、‘人’を中心において、その快適生活と地球環境改善を同時に実現する道はないのか、種々考えて見ましょう。特に、日本機械学会という‘ものづくり’の技術を担う学会にあって、いかにそれを実現していくか、またそのためにはどのような技術開発が必要かなど、具体的な議論が必要と考えます。

 環境工学部門では現在、「先進サステイナブル都市」をひとつのキーワードにおいて活動を続けています。
上記のような安全・快適な持続的社会を実現するための議論を進めようとするものです。まず第一は、4 つの技術委員会を通して「環境工学が提案する先進サステイナブル都市」を検討するワーキングループを立ち上げました。各技術委員会のワーキンググループで、それぞれの技術分野で理想とする先進サステイナブル都市を構想してもらうと共に、それらを有機的に統合した現実的な理想像を構想しようとするものです。またその実現に向けた技術課題を整理し、今後の研究開発の指針としようとするものです。環境工学部門が設立20 周年を迎える2009 年度に世の中に発信すべく活動を進めています。

 第二は2009 年度国際シンポジウム開催に向けての動きです。環境工学部門はこれまで国際的な活動が少ないといわれてきました。確かに環境問題は一国だけで
はどうしようもなく、地球全体の連携が必要なことは言うまでもありません。そこで現在、部門組織・企画委員会が中心となって、20 周年事業のメイン行事とすべく準備を進めている段階です。

 そのほか、今年度も環境工学総合シンポジウムを中心として、種々の活動を予定しています。詳細はホームページhttp://www.env-jsme.com/  を参照ください。
また、2006 年度よりスタートした英文ジャーナルは次第に充実し、2007 年度は68 件もの論文が掲載されました。皆様の積極投稿と参照により、世界に知られるジャーナルに育てていただきたいと思います。

 これらの活動が実りあるものとなるためには、会員の皆様の積極的な参加が不可欠です。そのため今年度は環境工学部門への部門登録者数増員のキャンペーン
を張ろうと思います。皆様のお近くの方にぜひ環境工学部門へ部門登録をするよう勧めていただきたいと思います。また、新たな企画や要望も募集します。そのためのホームページの充実も考えていきたいと思います。皆様の積極参加で環境工学部門を大いに盛り上げていこうではありませんか。

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