お問合せ
E-mail: mmd@jsme.or.jp

第103期部門長挨拶

Digitalと現実の狭間にて

第103期 部門長 植松 美彦
岐阜大学 工学部 機械工学科

 この度、第103期の部門長を拝命いたしました。ニュースレター(NL)の挨拶文を執筆するように言われたのですが、面倒くさいのでCopilotとChatGPTに対して「委員数1974名の日本機械学会・材料力学部門委員会の部門委員長になりました。若手や女性の活性化、材料力学の今後の発展、大学と企業との研究連携などを軸に挨拶文を1500字程度で書いてください。その際、ウクライナ紛争やトランプ大統領による関税問題などの時事ネタを含んでください。また、副部門長の中谷様、幹事の菊池先生との協力体制についても言及してください。」と、お願いしたのですが、出力された文章のできが良すぎて恐ろしくなりました。ちなみに僕はChatGPTの文章の方が好みでした。時事ネタの部分など、ChatGPTは「ロシアによるウクライナ侵攻の長期化により、エネルギー・資源の不安定さが続き、サプライチェーンの再編も喫緊の課題です。また、米国ではトランプ前大統領の再登場が現実味を帯び、関税政策や保護主義の再燃による国際関係の変化も無視できません。こうした世界的な揺らぎは、素材の調達、製造拠点の再配置、持続可能な設計のあり方など、私たち材料力学分野の実践にも影響を及ぼしています。」などと、もっともらしくのたまいます。僕は大学生の皆さんに対し、このフェイクにあふれた社会(最近はフェイク論文まであります!)で、真実を見抜く洞察力を身につけてください。フェイクを見抜くためには、皆さんが大学で学ぶ確かな基礎知識に裏付けされた洞察力が必要なのです、などと説教しています(要はしっかり勉強しろ、と言うことなのですが)。

 さて、そのような社会背景の中で材料力学部門の存在意義とは何なのでしょうか?デジタルツインとかVRとかARとか、横文字が横行している世の中ですが、学会の真の強みは「人と人との本当のつながり」を提供できること、だと僕は信じています。オンライン会議の空虚感も、最近の皆さんはヒシヒシと感じられているのではないでしょうか(シャンシャン会議には、とても便利なのですが)。材料力学部門委員会では、材料力学をバックグラウンドに若手シンポジウム、材料力学(M&M)カンファレンス、APCFSやATEMといった国際会議、分科会や研究会など、人と人とが接する機会を多数提供しているという自負があります。また、材料力学カンファレンスについては、機械材料・材料加工部門(M&P)とのコロケーション開催(2026年)を予定するなど、人のつながりを、部門を超えて拡大する試みにも取り組んでいます。もちろん講習会など、オンラインが便利なイベントの場合はそれを活用しますが、カンファレンスなどはコロナ後に対面開催が完全に復活しました。このような時代、人と人とが対峙して意見交換する場は、デジタルツインと言った言葉がなかった時代よりもむしろその存在意義が増してきたと思っています。リモートで参加し、必要な部分だけ聴講すればよいとか、極端な例では早送りで映画を見てしまえばよいとか、いわゆるタイパやコスパを重視する若い方々も多いと聞きますが、やはり対面で議論する場に参加しないのは、とてももったいないと思うのです。今期も、若手や女性、企業や大学など、様々な立場の方々が、この現実の世界で交われる場を積極的に提供していきたいと思います。是非ご活用いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 最後に、副部門長の中谷様、幹事の菊池先生との協力体制について、ChatGPTが出力した文章で終わりたいと思います。今期も部門運営へのご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。by Uematsu

 「こうした多岐にわたる活動を円滑に進めるにあたり、副部門長の中谷様、幹事の菊池先生と力を合わせて、オープンで風通しのよい運営体制を築いてまいります。中谷様の鋭い戦略眼と、菊池先生の細やかな実務遂行力は、本部門にとって大きな財産であり、私にとっても心強いパートナーです。今後の活動においても、お二人との緊密な連携を基軸としつつ、委員の皆さまとの対話を大切にしながら、一歩ずつ前進していきたいと考えています。」by ChatGPT

第103期副部門長挨拶

連携の力:材料力学の進化に向けて

第103期 副部門長 中谷 祐二郎
東芝エネルギーシステムズ株式会社 エネルギーシステム技術開発センター
兼 株式会社東芝 総合研究所 エネルギーシステムR&Dセンター

 この度、第103期(2025年度)の材料力学部門副部門長を拝命いたしました。日頃より本部門の活動にご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。植松部門長をはじめ本部門運営委員の皆さまと共に、部門の活性化と発展に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 日本機械学会誌の2025年2月号では「機械と情報通信の双方から考えるサイバーフィジカル融合社会」という特集が組まれ、サイバーフィジカルシステム(CPS)について多角的に取り上げられました。物流、ロボット、次世代通信技術、農業、スマートシティなど、未来の技術社会の姿を探る内容となっています。その中に材料力学という言葉は見られませんでしたが、材料力学も無関係ではなく、むしろ重要な役割があると考えています。例えば、近年、持続可能な社会の実現に向けて再生可能エネルギーの導入が加速しています。風力発電や太陽光発電の割合が増加する一方で、それらの出力は気象条件に左右されるため、安定した電力供給のためには火力発電システムが負荷調整の役割を担うことが求められています。負荷調整のために機器の構成材料が晒される温度や負荷状況は逐次変化し、その情報をフィジカルデータとして収集し、IoTを通じてサイバー空間に構築された材料力学モデルにより健全性評価するという取り組みも産業界を中心に進展しています。

 これは一例に過ぎませんが、産業界の課題に対し学術的な材料力学モデルが適用される事例や、材料力学という分野が様々な領域に跨って取り扱われる事例も多々見られます。すなわち、本部門に関わる領域は学術界・産業界の多岐にわたるものであるとともに、他部門との連携により学術的な発展と実社会への応用をより広げることができると認識しています。昨年11月に行われました国際会議「The 14th Asia-Pacific Conference on Fracture and Strength(APCFS2024)/M&M2024材料力学カンファレンス」においては、産業界の方々の発表や共著が非常に多く見られました。学術の社会への還元が形となって表れた一つの側面だと感じています。また、部門連携という側面では、コロケーション講演会も計画されていきますので、部門を越えた取り組みの有効性もますます認識できると思われます。

 私が産業界に身を置いているため、産業界の視点が強調されてしまったかもしれませんが、産学連携・部門連携など幅を広げることが部門の活性化に寄与し、学会会員数の増加にも繋がらないか、考えていきたいと思います。その一方で、部門の皆様のご支援・ご協力も不可欠です。論文集への投稿、講演会・講習会への参加なども活性化を支える大きな力です。特に、中堅・若手研究者や学生の皆様の参加は重要であり、これは次世代の研究活動活性化の源泉となります。植松美彦部門長、菊池将一幹事とともに、皆様のご協力を頂きながら取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

ページトップへ