お問合せ
E-mail: mmd@jsme.or.jp

第100期部門長挨拶

さらなる部門連係の先に ~低炭素社会に適応した材料力学部門へ~

第100期 部門長 荒井 政大
名古屋大学

 この度,第 100 期(2022 年度)の部門長を仰せつかりました.まさに「100期」という区切りの良い時期に部門長を拝命し,身の引き締まる思いが致します.堤一也副部門長,高橋航圭幹事をはじめ部門運営委員の皆様とともに,本部門のさらなる活性化に努めたいと考えております.どうぞよろしくお願い致します.

 ここ2年以上に及ぶCOVID-19 感染の影響を受けまして,昨年の材料力学部門講演会(M&M2021カンファレンス:名古屋)は完全なリモート形式での開催とせざるをえませんでしたが,みなさまのご協力により360件を超えるご講演をいただき,大へん活気のある講演会となりました.今年度は9月に弘前にて対面開催を前提として準備をはじめておりますが,部門員の皆様の対面での講演会への期待はたいへん大きいようで,現時点で391件のご講演申込を頂いています.おそらくは,この材料力学部門の歴史の中でも最大級の規模での開催となりそうです.9月の弘前はたいへん涼しく穏やかな気候で,全国から参加者の皆様をお迎えするには絶好の会議になるものと期待しております.カンファレンスのご準備にあたられている実行委員長の笹川先生をはじめ実行委員のみなさまには心より感謝申し上げます.現地にて部門講演会に参加頂ける皆様には,ぜひ懇親会にも出席頂き,部門員のみなさまとの交流を深めて頂ければと思っております.

 日本機械学会誌等でもたびたびアナウンスされておりますように,当学会では既に「新部門制」がスタートし,年次大会での部門連係企画や学会の枠を超えた連携企画,複数部門での部門講演会の合同開催ないしはコロケーション開催(同日・同地区での開催)が強く推奨されています.材料力学部門は機械材料・材料加工部門(M&P部門)と多くの部門員を共有しており,複合材料や非破壊検査などを中心として多くの共通した研究分野を抱えていることから,主に年次大会におけるオーガナイズドセッションの共同開催を進めてまいりました.次年度はM&P部門との連携をさらに大きく進めるための施策として,両部門の講演会をコロケーション開催とすることで準備を進めております.

 会場は筑波大学筑波キャンパス春日エリアを予定しております.M&MとM&Pの2部門での連携により,講演数は450~500程度となる見込みで,コロケーション開催によってこれまでにない大規模な部門講演会になることが予想されております.いまのところ計画段階ですが,どちらかの部門にて参加登録を行えば,2部門合同でのオーガナイズドセッションに限らず,特別講演を含むすべてのセッションに参加できる形で計画を進めております.なお,本講演会の企画に際しましては,M&M,M&P両部門での合同企画OSの積極的なご提案を歓迎いたします.本部門はじめての試みであるコロケーション開催での講演会をぜひとも成功させ,M&P, M&M両部門の連携をさらにいっそう進めてまいりたいと考えております.

 当部門が研究対象として取り扱う機械材料,構造材料は,昨今の脱炭素社会,サーキュラーエコノミー,SDGs, LCAなどへの要求が急激に高まりつつある中で,これまで主に生産コストと強度,剛性,寿命等を考慮した材料選択と構造設計の流れが大幅に修正されつつあります.いわゆる「海プラ」の問題に端を発して,プラスチックの廃棄に関わるさまざまな問題が顕在化していることから,ここ数年,プラスチック製品ならびにプラスチックをベースとした複合材料に対して極めて風当たりが強くなっています.我々にはこの逆風を切り抜けて,材料の環境影響を考慮し,脱炭素社会に適応した材料開発が望まれていると考えます.材料開発,材料設計,材料評価の観点から材料製造時だけでなく供用時も含めた炭素排出量の削減を実現し,サーキュラーエコノミーをサポートするによって,ここのところやや厳しい状況にある日本の産業界を支えるのみでなく,当部門,当学会の活性化にもつなげられることと期待しています.

 繰返しになりますが,部門ならびに学会の活性化には,部門員・会員のみなさまのご協力とご支援が不可欠です.講演会での学会発表,論文の投稿,論文誌の査読へのご協力,部門・支部の講習会活動のご支援,出版事業へのご協力など,どんなことでも結構ですので,本会ならびに材料力学部門の活動に,ぜひとも皆様のお力をお貸しいただければと思っております.今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます.

第100期副部門長挨拶

日本機械技術者集団 “The Japan Society of Mechanical Engineers”

第100期 副部門長 堤 一也
三菱重工業株式会社 総合研究所

 企業に所属されている皆様の中には,“学会”という響きに何となく敷居の高さを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか.では“技術者の集団・コミュニティ”はいかがでしょうか?そんなに遠くないかも,と思われませんか.
 産業界から7人目の副部門長を仰せつかりました.歴代の産業界選出の副部門長メッセージを改めて拝読し,身が引き締まる思いです.
 ・進化した産学連携の推進には個々の大学と企業の連携に留まらず,日本全体として連携強化が必要.(林眞琴元部門長,ニュースレターNo.34
 ・実効ある産学連携の流れを持続的に発展させること.(研究者が)自ら育つように努力することが必要不可欠.(岡村一男元部門長,ニュースレターNo.41
 ・現場にこそ真実があり,研究成果も現場で使われてこそ工学.学問と製造現場の溝を埋める架け橋となる部門.(高梨正祐元部門長,ニュースレターNo.45

 現代社会における地球規模の問題の解決には,多様性が大きな役割を果たします.本学会において一世紀に亘って蓄積されてきた英知の時間軸に加えて,学界と産業界,または企業間の繋がりはまさにダイバーシティの源です.問題解決に不可欠なイノベーションの萌芽に最適な土壌,オープンイノベーションが生まれる場とも言えるのではないでしょうか.人類の進化の過程において,集団の力によって技術革新が加速されたとする説があり“集団脳”と呼ばれるそうですが,100年超の歴史と3万人超の会員が集う場はまさにそれに当たるのではないかと思います.

 これまでの活動を発展的に継続し,本年度は次の2点を大きな柱として取り組んでまいります.
 一つ目は「新生『日本機械学会』の10年ビジョン」の中で進められている,学会内分野間連携/産学連携活動です.テーマの一つである「機械・インフラの保守・保全,信頼性強化」は“産業界の悩みごと”が議論のスタートの一つであり,企業会員の皆様のご協力を心からお願い申し上げます.ぜひ身近な相談の場,学界のシーズと産業界のニーズのマッチングの場として本活動をご活用いただければ幸いです.
 二つ目は昨年度「より魅力ある材料力学部門を議論する会」(ニュースレターNo.52)から頂いた提言へのアクションです.多くの貴重な意見のうち「産業界からの情報発信型のオーガナイズドセッション」「規格・基準・材料データベースに関する横通し」といった新しい気付きをいただきました.これらについては目に見える形まで前に進めたいと考えています.

 産業界に偏ったご挨拶になりました.ご容赦ください.荒井政大部門長,高橋航圭幹事とともに部門運営委員ならびに部門登録の皆様のご協力を頂き,微力ながら本部門の運営に努めてまいります.何卒よろしくお願い申し上げます.

ページトップへ