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第96期部門長挨拶

研究,開発のファースト・ステップは日本機械学会で!

第96期部門長 多田 直哉
岡山大学 大学院自然科学研究科

 岡村部門長の後を継いで材料力学部門第96期部門長を仰せつかりました.前年度の一年間を通して部門運営の勉強をさせてもらうつもりでしたが,あっという間に時間が過ぎ,勉強する余裕が無かったというのが正直なところです.今年度は更に時間が早く過ぎることと思いますが,日本機械学会の大きな部門を支える役になりましたので,全力を尽くしたいと考えております.一年間,よろしくお願いします.

 昨年度の副部門長の挨拶文で,日本機械学会の会員になったきっかけや会員のメリットについて述べさせてもらいました.その中で,大学院生時代を含む若いうちは,講演会の会場設営や資料準備等の小さな仕事を色々と任される一方で,研究成果を発表したり,他の方の発表を聞いたりする貴重な機会を得たとの話をしました.その活動の中で,いわゆる大御所と呼ばれる方々の発表や考え方(良い面も悪い面も含め)を見聞きし,さらに,積極的に活動されている中堅や同世代の方々と雑談を含めたコミュニケーションの機会を持つことで,研究のスタイルというものを学びました.必ずしも皆さんに当てはまる共通の考え方ではないことを承知していますが,私自身としては,学会員である(あった)ことのメリットを最近はひしひしと感じています.

 その一方で,日本機械学会では,会員数が減少の一途を辿っています.我が国では生産年齢人口の減少に伴って会員数も減少することは避けられず,減少傾向は学術団体全般の傾向だと思われます.しかしながら,その減少の内訳を見ると,無視できない側面もあります.それは,企業会員の減少が著しいことです.本学会の2017年度運営方針にもデータが載っていましたが,会員数全体の減少が企業会員数の減少幅とほぼ等しくなっています.特に40代以下の若手会員が極端に少ないようですので,少なくとも若手の企業人にとって学会やその活動に魅力は無いようです.もう少し正確に表現すると,入会しても会費に見合うだけの価値が得られないと予想している,ということでしょうか?大学での若手研究者が,学内外の雑用で研究する余裕が無くなってきたとの声を良く聞きますが,会員数の面から見ると企業側の方が深刻なようです.この傾向を世の流れと言ってしまえばそれまでですが,やはり政治の世界と同様,学術や工学の世界においても「数は力なり」の側面もあります.企業の若手の方に学会や部門に入ってもらわないと産学連携を基盤とする工学の将来は暗いでしょう.

 以上のような状況です.すぐにどうなることでもないですが,皆さんと一緒に何か出来ることはないでしょうか?「研究,開発のファースト・ステップは日本機械学会で!」のキャッチフレーズを携え,副部門長の協力も得ながら企業の方々と意見交換を重ねていきたいと思います.

第96期副部門長挨拶

学界と産業界の架け橋を担う部門をめざして

第96期副部門長 高梨 正祐
株式会社 IHI

 この度,材料力学部門第96期の副部門長を拝命いたしました.多田部門長,塩澤幹事をはじめ,運営委員の方々と協力し,本部門のさらなる発展に精一杯努力する所存ですので,よろしくお願いいたします.

 本部門の副部門長は,学界と産業界から交互に選出されており,今期は産業界からからということで,僭越ながら任命されました.多田部門長のご挨拶にありますとおり,本学会の企業会員は減少傾向にあり,私自身も本学会主催のさまざまな行事を見ていて,企業からの参加が少ないと痛感しておりました.この学会離れ傾向は本学会に特有のものではなく,程度の差こそあれ他の学会も同様のようです.その原因についてもいろいろな見方があると思いますが,長年企業で研究開発業務に携わってきた個人的な経験から申し上げれば,学界と産業界に存在する大きな溝が一つの要因かと思います.学会は著名な大学の先生方の集まりで,駆け出しの技術者には近寄りがたい存在のようです.本部門においては,こうした状況を打開すべく,研究会や分科会の活動が活発に行われつつあります.先代の運営委員の方々の意思を引き継ぎ,こうした産学連携をさらに推進していきたいと考えています.

 一方,材料力学は成熟分野であり,研究のネタに探しに苦労しているとの話を学界の方々から伺います.一見すると十分に成熟しきったように見える技術分野では,若い技術者や研究者に魅力を感じてもらえないでしょう.しかし,実際の製造現場を見渡せば,製品仕様環境の過酷化,価格競争の激化,強度信頼性の向上,働き方改革による効率的な設計や製造の要求など,材料力学の重要性は増加の一途にあります.現場にこそ真実があり,研究成果も現場で使われてこそ工学であると考えております.自身の研究成果がどのように社会に還元されるのかを知れば,まだまだ若い人材をひきつける魅力はあるかと思います.そのためにも,若い研究者が研究室にこもることなく,現場に出て自由闊達に議論できる場も提供したいと考えています.学問と製造現場にはまだまだ大きな溝が存在します.その溝を埋めるための架け橋となるような部門を目指します.

 非常に大きな夢を語っているようですが,まずはできるところから,小さな一歩を踏み出したいと考えています.部門登録者の皆様にとってより有意義な場をとなるよう着実に前進したいと思いますので,皆様のご支援を心からお願い申し上げます.

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