Home > ニュースレター バックナンバー > 25号 目次> 分科会報告 − 知能情報メカトロニクス分科会

分科会報告 − 知能情報メカトロニクス分科会

  同主査 大岡昌博(静岡理工科大学)
同幹事 小出誠二 (株式会社 ギャラクシーエクスプレス)

 この分科会は,平成4年から平成9年まで5年間にわたり,大阪大学教授 白井良明氏,九州工業大学教授 喜多村直氏が主査を努めてきた「機械の知能化に関する研究会,分科会」,並びに平成9年から平成12年まで三重大学教授 野村由司彦氏が主査を努めてきた「知能メカトロニクス分科会」を継承するものである.その目的は,「情報・精密機器等のメカトロニクス機器の知能化」技術を発展させるために,先端研究所への見学と訪問先での講演会を実施して,問題解決や新しいシーズを得る機会を提供することである.これまでに,直接知能化技術に関連するものはもとより,将来知能化技術に役立つであろうと思われるものまでテーマを幅広く取り上げてきた.たとえば,マルチメディア,ヒューマンインタフェース,ヒューマン情報処理,バイオミメティックス等のヒューマンサイエンス,パターン認識・理解,分散AI,知識処理等の人工知能,ファジイ論理,ニューラルネット,遺伝的アルゴリズム等のソフトコンピューティング,知的制御などである.

 これまでの分科会では,全国各地で30回ほどの会合が開催され,興味深いテーマについて話題提供と討論が時間をかけて行われてきた.同時に,関連施設の見学も行われ,知能化を考える好機を提供してきた.平成13年度と14年度の活動内容を以下に示す.

(1) 平成13年度第1回分科会(平成13年7月2日):石川島播磨重工豊洲総合事務所にて,IHIのITSへの取り組みの紹介と,駐車場ITS実験の見学を実施した.引き続いて,デジタルヒューマン研究ラボラトリーおよびデジタルヒューマン研究ラボラトリーにて,ヒューマン計測,ユビキタス・システム,インテリジェントルームなどについての講演を聴講した後にこれらのラボラトリーを見学した.
   
(2) 平成13年度第二回分科会(平成13年11月13日):つくば大学知能ロボット研究室にて,一輪車,自動給電システム,画像認識などの実演および移動ロボット開発の経緯および美術館見学ロボットについての講演を聴講した.次に産総研にて,人間協調・共存型ロボットの開発プロジェクトの全体説明を聴講し同ロボットの作業の実演を見学した.
   
(3) 平成13年度第3回分科会(平成14年3月18日):東京大学工学系研究科精密工学専攻 保坂研究室にて,「ウェアラブル情報機器の環境情報センシングへの応用」と「ウェアラブルヘルスケアシステム」の講演の聴講の後に,同研究室の見学を実施した.さらに,同専攻 新井・湯浅研究室も見学した.
   
(4) 平成14年度第一回分科会(平成14年9月12日,9月13日):東北大学工学研究科,長南・田中研究室にて,医療応用機器に関する講演と同研究室の見学を実施した.次に,ベンチャービジネスラボラトリーにて,江刺・小野研,羽根・佐々木研の見学と,「MEMSの研究開発の現状について」の講演を聴講した.翌日,同研究科 小菅・王研,中野・高橋研および内山・近野研にて,ヒトと協調作業できるロボット,メッセンジャー・ロボット,宇宙マニピュレータ,2足および4足歩行ロボッなどを見学した.
   
(5) 平成14年度第2回分科会(平成14年12月27日):デジタルシティ研究センター石田研究室にて,仮想都市空間システム,分散全方位視覚システム,タウンデジタイジングなどについての講演を聴講した.次に,京都大学工学研究科 吉川・横小路研究室にて,仮想物体の力呈示,マニピュレータの力制御,多指ハンド・多数ロボットの協調制御,フレキシブルアーム,マスタ−スレーブシステムなどを見学した.
   
(6) 平成14年度第3回分科会(平成15年3月25日開催予定):浜松ホトニクス(株)研究所にて光計測技術,続いて(株)アルモニコスにて3D-CADを見学する予定である.
Last Modified at 2003/2/25