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ニュースレター48号

若手科学者賞受賞者の声

 情報・知能・精密機器部門から推薦した東京工業大学 科学技術創成研究院 西迫貴志准教授が、文部科学大臣表彰「若手科学者賞」を受賞しました。西迫准教授からの受賞の声を掲載します。


この度,平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「若手科学者賞」を受賞しました.本賞は,萌芽的な研究,独創的視点に立った研究等,高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を対象としたもので,大変光栄に思います.

 受賞となりました研究の題目は「マイクロ流路を用いた液滴および粒子生成に関する研究」です.本研究では,T字型や十字型の微細な流路(マイクロ流路)を用いた、サイズの極めて均一な液滴(エマルション)の生成法の開発に始まり,本手法を応用したヤヌス型、多重型等の複雑な内部構造を有する液滴の精密調製法や,そうした液滴を鋳型としたさまざまな固体微粒子の製造法,人工細胞膜の形成と薬物膜透過性アッセイへの応用,等について研究してまいりました.

 こうした研究成果は,今日”Droplet Microfluidics”と呼ばれる新しい研究分野開拓の基礎となった一方で、産業界においては次世代DNA分析、単一細胞解析、電子ペーパー用表示材,医療用微粒子等、国内外の多くの企業を介した研究成果の実用化が進んでいます.

 今回,このような栄誉ある賞を受賞することができ,大変光栄に存じます。一連の研究成果は学生時代からこれまで指導,協力して下さった皆様方あってのことです。この場を借りて厚く御礼申し上げます。これからもより一層,研究活動を通じた新しい価値の創造と成果の社会実装に向けた取組を精力的に推進していきたいと考えております.今後ともご指導と鞭撻のほど,宜しくお願い申し上げます.


図1. Droplet Microfluidicsに関する研究成果例

Last Modified at 2017/7/11