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第95期部門長挨拶

2017年度第95期情報・知能・精密機器(IIP)部門の部門長を拝命致しました神戸大学の神野伊策です.当部門は情報および知能分野への応用を意識した精密機械工学について議論する部門として創設され,昨年度で25周年を迎えました.設立から現在に至るまで,特にHDDを中心とした情報機器,またフィルムや紙等の柔軟媒体に関する研究開発において大きな成果を上げており,産学連携を中心とした活動により社会に貢献して参りました.これらの実用機器以外に現在特に注目を集めているIoT技術についても当部門のキーワードとも合致するものであり,設立当時の先生方の先見の明に改めて感心させられると共に,新しい技術開拓へ向けた責任の大きさを感じております.

一方,現在IIP部門の置かれている現状は,この四半世紀の間に設立当初とは異なる課題が浮き彫りとなってきています.特に日本機械学会全体に共通した課題として,会員登録者数,特に企業会員の減少が指摘されています.その背景として製造業における環境の変化,つまり激化するグローバル市場における技術開発競争の結果,長期的なビジョンで研究開発を行う基礎研究部門が縮小,もしくは廃止をした企業が少なくないことにも起因すると考えています.設立以来産学連携を基本としてきたIIP部門において,企業研究者の活躍は部門活動において重要な役割を担って来ましたが,製造業を取り巻く環境変化の中で部門活動のあり方についても再認識することが現在強く求められていると感じています.

このような状況からIIP部門が今後取るべき基本的姿勢として,当たり前のことですが登録会員の研究レベル向上につながる活動強化が重要であると考えています.つまり,短期的に会員増に繋がる施策ではなく,根本的な技術力強化,特に次世代技術の中核となる研究をその初期の段階から議論,育成するための場を提供しているかどうかを課題として捉える必要があると感じています.例えば,先の見通しが立ちにくい基礎研究については,大学や公的研究機関の役割がこれまで以上に重要となりますが,その成果を企業との連携を通して還元する活動を部門がサポートする,そのための具体的な新しい活動を議論し実現していきたいと考えています.

以上の背景と目標のために,今年度の部門活動について以下のポイントを重点に活動の活性化を議論していきたいと考えています.

    • IIP部門に登録し部門活動に参加することで有益な情報交換ができるか?
    • コア技術と共にコア人材が部門活動に参加しているか?
    • 若手研究者・技術者が成長するための組織運営ができているか?
    • 新しいリスクのある技術に挑戦することを奨励しサポートする風土があるか?

これらの項目に加えて重視したいポイントとして,

    • 部門活動に参加するメンバーが活動そのものを楽しんでいるか?

基本的なことを羅列しましたが,現状において多くの研究者・技術者が膨大な間接業務に追われ,手段と目的がわからなくなった状態で労力を消耗していることが多くなってきていると感じております.今年度1年間の活動期間で具体的な成果を上げることは不可能だと思いますが,来年度に繋がる土台を少しでも築いていく作業の一端を担うことで部門長としての職責を果たしていきたいと思っています.今後とも皆様のご支援ご協力をよろしくお願い致します.

Last Modified at 2017/8/1