Home > 部門紹介

部門紹介

1. 情報・知能・精密機器(IIP)部門の特徴

情報・知能・精密機器部門(IIP: Information, Intelligence and Precision Equipment Division)は高度情報化社会の基盤となる各種情報・知能・精密機器を対象として,そのテクノロジーの学問的基盤を確立するとともに,それらの創造と発展に寄与することを目的として1991年に設立された.その特徴は,既存の学問分野・技術分野を融合・発展させた領域や新領域を広くカバーしていることである.すなわち,機械工学で基本とされる材料力学,流体力学,熱力学,機械力学等を「縦糸」とすれば,本部門はいわば情報・知能・精密・医療等をキーワードとする「横糸」の位置づけと言え,より産業や社会に近い立場で創造的な活動を進める部門である.IIP部門がカバーする分野には,情報機器コンピュータメカニクス,精密機構マイクロメカトロニクス,機械の知能化,医療福祉機器,マイクロエネルギー,柔軟媒体ハンドリングなどがある.特に情報記憶装置やその周辺機器に代表される情報機器の研究や開発は,何年もIIP部門が牽引してきた技術領域といえる.さらに分野内融合や他分野連携を通じて,プリンタブル・ウェアラブルデバイス技術,IoTを活用した状態監視・非破壊検査技術等の新しい分野への展開が積極的に進められている.

2.活動状況・活動計画

2−1.部門講演会・国際会議
分科会・研究会活動を広げた議論の場として部門講演会がある.毎年開催のIIP部門講演会は,2021年3月から生産システム部門との共催としており,特別講演やワークショップの合同開催などを通じて,両部門の技術交流を促進している.また,他部門や他学会との連携OSも促進し,さらなる部門の活発化を目指している(学術委員会).
当部門主催で1997年に初めて開催した国際会議MIPE(*1)は,その後はアメリカ機械学会(ASME)ISPS部門(*2)との共催を2003年以降,約3年に1度のペースで開催している.2003年(横浜),2006年(米Santa Clara),2009年(筑波),2012年(米Santa Clara),2015年(神戸),2018年(米San Francisco),2022年(名古屋大学,初ハイブリッド開催).今後も国際的に研究成果を発表し,研究連携を深める場として国際会議を開催していく予定である(MIPE委員会).
英文ジャーナル(JAMDSM*3 など)は,日本からの研究成果をいち早く世界に広げることを目的として,IIP部門を含む5部門合同で2005年より発刊を継続している(編修委員会).

*1) Joint International Conference on Micromechatronics for Information and Precision Equipment
*2) Information Storage and Processing Systems
*3) Journal of Advanced Mechanical Design, Systems and Manufacturing

2−2.講習会
講習会はタイムリーな話題に関する適切な情報を提供することにより,会員に満足のいく情報提供サービスを目指している.2016年度から開催している人工知能(AI)講習会は,実践的な内容を学びたいという産業界の要請に従って何度も内容を見直し,企業エンジニアに注目される講習会となっている.今後も社会的なニーズや新しい技術領域に即した講習会を企画していく(事業委員会).

2−3.分科会・研究会活動
学会活動の基本は,会員がそれぞれ興味のあるテーマについて考え,大いに議論することである.そのための最小かつ有効な場として分科会,研究会があり,そこでのアクティビティは学会活動の原点である.これまでに多くの分科会や研究会が活動してきているが,現在は2021年10月に発足した「プリンタブル・ウェアラブルデバイスの基盤技術と応用に関する研究分科会」が活動している.今後も新たな研究会の設立を画策していく.

2−4.サマースクール
当部門は2007年度から「情報・知能・精密機器部門学生サマースクール」を継続的に開催している.一時期はコロナ禍により中断を余儀なくされていたが,2022年度はオンラインで再開した.このサマースクールは,今後産学両界へと進む学生たちに学会活動の有用性を感じてもらえる啓蒙活動である.今後もオンサイト並びにハイブリッド開催も視野に入れ,活動内容の充実を図りながら継続して開催する(サマースクール委員会).

2−5.広報活動
部門から有益な情報,新しい情報をタイムリーに発信することは非常に重要である.会員向けにはホームページやインフォメーションメールなどを用いて配信している.また,会員外向けにはSNSなどを使い積極的な配信を検討していく(広報委員会).

2−6.その他
情報・知能・精密機器部門賞として「功績賞」・「優秀研究講演賞」・「優秀講演奨励賞」を設けている.また,部門一般表彰として「ベストプレゼンテーション表彰」・「部門貢献表彰」を設置している.講演会活性化の一環としてMIPE賞や部門連携賞など,さまざまな表彰形態を検討していく(表彰委員会).
技術ロードマップは将来的な技術開発において戦略的な方向性を示し,製品開発や研究活動に役立つ.日本機械学会では定期的にロードマップを策定しており,当部門からもロードマップの代表委員を選出している(ロードマップ委員会).

Last Modified at 2024/9/19