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2016年度部門表彰者の声:若手講演フェロー賞

名古屋大学大学院
東 直輝

 この度はIIP2016情報・知能・精密機器部門講演会にて発表しました「電気泳動マイクロチップによる大分子量DNAのサイズ分離(理論モデル解析に基づく泳動電圧の最適化)」に対して日本機械学会若手優秀講演フェロー賞をいただき,大変光栄に思います.指導教員の福澤健二教授をはじめ,伊藤伸太郎准教授,張賀東准教授からの日々のご指導とご鞭撻のおかげであると深く感じております.この場をお借りして心より感謝を申し上げます.

 10 kbp(bp:塩基対)以上の大分子量DNAをサイズ毎に分離する技術は薬剤耐性菌の遺伝子型の違いを判別できます.従来の分離法では分離に数日かかる点が問題であり,迅速な院内感染対策のため高速な分離法の確立が不可欠です.本研究では,サイズ排除クロマトグラフィの原理を用いた電気泳動マイクロチップに着目し,理論モデルに基づいた解析から分離可能な分離構造の設計・開発および泳動条件の同定を行うことで,大分子量DNAの分離を達成しました.分離の時間は80分であり従来法と比較して高速な分離を実現しました.今後の展開としては,理論モデル解析に基づいた最適設計により更なる分離の高速化を実現することです.

 今後ともより一層研究に精進し,社会に貢献できるような研究者になることを目指します.ご指導とご鞭撻を賜りますよう,よろしくお願いいたします.

Last Modified at 2017/7/26