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2017年度部門表彰者の声:ベストプレゼンテーション表彰

技術研究組合NMEMS技術研究機構
大森 隆広

 この度は栄えあるIIP2017ベストプレゼンテーション表彰をいただき誠にありがとうございます。ご支援をいただきました関係者の皆様にこの場を借りてお礼を申し上げます。

本発表の内容は、NEDO委託事業「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発PJ」の中での成果の一部になります。MEMS型SA(Super Acoustic)センサおよび無線端末を用いて、AE(Acoustic Emission)センサの標準的な校正方法であるペンシルリードブレイク(シャープペンシル芯の圧折)によって発生する弾性波を計測し、圧折位置の標定が可能であることを示しました。MEMS型SAセンサは、共同参画機関である東京大学IRT研究機構で開発された、液体の表面張力によってシリコンの梁を振動させるという従来にないセンシングメカニズムを採用しています。共振型のMEMSセンサと比較して、非常に広い周波数帯域での応答1が確認され、様々な用途への応用が期待されています。

  後処理はAE波形の特徴量を抽出して情報を圧縮し、無線でサーバにデータを転送する無線端末ユニット2を用いて位置標定を行っています。本端末は太陽光をエネルギー源とする自立発電機能を備えており、橋梁の床版をはじめとする損傷モニタリング3への応用が期待されています。

  橋梁をはじめとする社会インフラの劣化を早期に検出し保全管理に活用する取り組みは、高度経済成長期に建設された施設の劣化が問題となっている今、社会的に大きな関心が寄せられています。本発表の内容はインフラ劣化モニタリングの先駆けとなる内容であり、本発表で賞をいただけたことを大変嬉しく思います。今後も社会に貢献できる研究開発成果を生み出すべく、努力を続けてまいります。


図1 MEMS型SAセンサを用いた橋梁モニタリングシステム

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図2 無線端末による圧折位置標定とMEMS型SAセンサ出力波形

本研究の成果は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究委託業務「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」で得られたものです。

  1. Khang-Quang, P. et al. (2014) “Multi-axis force sensor withdynamic range up to ultrasonic”, Proceedings of 2014 IEEE,27th Inernational Conference on Micro Electro MechanicalSystems (MEMS 2014), San Francisco, CA, USA, 2014-01,IEEE. 2014, pp.474-482.
  2. 大森隆広ほか, ”アコースティックエミッション計測を適用した橋梁モニタリングシステムの開発”, 東芝レビュー, 70, 9, 2015, pp20-23.
  3. 高峯英文ほか, “アコースティックエミッション モニタリングによる橋梁内部のひび割れ検出技術”, 東芝レビュー, 72, 2, 2017, pp49-52.
Last Modified at 2018/7/12