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2018年度部門表彰者の声:フェロー賞

名古屋大学大学院
堀 佑輔

 この度は日本機械学会2018年度年次大会にて発表しました、「静電力と弾性力による隙間制御機構を付与した摩擦力顕微鏡プローブの開発」に対して、日本機械学会若手優秀講演フェロー賞をいただき、大変光栄に思います。日頃より丁寧なご指導をいただいた福澤健二教授、伊藤伸太郎准教授、張賀東准教授に心より感謝を申し上げます。

 今回発表いたしました研究は、微小領域に閉じ込められた潤滑剤において隙間を一定に制御しながら、潤滑剤の動圧による垂直力を測定する装置の開発です。

 本研究ではMEMS技術におけるフォトリソグラフィを用い、SOIウェハ上に集積回路を構築したAFM用プローブを自ら作製しました。本プローブは垂直方向に静電駆動機構を有しており、静電力とプローブの弾性力を利用したnmオーダーでの垂直位置制御が可能となっています。本プローブを潤滑剤中で水平加振することで動圧を発生させ、その動圧に対抗してプローブの垂直位置を静電力で一定に制御することで、ナノ隙間で発生する動圧力を静電力によって定量化することを目指しました。結果として、プローブの垂直方向のnmオーダーでの位置制御は可能となりましたが、水平加振によるナノ隙間での動圧力の定量化には至りませんでした。原因としては、プローブやAFMへの取り付け治具が手作りであるため、@AFMのディテクターに対してプローブが平行とならないことA変位検出のS/N比が悪い等が考えられてました。今後の研究では、プローブ作製時のハンドリング方法やノイズ除去の対策を実施し、目標の実現に向けて進みたいと考えています。

 今後もこの受賞を励みにより一層研究に精進していきたいと思います。ご指導とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

Last Modified at 2019/9/6