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技術ロードマップ委員会

2nd JSME Seminar on Technology Roadmapping for Sustainability 開催報告

2019年9月2日に、日本機械学会技術ロードマップ委員会主催のセミナー「2nd JSME Seminar on Technology Roadmapping for Sustainability」を日本機械学会(信濃町煉瓦館)にて開催しました。本セミナーシリーズではロードマップ、ものづくり、サステナビリティなどを専門とする第一線の講師の先生をお招きし、技術ロードマップに関する理論と実践について最新の情報を得ることを目的としています。第1回セミナー(2019年3月22日開催)の報告についてはこちらをご覧ください。

第2回セミナーでは、タイ・マヒドン大学のNathasit Gerdsri准教授をお迎えし、「Roadmapping: Challenges and Opportunities」と題して特別講演をいただきました。Gerdsri准教授の専門は技術イノベーションマネジメントであり、ロードマップ研究に長年にわたり従事されています。Technology Forecasting and Social Change、Journal of Engineering and Technology Management、IEEE Transaction on Engineering Managementなどに論文が掲載されているなど多数の業績をお持ちです。

 

表1: セミナーのプログラム

14:30 Open
15:00-15:15 Introduction – Purpose & Scope of the Seminar

Dr. Koichi Ohtomi, Chair of JSME Technology Roadmap Committee

15:15-16:20 Special Lecture – Roadmapping: Challenges and Opportunities

Assoc Prof. Nathasit Gerdsri, Mahidol University, Thailand

16:20-16:40 JSME Roadmapping Workshop for Sustainable Manufacturing Visions

Dr. Yusuke Kishita and Ms. Yuki Okada, the University of Tokyo, Japan

16:40-17:00 General Discussion

Moderator: Dr. Yusuke Kishita, the University of Tokyo, Japan

17:00 Close

 

セミナーのプログラムを表1に示します。冒頭に、技術ロードマップ委員会の大富委員長より、委員会の活動内容とセミナーの開催趣旨について説明がありました(写真1)。本委員会では、2050年ものづくりのロードマップ作成活動をバックキャスティング的な視点を持ちながら取り組んでいることが紹介されました。

写真1: 大富委員長によるセミナー開催趣旨の説明

 

Gerdsri准教授による特別講演では、タイの自動車産業を対象としたロードマップや2030年のバンコクの将来像などの具体例を交えながら、ロードマップの作成や評価に関する手法と課題について論じていただきました(写真2)。このなかで、ロードマップは中長期的な計画から具体的にとりうる行動に至るまでのwhy-what-howの関係を記述するものであるとの位置づけが示されました。また、ビジネス環境は絶えず変化していくものであるため、いったんロードマップを作成すれば終わりというわけではなく、「How to keep roadmap alive」の視点が重要であるとのメッセージを得ました。

写真2: Gerdsri准教授による特別講演

 

最後に、木下委員から技術ロードマップ委員会における活動報告として、バックキャスティング型ロードマップ設計手法の説明と、2050年の日本のものづくりを対象として委員会内で試作したロードマップについて説明がありました(詳細はこちらをご覧ください)。

講演後にはGerdsri准教授を囲んでの食事会を開催し、ここでも活発な質疑応答が続きました(写真3)。技術ロードマップ委員会にとっての今後の活動内容を検討していくうえで、重要な知見を提供いただきましたGerdsri准教授にあらためてお礼申し上げます。

写真3: Gerdsri准教授を囲んでの一枚

お知らせ 2019/09/15