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技術ロードマップ委員会

2020年度第1回オンラインセミナー 開催報告

2020年8月4日(火)に技術ロードマップ委員会主催のオンラインセミナーを開催した。本セミナーでは、企業における技術ロードマップの活用事例について話題提供を行い、日本機械学会および機械工学分野におけるロードマップの活用と今後の展開について議論することを目的とした。オンライン開催ということもあってか、100名の定員を大幅に上回るご参加をいただいた。実務面でのロードマップ手法に対するニーズの高さを反映して、産業界から多数の参加がみられた(参加登録者数ベースで、企業:68%、学校: 20%、官公庁11%、その他: 1%)。

 

表1 セミナーのプログラム
(リンクをクリックすると資料がダウンロードできます)

14:00~14:10 開会の挨拶と本セミナーの趣旨説明(技術ロードマップ委員会・大富委員長)
14:10~14:25 技術ロードマップ委員会の活動紹介(東京大学・木下委員)
14:25~15:05 講演(1)「オムロンの事業創造プロセスにおける技術ロードマップ活用方法のご紹介」(オムロン・石橋委員)
15:05~15:45 講演(2)「新事業・新技術創出のための社会潮流ベース技術ロードマップ策定と活用方法のご紹介」(日立製作所・山崎副委員長)
15:45~16:00 総合討論(司会: 東京大学・木下委員)

本セミナーのプログラムを表1に示す。冒頭で、大富委員長から技術ロードマップ委員会の概要と本セミナーの趣旨、木下委員から2017年度より実施している2050年ものづくりロードマップ作成活動の状況について、それぞれ報告した。

講演(1)では、オムロンの石橋委員より、サイニック(SINIC)理論を経営の羅針盤としたオムロンの事業創造プロセスと、その中での技術ロードマップの位置づけについて紹介がなされた。社会課題の解決に向けて、フォアキャストとバックキャストの2つの視点を用いて、長期ビジョンの設定から、中期計画ならびに短期計画の策定へと落とし込んでいく点に特徴がみられた。

講演(2)では、日立製作所の山崎委員より、社会潮流ベース技術ロードマップ作成プロセスと、その日立製作所内における取り組みが紹介された。全体のプロセスを3つのフェーズに分けて、ワークショップを活用しながら戦略的にロードマップを作成する点が特徴的であった。

総合討論ではチャットで質問を受け付け、それに対して講演者が回答するという方式を採用した。参加者からは、事業戦略策定における新型コロナの影響、ロードマップ作成プロセスにおけるワークショップの位置づけ、ロードマップ作成の目標となるビジョンの作成方法、ロードマップ作成者およびワークショップ参加者に求められる資質、ロードマップ作成から実践に繋げるための工夫など、多岐にわたる質問が寄せられた。結果として、予定時間をややオーバーして活発な質疑が行われた。

本セミナーを通して、ものづくり分野におけるロードマップ作成へのニーズの高さがあらためて浮き彫りとなった。今後も技術ロードマップ委員会では、年次大会でのシンポジウムやオンラインセミナーの開催等を通して、ロードマップ作成と実践に関する手法・事例の収集と知識基盤の構築、そして学会員等への情報提供を進めていく予定である。今後のセミナー等に参加を希望される方は、下記の問い合わせ先に連絡ください。

(文責:木下裕介(技術ロードマップ委員会委員、東京大学))

問い合わせ先:担当職員:金子 kaneko@jsme.or.jp

お知らせ 2020/08/20