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機械工学年鑑2022

9. エンジンシステム

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9.1 エンジンシステムにおける研究の動向

欧州委員会は,2030年までに温室効果ガス排出量を1990年比で55%削減させる目標を達成するための政策パッケージ「Fit for 55」(1)を2021年7月に発表した.本パッケージでは,気候,エネルギー,および輸送関連の数多くの法案が包括されており,特に運輸関連においては,乗用車と小型商用車に対するCO2排出量の規制強化や,代替燃料の導入促進が含まれている.我が国では,2021年10月に「第6次エネルギー基本計画」(2)が策定され,2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題と対応方針が示された.運輸部門においては,自動車の生産,利用,廃棄を通じたCO2排出削減,物流分野におけるエネルギー効率向上,燃料そのものの脱炭素化に向けた取組を通じて,カーボンニュートラルを目指すこととしている.加えて電力部門においても,燃料そのものを水素・アンモニアに転換させることや,排出されるCO2を回収・貯留・再利用することで脱炭素化を図ることが求められている.さらに,2021年11月2日に開催されたCOP26世界リーダーズ・サミットにおける岸田総理のスピーチ(3)の中でも,既存の火力発電のゼロエミッション化や,次世代電池・モーターや水素,,合成燃料の開発を進めることが宣言された.このように,国内外でカーボンフリー燃料への転換,および電動化にも対応した高効率なエンジンシステムがより一層求められている.

2021年度は,新型コロナウイルスの感染状況が一旦落ち着いたこともあり,エンジンシステムに関する主要な学術講演会として,年次大会(9月5日(日)〜8日(水)),第32回内燃機関シンポジウム(12月7日(火)~9日(木))がオンラインで開催され,1年延期されていた第23回スターリングエンジンシンポジウム(12月4日(土))もオンラインで開催された.

年次大会「グローバル社会の分岐点に機械工学は何をすべきか?」(4)では,エンジンシステム部門の企画として,基調講演「ディーゼル機関の燃焼と熱伝達に関する計測と考察/小酒英範氏(東京工業大学)」が行われた.また,一般講演セッション「持続可能社会に貢献するエンジン」では,合計19件の発表が行われた.

第32回内燃機関シンポジウム「中島飛行機発祥の地でエンジンの原点を考えよう」(5)では,基調講演として「SUBARUの過去と未来/伊藤康洋氏(SUBARU)」,「ニイガタディーゼル(舶用エンジン)の変遷と今後について/髙橋伸輔氏(IHI原動機)」,「The Co-Optimization of Fuel and Engine Technologies on q Path to Decarbonization of the Transportation Sector/Robert Wagner氏(Oak Ridge National Laboratory)」の3件が行われた.また,フォーラム「水素ならびにアンモニア利用技術」では,「水素エンジンの実用化に関する研究/伊東明美氏(東京都市大学)」,「燃料および水素キャリアとしてのアンモニア利用技術/神原信志氏(岐阜大学)」,「Perspectives for Ammonia Use in Spark-Ignition Internal Combustion Engines/Juan C. González Palencia氏(群馬大学)」の3件の話題提供が行われた.一般講演セッションとして,「CI機関(1)~(3)」,「SI機関(1)・(2)」,「潤滑・トライボロジー(1)・(2)」,「着火・燃焼(1)・(2)」,「水素エンジン」,「燃焼制御・機械学習」,「燃料噴霧(1)~(3)」,「燃料と燃焼」,「ノッキング」,「ガスエンジン(1)・(2)」,「燃焼シミュレーション・モデリング」,「排気・燃焼生成物」,「副室点火燃焼(1)・(2)」,「後処理・CO2回収」,「HCCI」が設けられ,合計84件の発表が行われた.

第23回スターリングサイクルシンポジウム「スターリングサイクル機器の応用展開に向けて」(6)では学術講演会が開催され,一般講演として合計18件の発表が行われた.

〔川野 大輔 大阪産業大学〕

参考文献

(1) Fit for 55, 欧州委員会, https://www.consilium.europa.eu/en/policies/green-deal/fit-for-55-the-eu-plan-for-a-green-transition/(参照日2022年4月5日)

(2) 第6次エネルギー基本計画が閣議決定されました,経済産業省, https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211022005/20211022005.html(参照日2022年4月5日)

(3) COP26世界リーダーズ・サミット 岸田総理スピーチ,首相官邸, https://www.kantei.go.jp/jp/100_kishida/statement/2021/1102cop26.html(参照日2022年4月5日)

(4) 2021年度年次大会,日本機械学会, https://confit.atlas.jp/guide/event/jsme2021/top(参照日2022年4月5日)

(5) 第32回内燃機関シンポジウム,自動車技術会, https://www.jsae.or.jp/intconf/ice/sympo2021.php(参照日2022年4月5日)

(6) 第23回スターリングサイクルシンポジウム,日本機械学会, https://www.jsme.or.jp/conference/Stirling2021/(参照日2022年4月5日)

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9.2 各種エンジン

9.2.1 乗用車用機関

a. 全体概要

2021年の乗用車世界市場は,販売台数で2020年比4.3%増の8,113万台となったが,2019年に比較すると10%減と依然COVID-19による世界的な生産・部品供給への影響が大きかった(1).地域毎販売台数では,日本3.5%減,欧州1.8%減,米国2.2%減,中国では6.6%増で,この4つの地域でのBEV,FCEV,PHEV,HEV等の電動車販売比率は28.0%を占めた(2).2021年11月には英国でCOP26が開催され,脱炭素に向け2040年までにHEV車を含むガソリン車の新車販売を停止する宣言に23ヶ国が合意,自動車メーカーからも2035年ZEV化に向けてFORD,GM,MERCEDES-BENZ,VOLVO-CARS,BYD等が署名をするなど,ZEV化の流れが加速しており,今後の動向が注目される.北米での新燃費基準,各地域での将来排出ガス規制,オフサイクル規制等の動きがあり,電動化技術と組み合わせ,高効率かつ低エミッションとなるエンジン開発の流れが継続されている.

b. 日本の動向

日本の2021年販売実績は2020年比3.5%減の368万台で,普通車は5.5%増加したものの,小型車は14.0%減,軽自動車は4.2%減と落ち込んだ.一方で電動車販売は149万台,販売比率も40.5%と2020年の24.3%から大幅な増加となった.新型エンジンとしては,トヨタはTNGAシリーズの2.4L過給エンジンにセンター直噴システムやターボと触媒の近接配置を織り込み商品化(3).ダイハツは1.2L3気筒ロングストロークエンジンを商品化,2系統冷却仕様や初のシリーズHEVシステムとの組み合わせがある(4).スバルは水平対向2.4L自然吸気エンジンをボア・ストローク新設し商品化,低速から高速までのトルク・加速性能を向上させスポーツ車へ搭載した(5).将来に向けては,日本の自動車産業としてフルラインアップの強みを活かし,CASE普及やカーボンニュートラル実現に向けて,協調しながら前に進んでいくことが期待される(6)

c. 欧州の動向

欧州の2021年販売実績は2020年比1.8%減の1059万台であった.中でもドイツ・ベルギー・オランダは2020年比10%前後の販売減となり,2019年に続きCOVID-19の影響を大きく受けた.一方で電動車販売は408万台,電動化比率も38.5%と大幅な増加となり,ノルウェーでは90%を超過した.電動化技術と組み合わせた新型エンジンとして,MERCEDES-BENZはエンジンとトランスミッションの間にディスク型モータ・ジェネレータのISGと48V電機システムを搭載したガソリンエンジンと初のディーゼルエンジンを商品化(7).FERRARIは初めて後輪駆動でPHEVを組み込んだV型6気筒エンジンを商品化,120度バンクとしバンク間にターボチャージャーを搭載した(8)

d. 米国の動向

米国の2021年販売実績は2020年比2.2%減の352万台だったが,電動車販売は147万台で販売比率も42.8%と大幅な増加となった.2021年8月にはバイデン政権が,新しい燃費基準やライトビークルの50%をBEV/PHEV/FCEVとする目標を打ち出したことから,今後の燃費対応や電動化動向が注目される.

〔月本 学 トヨタ自動車(株)〕

 

参考文献

(1) MARKLINES, https://www.marklines.com/ja/report_all/lmcsales_202201?&sitesearchKey=グローバルライトビークル販売 (参照日2022年3月28日)

(2) MARKLINES, https://www.marklines.com/ja/vehicle_sales/search (参照日2022年3月28日)

(3) トヨタ, https://global.toyota/jp/newsroom/?padid=ag478_from_header (参照日2022年3月28日)

(4) ダイハツ, https://www.daihatsu.com/jp/news/2021/20211101-1.pdf (参照日2022年3月28日)

(5) スバル, https://www.subaru.jp/brz/brz/driving/powerunit (参照日2022年3月28日)

(6) 日本自動車工業会, https://www.jama.or.jp/release/press_conference/2021/186/(参照日2022年3月28日)

(7) MERCEDES-BENZ, https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-benz-cars/models/

c-class/saloon-w206/c-class-sedan/explore.html(参照日2022年3月28日)

(8)FERRARI, https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/296-gtb (参照日2022年3月28日)

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9.2.2 トラック・バス用機関

a. 市場動向

2021年の小型四輪車,軽四輪車も含めた国内トラック販売台数は,2020年比1.7%減の76万5762台であった.車種別としては,軽四輪車は同2.7%減の37万6686台,小型車は同0.2%減の23万1295台,普通車は同1.8%減の15万7781台と,2020年に発生した新型コロナウイルスによる景気後退の影響が継続して各車種とも減少した.国内バス販売台数は,同26.3%減の6880台であった.小型バスが同16.1%減,大型バスも同46.8%減となり,2020年からの観光業の低迷が継続してバス需要は大幅に減少した.輸出車は,トラックが同45.8%増の37万9007台,バスが同0.9%減の7万2313台と,トラックについては新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年を超える台数まで復調した.地域別として,トラックについては,ヨーロッパで同191.1%増,北米で同128.8%増,南米で同58.2%増,中米で同45.1%増,アジアで同40.2%増,と大幅に増加した地域があった.バスについては,大洋州で同25.3%増,アフリカで同20.1%増,アジアで同18.5%減,中近東で18.1%減と大幅に変動した地域があった.

b. 国内の技術動向

2021年は新型エンジンの市場投入はなかった.現行型エンジンの改良としては,いすゞ自動車は,CNG車用6UV1(排気量9.8L)をベースに,国内商用車としては初となるLNG燃料システムを搭載して,ディーゼル車と比較して都市間輸送時のCO2排出量が約10%削減可能となった.エンジン開発の協業として,いすゞ自動車とCUMMINSは,中型ディーゼル・パワートレイン事業におけるグローバル規模での協業及び先進先行技術分野での共同研究の推進について合意した.

c. 海外の技術動向

2021年は新型エンジンの市場投入はなかったが,TRATONグループのSCANIAは排気量13LクラスのエンジンCBE1の新規投入を予告した.圧縮比23,最大燃焼圧250bar,尿素SCRに“Twin-SCRシステム”などの採用技術により,新型トランスミッションと合わせてパワートレーンとして燃費を8%向上する.また,代替燃料としてHVOやFAMEにも対応している.エンジン開発の協業として,DAIMLER TRUCKとCUMMINSは,中型トラック用Euro7エンジンに関する戦略的提携を行った.CUMMINSはDAIMLER TRUCK向けの中型トラック用エンジンプラットフォームのさらなる開発と,2020年代後半に始まるDAIMLER TRUCK向けエンジン生産・出荷に投資する.

〔佐野 貴弘 日野自動車(株)〕

9.2.3 オートバイ用機関および船外機

a. オートバイ用機関

2021年の国内二輪車生産台数は,小型二輪車,軽二輪車,原付一種,原付二種の各クラスで前年を上回り,全体では2020年比33.5%増の64.7万台となり,1年ぶりに増加に転じた(1).日本二輪車メーカー4社(以下,ホンダ,ヤマハ,カワサキ,スズキと表記)が2021年に発売したエンジンについて簡単に紹介する.

ホンダは,新設計の348cm3・空冷・4ストローク・SOHC・単気筒エンジンを搭載した新モデルを発売した.楽しく扱いやすい動力性能を提供するため,ボア,ストロークは,φ70mm×90.5mmとロングストローク化した設定とし,トルクピークは3000rpmとしている.バランサは単気筒エンジンでは一般的な一次バランサに加え,メインシャフト上にウエイトを追加し,偶力振動もキャンセルしている.さらには,オフセットシリンダと非対称コンロッドを組み合わせることで,ピストンフリクションを低減し,燃費改善に寄与している.また吸気管長の確保,ストレート化に加え,排気管長の確保及び排気サウンドの作りこみにより,低速からの力強さと鼓動感を感じられる特性としている.最高出力は15kW/5500rpmとなる(2)

ヤマハは,688cm3・水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ,直列2気筒エンジンを搭載した新モデルを発売した.スロットルプーリのハイスロットル化,2次レシオの最適化によりパワー感と扱いやすさを両立している.クラッチは,アシストカムとスリッパ―カム,2種類のカムを設けたアシスト&スリッパ―クラッチを採用し,スポーティな走りに最適なエンジンブレーキフィーリングをもたらしている.最高出力は54kW/8750rpmとなる(3)

カワサキは,998cm3・水冷・4ストローク直列4気筒エンジンを搭載した新モデルを発売した.強大なパワーと扱いやすさを両立したエンジンとなっている.動弁系は,フィンガーフォロワロッカーアームを採用し,ハイリフトカムとの組み合わせにより,高回転域での性能アップを実現している.また吸排気バルブはチタン製を採用し,耐熱性と摺動性の向上に貢献している.さらに高回転域の性能向上を図るため,軽量ピストンやチタン製コネクティングロッドを採用している.最高出力は150kW/14000rpmとなる(4)

スズキは1339cm3・水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ,4気筒エンジンを搭載した新モデルを発売した.エンジンの扱いやすさを重視し,リニアでコントロール性のある出力特性に作りこんでいる.燃焼室形状は,従来に対して,シリンダ内への混合気の流れを阻害しない形状に見直している.吸気系は,ファンネル筒内に設けられたプレートにインジェクタ噴霧を衝突させるシステムを採用し,燃焼改善に貢献している.排気系は,エキゾーストパイプの連結手法を見直し,中速域のトルクを改善している.最高出力は,140kW/9700rpm(欧州仕様)となる(5)

〔二宮 至成 スズキ(株)〕

参考文献

(1) Active Matrix Database System 一般財団法人 日本自動車工業会, https://jamaserv.jama.or.jp/newdb/index.html

(2) ホンダ GB350, https://www.honda.co.jp/factbook/motor/GB/202103/

(3) ヤマハ YZF-R7, https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/yzf-r7/

(4) カワサキ Ninja ZX-10RR, https://www.kawasaki-motors.com/mc/lineup/ninjazx-10r/

(5) スズキ Hayabusa, SUZUKI TECHNICAL REVIEW VOL.47(2021) 新型「Hayabusa」(GSX1300R)のエンジン開発, https://www1.suzuki.co.jp/motor/lineup/gsx1300rrqm2/

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b. 船外機

2021年の国内生産船外機の海外への出荷台数は,2020年比145%の62.5万台となった.新型コロナウイルス感染拡大の影響によって,アウトドア志向によるライフスタイルの変化でマリンレジャーの需要が高まり,主要市場の北米向けは2020年比159%の24.3万台,欧州向けでは2020年比156%の17.3万台となった.

以下に,2021年に発売を開始した各社の新モデルを紹介する.

アメリカのマーキュリーは, V型12気筒 7.6Lを採用したVerado 600hp(600馬力)を発売.自動2段変速機の採用により,優れた加速と低燃費を両立した.エンジンとは独立して回転するギヤケースの採用により,多機掛け時の取付けスペースが小さくなり,また正確なマヌバリング性能を実現した(1).

ヤマハは,V型6気筒 4169cm3・DOHC・24バルブを採用したV6シリーズ(225/250/300馬力)を発売.ベースモデルであるF300B(300馬力)に新型プロペラを採用することで優れたスピード性能を発揮し,また内蔵型電動ステアリングシステムの採用により,スムーズで快適な操縦性能を実現した(2).

トーハツは,直列4気筒 1995cm3を採用したMFS140A(140馬力)を発売.船外機で初となる4-2-1等長排気システム採用により,クラストップレベルの高トルクを実現した(3)

スズキは,直列4気筒 2045cm3・DOHC・16バルブを採用したDF115B/140B(115/140馬力)を発売.圧縮比を高めることで,燃費の向上を実現した(4).

〔杉原 冴香 スズキ(株)〕

参考文献
(1)  Verado 600hp | Mercury Marine,MERCURY, https://www.mercurymarine.com/en/us/engines/outboard/verado/verado-600hp/参照日2022年3月11日)

(2)  船外機F300F/F300G/F250N/F250P/F225J新発売 ~最新操船制御システム「HELM MASTER EX」にも対応の新開発V6シリーズ~2021年ニュース一覧),ヤマハ発動機株式会社, https://global.yamaha-motor.com/jp/news/2021/0415/f300f.html(参照日2022年3月11日)

(3)  New Model 発売情報!-MFS140A-JULY 30, 2021 NEWS),TOHATSU, https://www.tohatsu.com/marine/jp/outboards/mfs140a.html参照日2022年3月11日)

(4)  DF140B/115B/100C,4-STROKE Electronic Fuel Injection(ラインアップ),スズキ株式会社, https://www1.suzuki.co.jp/marine/lineup/df140b_115b_100c/参照日2022年3月11日)

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9.2.4 汎用機関

a. エンジン生産の動向

日本陸用内燃機関協会の統計2021年10月1日現在の見込みによると2021年(1月から12月)の汎用の国内ガソリンエンジンの生産は減少し1,802千台,前年比94.0%の見通しである.当初見通しに対して45千台増加である.ディーゼルエンジンは1,726千台,前年比126.7%の大幅増加の見通しである.ガスエンジンは69千台,前年比106.9%の増加の見通しである.国内生産台数は,2021年は107.6%の3,597千台の見通しでガソリンは減少したものの,ディーゼルエンジンが大幅に増加し,全体では増加する見通しである.

海外工場での汎用機関の生産量の見通しは,ガソリンエンジンは10,764千台,前年比123.5%で,ディーゼルエンジンは424千台,前年度比113.6%である.ガスエンジンの見通しは17千台,前年度比55.7%である.ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは,増加する傾向がうかがえる.

海外生産比率は,ガソリンエンジンが同3.7ポイント上昇し,85.7%(過去最高)であるがディーゼルエンジンは1.8ポイント低下し,19.7%ガスエンジンが12.3ポイント低下したが合計では2.5ポイント上昇し75.7%の過去最高となる見通しである.

COVIT-19の影響からの回復基調が続いており,中国,欧米の建機や発電機見込まれるものの,COVID-19による部品調達の遅れ,コンテナ不足によるサプライチェーンの混乱,変異株による感染拡大等の懸念もあり,不安定な状況である.

b. 排気ガス規制の動向

国内の大気汚染防止法の定置用ディーゼル,ガソリンとガスエンジンのNOx 規制値は比較的厳しくなく,唯一GHP(ガスエンジンヒートポンプ,空調装置駆動用小形ガスエンジン,小規模低NOx機器) 用ガスエンジンの推奨ガイドラインが12モードで100 ppm 以下と低い.GHPは総容量は526万馬力であり,NOxが最大であった1999年に対し,2019年は1350トン/年と74.8%の低減を達成した.推奨ガイドラインに適合した機器は,環境省適合ラベルを表示することが出来る.地方自治体の条例による排気ガス規制が厳しいので,定置用エンジンはガスエンジンしか生産されていない.小形汎用ガソリン19 kW 以下では,陸用内燃機関協会の自主規制が行われ,2014年からさらに厳しい規制が行われている.さらに小形汎用火花点火エンジン排出ガス自主規制(3次)の改正が行われた.非携帯用エンジンクラスⅠの排気量80ccを超えて140cc未満のエンジンに対するHC+NOxの当初基準値(13.1 g/kW・h)は2019年12月31日までが適用期限となり,2020年1月1日より当該クラスのHC+NOxの基準値は10.0 g/kW・hに変更された.また,規制効果強化のため2022年の自主規制適用者を従来のエンジン製造者に加えて,エンジン販売者,エンジン機器製造者,エンジン機器販売者にも適用対象となった.

2021年の排気ガス総量の傾向は,ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの生産量合計が増大したので総排出量は前年に対し増大傾向となった.全体の排出量は,(NM)HC+NOxが2,678トン/年(前年比112.1%),COが24,743トン/年(前年比133.6%)と増加した.CO2の総排出量も141,804トン/年(前年比118.0%)と増加した.

c. 新技術の動向

ドローン用小形4サイクルガソリンエンジンが開発された.エンジン本体と発電機を一体に設計,製作することで,小形化と高出力化を両立させた.また,小型エンジンとバッテリーを搭載し,ハイブリット型のドローン(最大離陸量36㎏)としバッテリーより長い飛行時間(3時間)を可能としていた.また,災害時のドローンからの給電(インバータ出力700W)を想定した実験をおこなった.

GHG低減を目指しCO2を排出しないアンモニアを汎用エンジンに適用する可能性の研究が行われている.アンモニアは舶用の大形エンジンへの適用が検討されているが,小形汎用エンジンにも同様の動きが見られる.

従来小形ポンプなどの駆動にはもっぱら小形汎用ガソリンエンジンが使われて来たが,出力が低い2kWクラスでは電動パワーパック(モーターとリチウムイオンバッテリー)への置き換えの動きが見られる.出力が高いクラスへの適用には,バッテリーの充電容量の向上が必要と思われる.今後も電動化の動きは続くと思われる.

〔中園 徹 ヤンマー〕

9.2.5 建設機械および鉄道車両用機関

a. 建設機械の市場動向

2021年度通年の出荷金額は2020年度から大きく回復して, 2兆4,404億円(2020年度比26%増)と見込まれる. 上期は国内3,950億円(2020年度同期比横這い), 輸出7,825億円(2020年度同期比77%増), 下期は国内4,749億円(2020年度同期比2%増), 輸出7,879億円(2020年度同期比24%増)と見込まれ, 輸出が大きく牽引している.
2022年度は国内微増, 輸出も堅調に推移し, 通年では国内8,832億円(2021年度比2%増), 輸出1兆6,800億円(2021年度比7%増)と予測されている. この結果, 通年の出荷金額はこれまでのピークである2018年度を超える2兆5,632億円(2021年度比5%増)となることが見込まれる(1).

b. 建設機械用機関の技術動向

建設機械用機関の排出ガス規制については北米では2013年からTier4ファイナルが実施されているが, California Air Resources Boardからオフロード用ディーゼルエンジンに対する次期規制の素案が提示されている. 内容としてはTier4ファイナル規制に対して窒素酸化物(NOx)を最大90%削減することを始めとして, 地球温暖化対策としてのCO2排出基準の導入, 市場稼働車両での排出ガス検証などが盛り込まれており, 2028年の導入が提案されている(2)(3).

中国は現在 国三規制(欧州StageⅢA規制と同レベル)が施行されているが, 2022年12月から国四規制(欧州StageⅢB規制と同レベル)が施行されることが決定されている.

各社の新型機関としては, 日本国内ではヤンマーが4TN86CHT(排気量2.1L)の量産を開始した. 機関各部の高強度化や,新たなターボチャージャマッチング設計により従来の同排気量機関に対して高出力化を図り, クールドEGR, DPFなどにより各国排気ガス規制に適合している(4).クボタからはD902-K(排気量0.9L)が発表された. 出力19kW未満のクラスとしては同社初の電子制御エンジンであり, コモンレール式燃料噴射装置および新燃焼方式の採用により低燃費と各国排気ガス規制対応を両立させ, 2022年から量産することが発表されている(5).

海外のメーカーの動きに目を向けると, ジョンディアが新型機関JD18(排気量18.0L)を2022年から自社製機械に搭載して販売すると発表した. 同社のJD14(排気量13.6L)と同様に油圧式ラッシュアジャスタ採用等のサービス性向上を織り込んでいる.出力については2ステージターボチャージャ採用により最大出力676kW(比出力38kW/L)まで対応している(6)(7).コーラーは新規設計のKSD 1403シリーズ(排気量1.4L)を発表した. 自然吸気, 過給および給気冷却付き過給の3バージョンを準備しており出力19kW未満の範囲をカバーしている. 燃焼方式は副室式であり, ガソリン直噴技術に基づく低圧(250barレベル)の電子制御の燃料噴射装置を採用し,2022年末からの生産を発表している(8)(9).

各社共通の動向としては, 内燃機関というハードウエアを生かして脱炭素化へ対応するために, バイオ燃料に代表される代替燃料の使用や, 水素を含むガスエンジンの研究・開発を推進する動きが見られ今後の動向が注目される.

c. 鉄道車両用機関の技術動向

鉄道車両用機関については, ハイブリッドシステム搭載車両やトルクコンバーターを排して発電機と組合せた電気式気動車の営業エリアが拡大し,国鉄時代に製作した一般型気動車の老朽取替用としてJR各社において車両数を増やしている. またJR貨物に於いても電気式ディーゼル機関車の増備が引き続き進行中である.

〔春田 欣彦 (株)アイ・ピー・エー〕

参考文献
(1) 2022年2月時点での需要予測, 一般社団法人 日本建設機械工業会, https://www.cema.or.jp/general/news/2021/tmfjj600000005cj-att/202202juyou.pdf参照日2022年3月4日)

(2) Potential Amendments to the Diesel Engine Off-Road Emission Standards: Tier 5 Criteria Pollutants and CO2 Standards, California Air Resources Board, https://ww2.arb.ca.gov/our-work/programs/tier5/about参照日2022年3月4日)

(3) CARB developing Tier 5 emission standards for off-road engines, DieselNet, https://dieselnet.com/news/2021/11carb.php参照日2022年3月7日)

(4) 排気量1.6L/2.1Lの高出力機種を産業用立形水冷ディーゼルエンジンのラインアップに追加, ヤンマーホールディングス株式会社, https://www.yanmar.com/jp/engine/news/2020/12/14/84612.html参照日2022年3月4日)

(5) クボタ初の電子制御による産業用小型ディーゼルエンジンを開発, 株式会社クボタ, https://www.kubota.co.jp/news/2021/newproduct-20210324.html参照日2022年3月7日)

(6) John Deere adds the all-new 18.0L engine to new models of self-propelled forage harvesters, Deere&Company, https://www.deere.com/en/news/all-news/2021aug30-john-deere-adds-all-new-18l-engine-to-new-models/参照日2022年3月7日)

(7) Product highlights, Deere&Company, https://www.deere.com/assets/pdfs/common/industries/engines-and-drivetrain/brochures/jd18.pdf参照日2022年3月7日)

(8) KSD Series Drop-in simplicity, Kohler Co., https://kohlerpower.com/en/engines/press-release/2021/january/ksd-series参照日2022年3月7日)

(9) More details on Kohler’s KSD, Diesel Progress, https://www.dieselprogress.com/news/more-details-on-kohlers-ksd/8017894.article参照日2022年3月7日)

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9.2.6 舶用及び発電用機関

舶用ディーゼル主機関を生産している国内主要ディーゼルエンジンメーカー9社の2021年1月~12月の生産実績は589台,565万馬力であった(2020年は693台,641万馬力).生産馬力は前年比12%減と2020年(同11%減)に引き続き大きく落ち込み,600万馬力を割り込む結果となった.一方,2021年末時点の手持ち工事量は9社合計で534台,718万馬力となっており,2020年末の488台,649万馬力に比べて,11%増となっている.2021年の出力ベースの国内シェアを図9-2-1に示す.

図9-2-1 2021年舶用主機関国内シェア(出力ベース)※Source:KP Data

 

2021年の新造船マーケットは,低調であった2020年に比べると徐々に復調の兆しが見え始めており,特に脱炭素社会の実現に向けたLNG焚き,LPG焚き,メタノール焚き等,二元燃料焚き機関採用船の商談が活発に行われるようになった.一方で,世界的な鋼材や半導体不足に伴う電子機器などの資機材価格の高騰が収益面での懸念材料となっている.

2020年に引き続き,各社からは環境対応技術に関連する発表が相次いだ.日立造船からは,舶用SCR(Selective Catalytic Reduction:選択触媒還元)の累計受注100基を達成したことが発表された.IHI原動機からは,アンモニア焚き4ストローク機関の開発が,国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による助成事業の公募採択を受けたことが発表された.ジャパンエンジンからは,アンモニア焚き2ストローク機関および水素焚き2ストローク機関の開発が,NEDOによる助成事業の公募採択を受けたことが発表された.三井E&Sマシナリーからは,アンモニア燃料船開発と実装に向けたプロジェクトが,NEDOによる助成事業の公募採択を受けたことが発表された.ジャパンエンジン,川崎重工業,ヤンマーパワーテクノロジーの3社からは,水素燃料エンジンを開発するために共同出資による新会社「HyEng株式会社」設立に向けた検討を進めていることが発表された.

2020年は,IMO(国際海事機関)の2050年目標であるGHG総排出量50%削減の実現に向けて,国内外で様々なプロジェクトが本格的に動き始め,2021年は,国内大手船社からネットゼロ・エミッションに向けた2030年~2050年のGHG排出削減目標値が発表された.当面はバンカリングのためのインフラが整いつつあるLNG焚きが主流となると考えられていたが,デンマークの大手船社であるAPM Mearskがメタノール(バイオメタノール,合成メタノール)の採用をGHG排出削減に向けた取り組みとして掲げたことに端を発し,国内においてもメタノール焚き環境対応船の検討が活発に行われるようになった.メタノール焚き機関はMAN ES(MAN Energy Solutions)社が開発済みであるが,WinGD(Winterthur Gas & Diesel)社も開発を開始,2024年にリリース予定であることを発表した.メタノールは毒性があるものの,常温で液体であるため,他の二元燃料に比べて取扱いが容易であるというメリットを有する.

将来的にはアンモニアや水素をはじめとする次世代燃料焚き機関の普及による2050年ネットゼロ・エミッションが目標とされ,各国内エンジンメーカーが各々の技術と造船所/船主/官公庁を巻き込んだ相互連携で,中国/韓国との差別化に向けたアンモニアや水素焚き機関搭載船の開発を開始している.

〔後藤 貴幸 (株)三井E&Sマシナリー〕

9.2.7 ガスタービン

我が国は,温室効果ガスの排出量を2030年度に2013年度比で46%削減し,2050年度にカーボンニュートラルを実現するという野心的な方針を表明している(1).この実現に向けて,第6次エネルギー基本計画では「火力発電については,安定供給を大前提に,再エネの瞬時的・継続的な発電電力量の低下にも対応可能な供給力を持つ形で設備容量を確保しつつ,できる限り電源構成に占める火力発電比率を引き下げる.」方針が示された(2)

脱炭素に対する機運の高まりを受けて,国内の重工各社でも火力発電におけるアンモニアや水素等の脱炭素燃料の利用に向けた技術開発が進められている.川崎重工は,ガスタービンのDLE(Dry Low Emission)燃焼器において,水素を体積比40%までの割合で天然ガスと混焼して安定した低NOx運用を実現する燃焼技術を開発したことを発表している(3).また,IHIは,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託事業(液体アンモニア直接噴霧ガスタービンシステムの研究開発)において,液体アンモニアを燃焼器内に直接噴霧して天然ガスと混焼させる2,000 kW級ガスタービンの技術開発を実施し,熱量比率70%の液体アンモニアを安定燃焼させるとともにNOx発生量を抑制することに成功したことを報告している(4).三菱パワーは,アンモニアをガスタービン発電の燃料として100%直接利用する40,000 kW級ガスタービンシステムの開発に着手したことを発表している(5).一方,高効率な産業用ガスタービンを用いて温室効果ガスの排出量低減を図る事業も並行して行われている.例えば,三菱パワーは,ウズベキスタン共和国に建設する1,500,000 kW級の天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル発電所向けにM701JAC形ガスタービン2基を受注したことを報告している(6).同発電所の建設により,高経年化した既設発電所を一部運転停止し,発電効率を向上させることでCO2排出量を年間220万トン削減できる見込みである.

航空分野においては,カーボンニュートラルの実現に向けてバイオジェット燃料等のSAF(Sustainable Aviation Fuel)の社会実装が進められている.NEDOの委託事業(バイオジェット燃料生産技術開発事業)において,IHIは微細藻類を原料とした,三菱パワー,JERA,東洋エンジニアリングおよびJAXAは木質系バイオマスを原料としたSAFの製造技術をそれぞれ開発し,同技術で製造したSAFを国内定期便に供給したことを発表している(7).一方,水素航空機の実現に向けた取り組みも行われており,川崎重工は,NEDOから公募された「グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発プロジェクト」に,「水素航空機向けコア技術開発」を提案し,採択されたことを発表している(8).この事業では,「水素航空機向けエンジン燃焼器・システム技術開発」,「液化水素燃料貯蔵タンク開発」等が行われる予定である.その他に航空エンジン材料関連のNEDOプロジェクトとして,「航空機エンジン向け材料開発・評価システム基盤整備事業」がスタートしている(9).同事業は,航空機の燃費改善や環境適合性向上の要請に応える技術を獲得することを目的としており,研究開発項目は「革新的エンジン部品製造プロセス開発」,「革新的合金探索手法の開発」および「航空機エンジン用評価システム基盤整備」である.

学術分野については,ASME Turbo Expoはオンライン形式で開催され,「Sustainable Energy – Accelerating the Transition by Advancing Turbine Technology」をテーマとしたキーノートが行われた(10).また,「Opening up the Design Space」として,水素とバイオ燃料,およびComputationsと機械学習に関する2件のプレナリーセッションが開催され,ゼロカーボン社会に向けた各社各組織の模索が紹介された(10).テクニカルセッションでの発表件数は700件程度であり,原因は不明であるが例年に比べて300件程度少ない発表件数であった(11).国内では,日本ガスタービン学会の定期講演会が同じくオンライン形式で開催された.同講演会では,「脱炭素社会に向けたガスタービン関連技術の展開と産官学連携」と題した基調講演と,「航空推進:ガスタービンの進化と将来技術」と「低炭素,脱炭素時代のエネルギーベストミックス」と題した2件の招待講演があり(12),ASME Turbo Expoと同様に脱炭素に関連した企画となっていた.一般講演では49件の発表があり,この件数はコロナ禍前と比べると減少しているものの,2020年と比べると僅かに増加している.

〔金子 雅直 東京電機大学〕

参考文献

(1)令和3年4月22日 地球温暖化対策推進本部,首相官邸, https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202104/22ondanka.html(参照日2022年4月22日)

(2)第6次エネルギー基本計画,経済産業省, https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211022005/20211022005-1.pdf(参照日2022年4月22日)

(3)ガスタービンDLE燃焼器に搭載する水素40%混焼技術を開発完了,川崎重工業株式会社, https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20211207_1.html(参照日2022年4月22日)

(4)世界初,2,000kW級ガスタービンで液体アンモニアの70%混焼に成功,株式会社IHI, https://www.ihi.co.jp/ihi/all_news/2020/resources_energy_environment/1197059_1601.html(参照日2022年4月22日)

(5)世界初となるアンモニア焚き4万kW級ガスタービンシステムの開発に着手,三菱重工業株式会社, https://power.mhi.com/jp/news/20210301.html?_ga=2.218403353.1032771695.1650168288-190268126.1649984302(参照日2022年4月22日)

(6)ウズベキスタンの150万kW級GTCC発電所向けガスタービン2基を受注,三菱重工業株式会社, https://power.mhi.com/jp/news/20210414.html?_ga=2.9286837.1032771695.1650168288-190268126.1649984302(参照日2022年4月22日)

(7)木くずや微細藻類から製造した持続可能な代替航空燃料を定期便に供給,国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構, https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101442.html(参照日2022年4月22日)

(8)「水素航空機向けコア技術開発」がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択,川崎重工業株式会社, https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20211105_1.html(参照日2022年4月22日)

(9)「航空機エンジン向け材料開発・評価システム基盤整備事業」基本計画,国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構, https://www.nedo.go.jp/content/100936207.pdf(参照日2022年4月22日)

(10)寺本進,2021年ASME国際ガスタービン会議 1.全般,日本ガスタービン学会誌,Vol. 49,No. 5(2021),pp. 368–369.

(11)日本ガスタービン学会 学会誌編集委員会,2021年ASME国際ガスタービン会議 11.統計資料,日本ガスタービン学会誌,Vol. 49,No. 5(2021),pp. 383–385.

(12)渡邊裕章,第49回日本ガスタービン学会定期講演会 全体報告,日本ガスタービン学会誌,Vol. 50,No. 1(2022),pp. 59–60.

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9.2.8 スターリング機関

2021年は,当初2020年に開催予定だったStirling Internationalによる19th International Stirling Engine Conferenceが開催され,日本機械学会による協賛も承認された.日本機械学会主催のスターリングサイクルシンポジウムも,ウェブ上で開催された.

Scopusで検索可能な英文の2021年度の研究報告では,過去数年に比べると実験結果を伴う報告が目立った.特徴のある報告を挙げると,フルイダイン熱音響機関といった機械的な可動部が省かれた機器から動力を抽出するような試みが目立った(1)-(5).琵琶が関わる研究グループによる報告が多い(3)-(5).琵琶が関わる研究グループは日本国内のスターリングサイクルシンポジウムでも関連する研究を報告した(6)(7).なお国内のスターリングサイクルシンポジウムにおいて特徴のあった報告としては,4節リンク機構を用いた機構型スターリングエンジンの動力学的な解析が挙げられる(8).その他に,実験結果を伴う報告が過去数年に比べて多く(9)-(23),Naderraらは内燃機関のエミッション対策で行われる廃棄管内での燃焼に対するボトミングサイクルの報告をした.ここでは参考になるか否かの判断は避けるが,人工知能分野の手法を用いた解析や遺伝的アルゴリズムの利用など,パラメータと結果の具体的な因果関係を深く考えない手法による解析の報告があった(24)-(29).宇宙利用や月面のその場資源利用技術(lunar in-situ resources utilization)に関連してスターリングエンジンに着目する研究が報告されているが(30)-(35),同一のグループによる発表が目立つ.再生器の議論では(36)-(38),Yuら(37)再生器の採用で熱交換器での温度差が小さくなることを議論し,Yorkら(38)再生器の搭載のズレの影響について議論している.また20世紀後半に用いられた3rd-orderモデリングの報告がなされているところが(39),3D-CFDの題材としてスターリングエンジンを扱っているだけの報告が多い中で,意義深い.要素技術の取り扱いになるが,Leeらがフレクシャースプリングの耐久性評価を報告し(40),Rutczykら(41)がシリンダの伝熱を議論した.

機構型スターリングエンジンの動力学的な議論は,英文でもわずかになされている(42)(43)

〔加藤 義隆 大分大学〕

参考文献
(1) Yang, H.-S., Cheng, C.-H., Ali, M.A., Performance and operating modes of a thermal-lag Stirling engine with a flywheel, Applied Thermal Engineering, Vol.205(2022), DOI: 10.1016/j.applthermaleng.2022.118061.

(2) Zare, S., Tavakolpour-Saleh, A.R., Modeling, construction, and testing of a diaphragm thermoacoustic Stirling engine, Energy Conversion and Management, Vol.243(2021), DOI: 10.1016/j.enconman.2021.114394.

(3) Murti, P., Takizawa, A., Shoji, E., Biwa, T, Design guideline for multi-cylinder-type liquid-piston Stirling engine, Applied Thermal Engineering, Vol.200(2022), DOI: 10.1016/j.applthermaleng.2021.117635.

(4) Ito, M., Murti, P., Tsuboi, S., Shoji, E., Biwa, T., Analysis of the linear oscillation dynamics of Fluidyne engines, Journal of the Acoustical Society of America, Vol.151,No.2(2022),DOI: 10.1121/10.0009571.

(5) Penelet, G., Watanabe, T., Biwa, T., Study of a thermoacoustic-Stirling engine connected to a piston-crank-flywheel assembly, Journal of the Acoustical Society of America, Vol.149,No.3(2021),DOI: 10.1121/10.0003685.

(6) 渡辺拓丸, 琵琶哲志, 庄司衛太, Guillaume PENELET,フライホイール型熱音響エンジンの出力と効率の測定, 第23 回スターリングサイクルシンポジウム‐スターリングサイクル機器の応用展開に向けて‐講演予稿集(2021),C4.

(7) 坪井 優, 琵琶 哲志, 庄司 衛太, 伊藤 みひろ,Q値の数値解析からみたフルイダインの調整管の役割, 第23 回スターリングサイクルシンポジウム‐スターリングサイクル機器の応用展開に向けて‐講演予稿集(2021),D3.

(8) 加藤義隆工作教室用低温度差模型スターリングエンジンの動力学的解析, 第23 回スターリングサイクルシンポジウム‐スターリングサイクル機器の応用展開に向けて‐講演予稿集(2021),B5.

(9) Ndiaye, M., Liu, Y., Takami, H., Power Supply Vehicle Hybrid Biomass-PV FPSEG Generator System as a Countermeasure against Disaster, 10th IEEE International Conference on Renewable Energy Research and Applications(2021), DOI: 10.1109/ICRERA52334.2021.9598683.

(10) Aksoy, F., Solmaz, H., Arslan, M., Yılmaz, E., İpci, D., Calam, A., Effects of the regenerator on engine performance of a rhombic drive beta type stirling engine, Energy Sources, Part A: Recovery, Utilization and Environmental Effects(2021), DOI: 10.1080/15567036.2021.1912853.

(11) Zeeshan, Panigrahi, B.K., Ahmed, R., Mehmood, M.U., Park, J.C., Kim, Y., Chun, W., Operation of a low-temperature differential heat engine for power generation via hybrid nanogenerators, Applied Energy, Vol. 2852021), DOI: 10.1016/j.apenergy.2020.116385.

(12) Cheng, C.-H., Phung, D.-T., Numerical and experimental study of a compact 100-W-class β-type Stirling engine, International Journal of Energy Research, Vol.45,No.5(2021), DOI: 10.1002/er.6271.

(13) Cheng, C.-H., Tan, Y.-H., Liu, T.-S., Experimental and dynamic analysis of a small-scale double-acting four-cylinder α-type stirling engine, SustainabilitySwitzerland), Vol.13,No.15(2021), DOI: 10.3390/su13158442.

(14) Erol, D., Çalışkan, S., The examination of performance characteristics of a beta-type Stirling engine with a rhombic mechanism: The influence of various working fluids and displacer piston materials, International Journal of Energy Research, Vol.45,No.9(2021), DOI: 10.1002/er.6702.

(15) Takeuchi, M., Suzuki, S., Abe, Y., Development of a low-temperature-difference indirect-heating kinematic Stirling engine, Energy, Vol.229(2021), DOI: 10.1016/j.energy.2021.120577.

(16) Katooli, M.H., Askari Moghadam, R., Mehrpooya, M., A novel Gamma-type duplex Stirling system to convert heat energy to cooling power: Theoretical and experimental study, International Journal of Energy Research, Vol.45,No.14(2021), DOI: 10.1002/er.7127.

(17) Steiner, T.W., Hoy, M., Antonelli, K.B., Malekian, M., Archibald, G.D.S., Kanemaru, T., Aitchison, W., de Chardon, B., Gottfried, K.T., Elferink, M., Henthorne, T., O’Rourke, B., Kostka, P., High-efficiency natural gas fired 1 kWe thermoacoustic engine, Applied Thermal Engineering, Vol.199(2021), DOI: 10.1016/j.applthermaleng.2021.117548.

(18) Wu, C.-Y., Currao, G.M.D., Chen, W.-L., Chang, C.-Y., Hu, B.-Y., Wang, T.-H., Chen, Y.-C., The application of an innovative integrated Swiss-roll-combustor/Stirling-hot-end component on an unpressurized Stirling engine, Energy Conversion and Management, Vol.249(2021), DOI: 10.1016/j.enconman.2021.114831.

(19) Borisov, I., Khalatov, A., Paschenko, D., The biomass fueled micro-scale CHP unit with stirling engine and two-stage vortex combustion chamber, Heat and Mass Transfer/Waerme- und Stoffuebertragung(2022), DOI: 10.1007/s00231-021-03165-z.

(20) Sookramoon, K., Updraft Gasifier-Stirling Engine Biomass Incineration System Power Generation, Trends in Sciences, Vol.19,No.3(2022), DOI: 10.48048/tis.2022.2170.

(21) İncili, V., Karaca Dolgun, G., Georgiev, A., Keçebaş, A., Çetin, N.S., Performance evaluation of novel photovoltaic and Stirling assisted hybrid micro combined heat and power system, Renewable Energy, Vol.189(2022), DOI: 10.1016/j.renene.2022.03.030.

(22) Catapano, F., Frazzica, A., Freni, A., Manzan, M., Micheli, D., Palomba, V., Sementa, P., Vaglieco, B.M., Development and experimental testing of an integrated prototype based on Stirling, ORC and a latent thermal energy storage system for waste heat recovery in naval application, Applied Energy, Vol.311(2022), DOI: 10.1016/j.apenergy.2022.118673.

(23) Nader, W.B., Jaworski, J., Leyko, J., Mitukiewicz, G., Batory, D., Bouriot, J., Study and test of a post combustion chamber for a recuperative reheat Stirling machine, Energy, Vol.247(2022), DOI: 10.1016/j.energy.2022.123377.

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(25) Rostami, M., Assareh, E., Moltames, R., Jafarinejad, T., Thermo-economic analysis and multi-objective optimization of a solar dish Stirling engine, Energy Sources, Part A: Recovery, Utilization and Environmental Effects, Vol.43,No.22(2021), DOI: 10.1080/15567036.2020.1834027.

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(29) Ahmed, F., Zhu, S., Yu, G., Luo, E., A potent numerical model coupled with multi-objective NSGA-II algorithm for the optimal design of Stirling engine, Energy, Vol.247(2022), DOI: 10.1016/j.energy.2022.123468.

(30) Antipov, Y.A., Smirnov, S.V., Oshchepkov, P.P., Khalife, H.S., Design features of a power plant based on a stirling engine working on the moon, Advances in the Astronautical Sciences, Vol.174(2021), pp.833-847.

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(33) Li, H., Tian, X., Li, G., Kang, X., Zhu, L., Chen, S., Chen, L., Jiang, X., Shan, J., Development of a Performance Analysis Model for Free-Piston Stirling Power Convertor in Space Nuclear Reactor Power Systems, Energies, Vol.15,No.3(2022), DOI: 10.3390/en15030915.

(34) Jin, Z., Wang, C., Liu, X., Dai, Z., Tian, W., Su, G., Qiu, S., Operation and safety analysis of space lithium-cooled fast nuclear reactor, Annals of Nuclear Energy, Vol.166(2022), DOI: 10.1016/j.anucene.2021.108729.)

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(36) Liu, M., Zhang, B., Zheng, K., Du, X., Wang, H., Numerical study on regenerative effectiveness of parallel-plate regenerator for Stirling engine, International Journal of Green Energy(2021), DOI: 10.1080/15435075.2021.1997750.)

(37) Yu, M., Shi, C., Xie, J., Liu, P., Liu, Z., Liu, W., Constructal design of a circular micro-channel Stirling regenerator based on exergy destruction minimization, International Journal of Heat and Mass Transfer, Vol.183(2022), DOI: 10.1016/j.ijheatmasstransfer.2021.122240.)

(38)  York, B.T., MacDonald, B.D., Influence of misalignment and spacing on the pressure drop through wire mesh Stirling engine regenerators, Energy Conversion and Management, Vol.245(2021), DOI: 10.1016/j.enconman.2021.114588.)

(39) Qiu, H., Wang, K., Yu, P., Ni, M., Xiao, G., A third-order numerical model and transient characterization of a β-type Stirling engine, Energy, Vol.222(2201), DOI: 10.1016/j.energy.2021.119973.

(40) Lee, C.-W., Kim, D.-J., Kim, S.-K., Sim, K.-H., Design optimization of flexure springs for free-piston stirling engines and experimental evaluations with fatigue testing, Energies, Vol.14,No.16(2021), DOI: 10.3390/en14165156.

(41) Rutczyk, B., Szczygieł, I., Development of internal heat transfer correlations for the cylinders of reciprocating machines, Energy, Vol.230(2021), DOI: 10.1016/j.energy.2021.120795.

(42) Yoshitaka KATO, Dynamic analysis and demonstration of flywheel-less low temperature differential Stirling engine using bellows instead of power piston, Proceedings of the 2021 International Conference on Business and Technology Transfer / Technology and Society(2022).

(43) Rahmati, A., Varedi-Koulaei, S.M., Ahmadi, M.H., Ahmadi, H., Dynamic synthesis of the alpha-type stirling engine based on reducing the output velocity fluctuations using Metaheuristic algorithms, Energy, Vol.238(2022), DOI: 10.1016/j.energy.2021.121686.

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9.2.9 燃料電池

近年,カーボンニュートラルな社会の実現に向けて移動体用動力源の脱炭素化が積極的に進められている.再生可能エネルギーから生成可能な水素は,CO2を排出しないクリーンなエネルギーであり,EV化が難しい分野の脱炭素化に重要な役割を果たすと期待されている.2021年10月に発表された我が国の第6次エネルギー基本計画(1)ではカーボンニュートラルを実現するために,水素は不可欠なエネルギーとして位置付けられている.また,EUなど海外においても水素の積極的な活用が検討されている.

燃料電池は水素を高効率に利用できるクリーンなエネルギー変換装置である.なかでも起動性の良さなどの特徴から移動体用動力源として適している固体高分子形燃料電池は運輸部門の脱炭素化の一翼を担う存在である.我が国においては新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2017年に固体高分子形燃料電池に関する技術開発ロードマップ(2)を策定しており,自動車などの移動体用電源として積極的な技術開発が進められてきた.燃料電池自動車の国内保有台数は2020年度末において5170台であり,2019年度末と比べ約4割増加している(3).この燃料電池自動車の普及を牽引してきたのが2014年にトヨタ自動車が販売を開始したMIRAIである.2020年には650km以上の走行が可能な新型MIRAIを発表しており,燃料電池システムの性能向上がなされている.MIRAIはカーシェアにも導入(4)されており,燃料電池自動車の社会実装が着実に進んでいる.

近年ではEV化が難しいトラックなど高負荷な用途への適用も進められている.2020年10月にアサヒグループホールディングス,西濃運輸,NEXT Logistics Japan,ヤマト運輸,トヨタ自動車,日野自動車の6社は共同で大型燃料電池トラックの実証試験を行うと発表した(5).トヨタ自動車,日野自動車が大型の燃料電池トラックの開発を担う.このトラックには固体高分子形燃料電池が搭載される予定であり,航続距離の目標値は600km(5)である.また,トヨタ自動車,日野自動車はコンビニ大手3社と小型の燃料電池トラックの導入を目指した取り組みを開始している(6).いすゞ自動車も本田技研工業と共同で燃料電池を搭載した大型トラックの研究を行っており,燃料電池導入による物流の脱炭素化が加速している.

鉄道においても非電化路線の脱炭素化に向け,燃料電池の適用が進められている.2020年10月にJR東日本,日立製作所,トヨタ自動車の3社は固体高分子形燃料電池とリチウムイオン電池を搭載したハイブリッド車両FV-E991系(愛称:HYBARI)の開発を発表した(7).このハイブリッドシステムは固体高分子形燃料電池で発電した電力およびリチウムイオン電池に蓄電した電力により主動力が駆動するシステムである.リチウムイオン電池は燃料電池およびブレーキ時の回生電力により充電される.トヨタ自動車が燃料電池システムの開発を行い,日立製作所がハイブリッドシステムの開発を担う.2022年には開発された車両が報道陣に公開されており,今後,南武線(尻手~武蔵中原),南武線尻手支線,鶴見線での実証試験が計画されている.欧州ではシーメンス・モビリティーが燃料電池を搭載した電車の開発を進めており,世界的に研究・開発が進められている.

燃料電池の活用により水上での脱炭素化も推進されている.ヤンマーパワーテクノロジーは2021年に大阪湾で固体高分子形燃料電池システムを搭載した船舶の試験航行を行った(8).この船舶にはトヨタ自動車の燃料電池システムが活用されており,長い航続距離を実現するために70MPa高圧水素充填を世界で初めて船舶に適用している.

このように燃料電池はトラックや鉄道,船舶といった高負荷な用途に幅広く適用され始めている.しかし,本格普及に至るには課題も数多く存在している.2022年,NEDOはトラックや船舶,鉄道への固体高分子形燃料電池適用に向けた技術開発ロードマップ(9)を策定しており,そこには-30℃といった氷点下起動特性やセル運転温度の高温化,貴金属使用量の低減,ガス拡散抵抗の低減など様々な技術課題が挙げられている.今後,本格普及に向けてこれらの改善が求められている.

〔境田 悟志 茨城大学〕

参考文献

(1) 第6次エネルギー基本計画,経済産業省,https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211022005/20211022005-1.pdf(参照日2022年4月11日)

(2) 燃料電池・水素技術開発ロードマップ詳細版(燃料電池分野),新エネルギー・産業技術総合開発機構,https://www.nedo.go.jp/content/100871976.pdf

(3) EV等 保有台数統計,一般社団法人 次世代自動車振興センター, http://www.cev-pc.or.jp/tokei/hanbai.html(参照日2022年4月11日)

(4) 水素の燃料電池車「MIRAI」をカーシェアに導入,オリックス自動車株式会社,https://www.orix.co.jp/grp/company/newsroom/newsrelease/191115_ORIXG.html(参照日2022年4月11日)

(5) 燃料電池大型トラックの走行実証を2022年春頃より開始,トヨタ自動車株式会社,

https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/33952104.html(参照日2022年4月11日)

(6) セブン‐イレブン・ファミリーマート・ローソンとトヨタ・日野が燃料電池小型トラックの導入を目指した取り組みを開始,トヨタ自動車株式会社,https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/34409605.html?_ga=2.164936637.363303622.1649642292-509040573.1649642292(参照日2022年4月11日)

(7) 水素をエネルギー源としたハイブリッド車両(燃料電池)試験車両の開発,JR東日本,https://www.jreast.co.jp/press/2020/20201006_4_ho.pdf(参照日2022年4月11日)

(8) 世界初となる船舶への70MPa高圧水素充填を実施,ヤンマーホールディングス株式会社,https://www.yanmar.com/jp/marinecommercial/news/2021/10/13/98421.html(参照日2022年4月11日)

(9)  NEDO 燃料電池技術開発ロードマップ-HDV 用燃料電池ロードマップ(解説書)-,新エネルギー・産業技術総合開発機構,https://www.nedo.go.jp/content/100944011.pdf(参照日2022年4月11日)

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