13.機械力学・計測制御
13.1 概論
機械力学・計測制御部門 (以下,本部門)は,機械工学におけるいわゆる「四力学」の一つである「機械力学」(機械のダイナミクス)と,ダイナミクスと関連の深い「計測と制御」の分野を主たる活動基盤としている.本部門の部門登録者数(第1位から第3位まで)は4,608名(2025年3月末)で,流体工学部門に次いで2番目の規模である.本部門では,これらの分野の学術的な基礎研究から実践的な応用研究,他部門との連携による新領域まで幅広く研究が行われ,その研究成果が積極的に公開されている.その成果は主に日本機械学会論文集(和文・英文)や部門講演会「Dynamics and Design Conference」(略称D&D)などの講演会等を通じて発表され,また講習会等における教材としても使われている.第13.1節では,2024年中に発行された日本機械学会論文集(和文および英文)へ掲載された学術論文,および同期間に催行された講演会,講習会などの状況について概説し,本部門の研究活動の概要の紹介とする.
13.1.1 学術論文
2024年1月~12月に日本機械学会論文集に掲載された学術論文のうち「機械力学,計測,自動制御,ロボティクス,メカトロニクス」のカテゴリーとして掲載された論文は46編である.また,同論文集Vol.90, No.936では「機械力学・計測制御分野特集号2024」が組まれ,このカテゴリーに14編の論文が掲載されている. 次に,掲載された論文数および割合の推移について述べる.論文数は,この5年間では89編 (2020年),93編(2021年),74編(2022年),59編(2023年),46編(2024年)と推移しており,減少傾向にあることがわかる.論文の割合においては,29%(2020年),30%(2021年),31%(2022年),27%(2023年),28%(2024年)と同程度を維持しており,日本機械学会論文集に対する貢献度という意味では,高い値を維持している.一方,英文誌 Mechanical Engineering Journal の Dynamics & Control,Robotics & Mechatronics カテゴリーに掲載された論文数のこの5年間の推移は,19編(2020年),16編(2021年),2編(2022年),18編 (2023年),12編 (2024年)であり,さらに国内外に向けて広く投稿を促す努力を続けていくことが必要である.
13.1.2 講演会,講習会など
毎年開催される部門講演会「Dynamics and Design Conference」(略称 D&D)は,本部門活動の中心である.2024年は,総合テーマ「ダイナミクスを礎に全体俯瞰・共創・共育し未来を拓く」の下,9月3日(火)~6日(金)の4日間にわたり,神奈川大学みなとみらいキャンパスにて,第67回理論応用力学講演会(NCTAM67)と合同開催した.発表件数は特別講演2件を含む393件(D&D:258件/NCTAM:135件),参加者数は689名であった.D&Dの関連企画としては,例年どおりv_BASE(振動工学データベース)フォーラムが併催され,発表28件であった.若手活性化委員会企画「人脈づくり交流会」も開催され,活況であった.さらに,D&Dの特別企画としては,日本機械学会分野連携の掛け声の下,4部門(交通・物流部門,ロボティクス・メカトロニクス部門,バイオエンジニアリング部門,環境工学部門)との合同セッションが実施された.その他の本部門関連の講演会としては,「MoViC 2024」と「APVC 2024」が8月5日 (月)~8 日(木)の4日間にわたり,日本大学駿河台キャンパスで合同開催され,参加者194名,講演件数126件であった.また,「第22回評価・診断に関するシンポジウム」(参加者99名,講演件数34件)を12月2日(月)~3 日(火)に主催した.
本部門主催の講習会としては,「モータ駆動およびその電動システムの騒音振動低減化技術」(7月16日(火),受講者18名),「回転機械 (ターボ+モータ)の振動」(12月5日(木)~6日(金),受講者8名),「振動分野の有限要素解析講習会(計算力学技術者2級認定試験対策講習会)」(10月26日(土),受講者39名),「振動モード解析実用入門 実習付き」(12月24日(火)~25日(水),受講者17名)を実施した.これらの講習会は,本部門に関連する知識や技術の教育,啓発に大きな役割を果たしており,本部門の活力の賜物といえる.部門運営委員会や部門所属研究会と連携し,新たな講習会などの企画も検討しているところである.
〔松村 雄一 岐阜大学〕
13.2 流体関連振動
2024年9月3日~6日に神奈川大学で行われたDynamic & Design Conference 2024(D&D2024)において企画されたオーガナイズドセッション「領域4 流体関連振動・ロータダイナミクス OS4-1 流体関連振動・音響のメカニズムと計測制御」では合計9件の発表が行われた.内訳は,渦に起因する空力音響現象に関する研究が4件,フラッタ現象に関する研究が2件,使用済み燃料ラックの水中での挙動,熱音響管路の減衰特性,エッジトーンに関する研究がそれぞれ1件あった.空力音響現象に関する研究では,小型電子機器のヒートシンク,補聴器,配管内のストレーナ,管群で発生する空力騒音に関して,数値解析や実験による流動特性の詳細な検討が行われた.その他の研究では,フラッタ現象,隙間流れ,熱音響,エッジトーンに関する詳細なモデル化の検討・高精度化が行われている.
2024年9月8日~11日に愛媛大学で行われた年次大会において企画されたジョイントセッション「J102 流体関連の騒音と振動」では合計22件(口頭発表9件,ポスター発表13件)の発表が行われた.内訳は,空力騒音が8件,スロッシングが4件,フラッタ現象が2件,隙間流れが2件,配管内音響が2件あり,遠心圧縮機のサージ現象,板振動の放射音,パドリング水力評価,空気浮上の安定性がそれぞれ1件であった.スロッシングでは,高速炉の耐震性向上を目的として,円筒容器内のスロッシングの実験,数値計算,天井荷重評価方法の提案等が実施された.D&Dと同様に空力騒音に関する研究が8件と多く,解析が難しい空力現象への関心が高いことがわかる.
国外では流体関連振動に関する主な国際会議として,2件行われた.2024年7月2日~5日にブラジルのフォス・ド・イグアスで開催された,10th International Symposium on Fluid-Structure Interactions, Flow-Sound Interactions, Flow-Induced Vibration & Noise(FIV2024: FSI2 & FIV+N.)では,日本からの発表3件を含む87件の研究発表が行われた.続く,2018年7月28日~8月2日にはワシントン州ベルビューでASME 2024 Pressure Vessels & Piping Conference(PVP)のFlow Induced Vibrationのセッションでは23件の発表があり,そのうち2件が日本からの発表であった.FIV2024では,円柱・角柱と外部直交流れ(二相流も含む)に関連する流体励起振動に関して20件の発表があり,解決すべき課題が多数残されている.
〔石川 諭 九州大学〕
13.3 電磁力関連のダイナミクス
電磁力関連のダイナミクスは,機械,電気,制御,磁気,材料,化学,生物などの多岐にわたる学問が有機的に結合した分野である.近年,SDGsやカーボンニュートラルの達成に向けた研究開発が求められているが,SDGsには,健康と福祉,安全な水とトイレ,クリーンなエネルギー,産業と技術革新,住み続けられる街づくり,気候変動など,本分野と関連する項目が多数あり,その研究動向が注目されている.特にアクチュエータの高効率化,高機能化,小型集積化,環境発電,非接触給電などの報告が多数あり,SDGsを視野に入れた研究開発が盛んになっている.
国内において電磁力関連のダイナミクスの分野で中心的な役割を果たしているのは,「電磁力関連のダイナミクス」シンポジウム(SEAD)である.SEADは日本機械学会,電気学会,日本AEM学会が持ち回りで主催し,第36回シンポジウムが2024年6月25日〜27日に電気学会の主催により関西大学千里山キャンパスで開催され,2件の基調講演と132件の一般講演が行われた.電磁材料,電磁流体,電磁力や圧電,静電,超磁歪アクチュエータ,多自由度モータ,磁気浮上,リニアドライブ,磁気軸受,回転機,バイオメカニクス,静電力・プラズマ応用,超電導応用,電磁誘導,振動と制御,材料の電気機械特性,非破壊評価,センサ,電磁界解析,ロボット・医療応用などについての講演が行われた.関連する国内会議として,2024年9月3日〜6日に神奈川大学みなとみらいキャンパスで開催されたDynamics and Design Conference 2024,2024年12月6日〜7日に東京科学大学大岡山キャンパスで開催された第33回MAGDAコンファレンス in 東京(電磁現象及び電磁力に関するコンファレンス)などがあり,超電導,磁気浮上,回転機,電磁解析,医療応用,非破壊検査,次世代アクチュエータ,ワイヤレス電力伝送,環境発電,磁性流体などの講演が行われた.
関連する国際会議として,2024年8月5日〜8日に日本大学駿河台キャンパスで開催されたThe 17th International Conference on Motion and Vibration (MoViC2024)などがある.2025年には,韓国大田でThe 15th International Symposium on Linear Drives for Industry Application (LDIA2025),滋賀県大津市でThe 19th International Symposium on Magnetic Bearings (ISMB19)などが開催され,電磁アクチュータや磁気浮上などの講演が行われる予定である.電磁力関連のダイナミクスの分野は年々その包含する範囲が広がっており,学会などにおける情報交換の重要性が高まっている.
〔上野 哲 立命館大学〕
13.4 力学系理論・応用
応用数理学会年会(1)において力学系理論・応用に関する研究成果が多く発表されている。特に「応用力学系」のオーガナイズドセッション(毎年開催)ではハイブリッド力学系の分岐解析と歩行・走行モデルへの応用、力学系のリザバ―計算に関する理論、トポロジーに着目した細胞周期ネットワークの解析と制御、データ駆動方式の超高感度センシングへの応用、蔵本モデルに関する同期解と安定性やグラフ上でのフードバック制御に関する研究が注目される。
ICTAM2024(the 26th International Conference of the Theoretical and Applied Mechanics)(2)では様々な非線形現象の解析・データ分析において力学系理論を使った研究が発表された。ミニシンポジウムData-driven mechanics and artificial intelligenceが開催され、スペクトル多様体(Spectral manifold)を使い、非線形物理システムを低次元モデルに縮小する方法が紹介され(3)、データ駆動方式との関連の中で、これまで十分に活用されていなかった不変多様体の存在の検討(4)(5)や特別な部分多様体を見出す簡約化法が注目される。応答データのみを使用して、未知の非線形システムの非線形ノーマルモード (Nonlinear normal mode) を識別するためのディープラーニングに基づくデータ駆動型手法(6)やデータ駆動を用いた翼周りの流れ制御を目的とした低次元多様体の導出(7)も、実応用の研究として興味深い。
ENOC (11th European Nonlinear Dynamics Conference )(8)では、非線形現象と制御に関する研究が行われた。基調講演のテーマは、バイオメカニクスに関する非線形ダイナミクスおよび非線形ダンピング、MEMS/NEMの非線形ダイナミクス、振動および衝撃緩和などにおける受動型吸振器によるエネルギー伝送、複雑なネットワークにおける同期パターン形成などであった。オーガナイズドセッションは以下の表のとおりである。
| 1. Reduced-Order Modeling and System Identification |
| 2. Asymptotic Methods |
| 3. Computational Methods |
| 4. Experiments in Nonlinear Dynamics and Control |
| 5. Slow-Fast Systems and Phenomena |
| 6. Fractional order Dynamics and Control |
| 7.Nonlinear Phenomena in Mechanical and Structural Systems |
| 8. Non-Smooth Dynamics |
| 9. Nonlinear Dynamics in Engineering Systems |
| 10. Micro- and Nano-Electro-Mechanical Systems |
| 11. Nonlinear Dynamics in Biological Desing |
| 12. Nonlinear Dynamics for Engineering Desing |
| 13. Energy Transfer and Harvesting in Nonlinear Systems |
| 14. Random Dynamical Systems-Recent Advances and New Directions |
| 15. Time-Periodic systems |
| 16. Control and Synchronization in Nonlinear Systems |
| 17. Fluid-Structure Interaction |
| 18. Wave propagation in Mechanical Systems and Nonlinear Metamaterials |
| 19. Systems with Time Dealy |
| 20.Physics-enhaced machine learning and data-driven nonlinear dynamics |
力学系理論応用の観点から特に注目されるのは、非線形ダイナミクスのデータ解析に関する研究である。クープマン作用素論は広く非線形システムの線形表現を可能にする方法であるが、その基礎的研究(9)、クープマン演算子を近似する最近の手法と、状態フィードバックコントローラーの構築などの応用(10)、摩擦接触などによる滑らかではない非線形力学系を識別するための機械学習などの研究(11)が、急速に発展していることである。
MEMS(Microelectromechanical systems)/NEMS(Nanoelectromechanical systems)の関連研究も引き続き盛んである。微細化によってMEMS/NEMSの基本構成要素であるレゾネーターに非線形粘性、非線形慣性、非線形剛性効果が顕在化するため、非線形共振現象が容易に発生する。レゾネータに生じるモード局在化の利用(12)(13)(14)、非線形ノーマルモードを用いたレゾネーターの超弾性特性の解析・利用 (15)など、非線形現象の積極利用による、マイクロ・ナノセンシングの高感度化に関する研究が行われている。
〔藪野 浩司 筑波大学〕
13.5 計測
計測技術は,機械工学辞典によれば,「特定の目的をもって,事物を量的にとらえるための方法・手段を考究し,実施し,その結果を用い所期の目的を達成させること」とされている.センサーそのものを作る技術から,定量的に測定,評価を行うための理論,技術,装置,システムまで含まれる.日本機械学会機械力学・計測制御分野においては,ダイナミクスと制御に関連する事象の定量的評価に関するものを中心に議論されている.なお,力学現象の解析,同定等の話題まで含めると,広大な範囲となるので,そちらはモデリング分野と判断し,今回は対象に含めないことにする.
例えば,D&D2024においては,計測に関係する研究の発表があった領域は,2,3,4,5,6,7,8であり,ほぼすべての分野で議論され,その中には領域8のようにダイナミクス・デザイン教育のトピックとして議論されるものもある.計測は基盤分野であることが分かる.振動・騒音計測に関する研究が多く,薄板ビームの屈曲振動対称解を利用したダンピング計測(1),近接した固有振動数をもつ多自由度振動系の固有振動計測(2),矩形断面音響管による垂直入射時の吸音構造体表面における散乱の計測(3),新しい解析技術を用いた折紙構造の遮音特性の評価(4)などがある.また,制御系の計測としては,核融合炉における天井クレーンのフィードバック制御のための構成部品の位置・姿勢計測手法に関する研究(5),また,ロボットを用いた森林計測の研究(6)等がある.あとは,流体計測に関する研究 (7),アコースティックエミッションを用いたパンの食感の計測(8),生体計測に関する発表(9)があった.なお,オーガナイズドセッションOS2-1-2人工知能においては,セッション名の通り,人工知能を用いた検査・検知手法が3件発表されている(10)(11)(12).純粋な計測手法とは異なるが,計測技術に人工知能を用いて,新しい検査,検知手法の開発につなげる研究は今後増えていくと思われる.機械学会論文集においては,鉄道における計測技術の研究(13)(14)(15)(16),ダンパの減衰特性の観察(17),光学変位センサの出力特性の解析(18)などがある.また,英文誌においては,足圧センサーと慣性計測ユニット(IMU)を組み合わせたセンサーヒュージョンに関する研究が発表されており(19),これが計測技術に近い内容となっている.
日本機械学会で2024年を中心に発表された計測技術に関する論文を調査すると,鉄道技術分野において比較的盛数多く発表されていることがわかる.車輪とレールの接触力学には未解明の複雑な現象が多い一方で,鉄道の安全を支える重要な分野であることから,実用の面においても計測技術に対する需要が高いと思われる.
〔中野 公彦 東京大学〕
13.6 板・シェル理論
2024年9月に実施された機械力学・計測制御部門の講演会(Dynamics & Design Conference 2024, D&D2024)は,第67回理論応用力学講演会(NCTAM67)が併催された.その中で板・シェルの振動および座屈を中心に取り扱うオーガナイズドセッションである,「OS1-3 シェル構造の解析・設計の高度化」には10件の講演があった.また,2024年8月に合同で開催されたThe 17th International Conference on Motion and Vibration Control(MoViC2024)およびThe 20th Asia-Pacific Vibration Conference (APVC2024)では,両講演会のジョイントオーガナイズドセッションである,「J-OS1 Dynamics modeling and analysis」や「J-OS2 Noise and vibration control」内にて数件の板・シェルに関する研究報告がなされた.
これらの学会の中で,炭素繊維強化複合材料(CFPR)に代表される先端複合材料の平板やシェルに関する研究が最も多く,詳細は以下の通りである.3Dプリントされた積層複合材平板は,横等方性を仮定できないなど,複雑な材料定数を示すため,それらの同定に振動特性と多目的最適化手法を適用した研究(1),3Dプリントされた熱可塑性炭素繊維強化複合材(CFRTP)の減衰性能を検証した研究(2),ファイバー縫付機などの新たな複合材作製装置を想定し,指定された平板やシェル曲面に対して最適な曲線状の強化繊維形状(異形平板の振動数を最大化する最適な繊維形状を図13-7-1に例示する)を探索する研究(3),複合材の熱座屈特性を最適に設計するために,材料特性の温度依存性を考慮した剛性に関する不変量,および熱弾性不変量を導入することにより,積層パラメータを用いて対称積層板の熱座屈特性を明らかにし,座屈温度を最大化する積層構成を最適化する研究(4),文献(3)と同様の曲線状強化繊維の形状を最適化するにあたって,設計空間を学習しながら代理モデルの精度を上げていく最適化手法を適用した研究(5),さまざまな繊維配向を有する積層複合材料の平板および曲面シェルの自由振動および強制振動特性を,一次せん断変形理論(FSDT)に基づく新たな解析手法を提案し,その有用性を示した研究(6),スティフナー付きCFRP板の層間剥離を非接触なレーザー誘起プラズマ衝撃波で励起したLamb波の伝播特性から検出する手法を検討した研究など(7),構造物の外板など,板・シェル形状で頻繁に利用される複合材料の振動に関する研究は活発であり,今後も多くの研究が行われることが予測できる.

図13-6-1 異形平板の振動数を最大化する曲線繊維(3)
その他,D&D2024/NCTAM67では,連続体の境界条件を表現するインデックスに非整数を導入し,自由端と単純支持端の間に相当する物理的な弾性拘束を表現することを検討した基礎的な研究(8)から,自動車サンルーフシステムの振動特性に関して,CAE を援用し固有振動解析,周波数応答解析を行った研究(9),小型ファンが振動することによる固体伝搬音の抑制に取り組む研究(10),3DプリントされたPLA平板の積層方向や充填率によって生じる異方性を振動特性を用いて同定する研究(11),トポロジー最適化にマルチマテリアル概念を導入し,部品単体のマルチマテリアル化(マルチマテリアル化の例を図13-7-2示す.アルミ材単体よりも14.1%軽量化に成功)について検討した研究(12)など,実構造物の振動問題などに取り組む応用的な研究報告がなされていた.

図13-6-2 マルチマテリアル化した構造部品の例(12)
MoViC2024/APVC2024では,広帯域吸音特性を実現するために,ヘルムホルツ共鳴効果と板振動効果を組み合わせた直列結合型有孔板吸音材を提案した研究(13),圧電アクチュエータを取り付けた板構造の振動応答を正確に予測するために,ブロック力測定とFRFベースのサブストラクチャリングを用いた伝達関数推定手法を提案・検証した研究(14)など,板構造の振動特性に関する研究が騒音・振動制御関連のセッションにて報告されていた.
以上のように,近年の3Dプリンターなどに代表されるAdditive Manufacturing技術の発展により,複合材を始め,これまでにない複雑性を持つ板・シェル構造が実現可能になっているため,それらの機械的特性に関する研究は今後も引き続き実施されると予測できる.
〔本田 真也 北海道大学〕