会長挨拶
会長新年挨拶 “情熱と変革”の2026年を迎えて

会長新年挨拶
2025年度(第103期)会長 岩城 智香子〔(株)東芝〕
謹んで新年のお慶びを申し上げます。会員の皆様には、平素より学会活動に多大なるご支援を賜り、心より御礼申し上げます。
2026年は、60年ぶりの丙午(ひのえうま)の年です。丙午は火の勢いが最も強く、情熱と変革を象徴します。60年前、日本は高度経済成長のただ中にあり、産業構造や社会が大きく転換しました。そして今、私たちは再び、AI・量子など革新技術が牽引する歴史的な変革期に立っています。機械工学分野にとっても、大きな節目の年となるでしょう。
昨年、我が国では科学技術への期待が一層高まりました。政府が掲げる「新技術立国」戦略は、科学技術と教育を国家の中核に据え、経済・外交・安全保障を一体的に強化する方針です。「日本成長戦略」では、AI・半導体、航空・宇宙、資源・エネルギー安全保障・GX、防災・国土強靭化、先端医療、フュージョンエネルギーなど17分野を重点領域とし、官民連携による投資加速が期待されています。機械工学は、これら国家戦略技術を支える基盤であり、重層的な技術体系の融合により、イノベーションの創出と社会実装が求められます。日本機械学会は、知のプラットフォームとして進化し、産業界・学術界・社会を結ぶハブとしての役割を果たす決意を新たにいたします。
さらに、政府は次期「第7期科学技術・イノベーション基本計画」を2025年度中に閣議決定する予定です。基礎研究力の強化・人材育成、国家安全保障との有機的連携、イノベーション・エコシステムの高度化などの視点が盛り込まれる見通しです。本会も、多様な教育プログラムや交流の場の提供、発信力の強化を通して、体系的な機械工学教育、分野融合、社会課題解決に向けた総合知の進化、次世代への啓蒙、グローバル人材育成を推進してまいります。
また、多様な人材が活躍できる環境整備も不可欠です。技術革新を支えるのは人であり、若手や女性研究者・技術者の挑戦を後押しすることは学会の重要な使命です。本会では、多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包摂性(Inclusion)に配慮した組織運営を推進すべく、DEI宣言を公表しました。さらに、新設したDEI推進委員会を中心に、異なる視点の融合による新たな価値創造に向けて取り組んでまいります。
60年ぶりの丙午の年は、情熱と変革の象徴です。学会もその精神を胸に、挑戦を恐れず、スピード感をもって未来を切り拓く―その原動力を、会員の皆さまとともに育み、社会に新たな価値を届けてまいりましょう。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。