一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

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会長挨拶

魅力あるエンジニアソサエティの実現に向けて

佐々木 直哉〔(株)日立製作所 研究開発グループ 技師長〕


この度、大島まり前会長の後を受け、日本機械学会の第96期会長を拝命しました。

情報技術や最先端科学の急激な進展に伴い、学会を取り巻く環境は社会や産業のめまぐるしい変化の中で複雑化し、学会という存在の意義や方向性が問われる時代になっています。

このような背景を踏まえ、昨年度は本会創立120周年の節目として、“新生「日本機械学会」の10年ビジョン”アクション実施の初年度であり、また大島会長の強力なリーダシップにより学生員を中心に会員が増加し、本会にとって大きな転換点となる年となりました。

2018年度は、昨年度の成果である会員増加の傾向を定着させ、これまでの会員減少の動きに歯止めをかけるとともに、政策・財務審議会や理事会関係者にて多くの議論を重ねて新設した「経営企画委員会」を中心に中長期的視点からの施策検討を加速し、さらなる発展のために組織力の強化を図りたいと考えます。さらに、アクションプランの着実な実行を行いながら、機械工学の技術者集団としての原点をもう一度思い起こし、実学としての活用に基づく多様な価値創出や課題解決による社会・産業貢献に寄与するためのさまざまな取り組みにチャレンジできる仕組みを検討していきます。

そのため、以下の3点を2018年度の運営方針としました。

(1)若手技術者にとっての魅力度向上

会員増加傾向を定着させるためには、学生員が社会人になってからも本会の会員であることの価値を認めてもらう必要があります。その基本は、技術者にとっての魅力度を向上させることです。そのためには、新しい方向性や産業界の課題を取り込む仕組みの構築、産学交流の場としての機能を強化していく必要があります。今期から常設委員会となった「若手の会」活動を本格化して若手ネットワーク構築と若手支援策の策定に取り組みます。また、産学連携促進の施策として、企業における技術課題を反映し、機械工学の協調領域技術を議論する懇談会や分科会も計画、推進していきます。

(2)組織力強化のための取り組み加速

組織力強化の第一弾として2018年4月に新設した「経営企画委員会」に続き、イノベーションセンターと標準・規格センターの改編を検討します。両センター下の事業委員会のミッションを明確にし、より活動しやすい組織体制を目指します。また、支部活動に対する支援策を検討します。支部の状況は、規模や地域の特殊性により大きく異なります。支部活動がより活性化するような仕組みが必要だと考えています。さらに、組織力の強化には、財政的な視点からの検討も必要になります。将来、どのような活動に資金を使うのか、そのためにどの事業で収益を上げるのかなど財政の中長期ビジョンについても検討していきます。

(3)10年ビジョンに基づくアクションプランの着実な実行

2018年度は着実にアクションプランを実行に移していく必要があります。部門のあり方については、昨年度出された「部門のあり方検討委員会答申」をもとに議論を継続するための検討委員会を立ち上げます。年次大会についても昨年度出された「年次大会検討委員会答申」をもとに2019年度に秋田大学で開催される「新年次大会」実現に向けた準備を行っていきます。さらに、「機械の日」の原点に戻ったイベント開催(8月7日)を準備していきます。10年ビジョンの実現には、新たなことに挑戦していくことが求められます。そこで、新規事業などの提案を促進し、支援する「チャレンジ制度」のようなものについても検討していきたいと考えています。

産業界1.5万人、アカデミア1万人、官公庁や学生など1.2万人を擁する本会には、産官学交流の場としての大きなポテンシャルがあり、そのポテンシャルをうまく引き出して、これからの機械工学の多様な方向性を議論し示すことができれば、技術者と若手、延いては全会員にとっての魅力度向上につながっていくと思います。

新しい価値や最適な解というものが容易には見つからないこれからの世の中において、Society5.0やSDGsなどの大きな動きやコンセプトも俯瞰しながら、これまでの諸先輩の活動成果を引き継ぎ、10年ビジョンの一つである「社会的責任を担い持続的に発展する学会」として、会員や産業、社会にとって魅力あるエンジニアソサエティとしての日本機械学会を実現するための活動を推進していきます。

(2018年4月19日 定時社員総会あいさつより)