特集 非破壊検査の最近の動向―日本非破壊検査協会との協議締結に際して―
製鉄所における超音波非破壊試験・非破壊評価
はじめに
鉄鋼材料は製鉄所において生み出され社会基盤を支えている
鉄鋼材料は、その強度、耐久性、加工のしやすさにおいて他素材にはない使いやすさを有しており、主に構造材料として建物や橋梁、輸送機器(自動車や船舶、鉄道車両)、パイプラインをはじめとするエネルギー供給インフラなどあらゆる産業分野で使われ、現代の社会基盤を支えている。
鉄鋼製品の製造法は、原料として鉄鉱石を用いる高炉法とスクラップを用いる電気炉法に大別される。高炉法は原料に含まれる不純物が少ないことから高級鋼の製造に適しており、日本では粗鋼生産量の約4分の3が高炉法で生み出されている。
図1に製鉄所の代表的な製造フローを示す。高炉にてコークスを用いて鉄鉱石を高温で還元し、銑鉄を生産する。銑鉄は炭素含有量が多くて脆いため、次に転炉にて酸素を吹き付けて所望の炭素含有量に減らし、強靭な鋼に転換する。その後、図には示されていない二次精錬炉でさらに含有成分を微調整した後、連続鋳造にて徐々に冷却しながら固めて、スラブ、ビレット、ブルームと呼ばれる半製品を製造する。以後、種々の圧延機を用いて所望の形状を作り込むとともに、機械的特性など所望の品質を得るために適切な加工熱処理や表面処理を行ない、最終製品となる。

図1 鉄鋼製品の製造プロセス
本解説記事では、この製鉄プロセスにおいて特に超音波(UT)による非破壊試験・非破壊評価に焦点を当て、最近の技術開発事例を3点ほど紹介する。